2005年3月29日

「セフィロトの樹の下で」第二部

本日、「セフィロトの樹の下で」第二部を開始しました。
ほんとにお待たせしました。感想メールをくださった人たちの一部には、去年の9月に第2部開始予定とお返事していたのにもかかわらず、この有様。伏してお詫び申し上げます。
全6章。また懲りずに悪の組織も出しちゃいますが、それに負けないくらいキスシーンも多いです。作者の妄想を満たすためだけに書くお話ですが、どうぞ見捨てないでやってください。

それに伴い、1年前にアップした「セフィロトゲーム小説」の巻末アンケートに答えてくださった方だけが飛べる「おまけページ」へのリンクも外しました。実は、今日アップした第一章(1)が、そのおまけページだったんです。アンケートに答えてくださった方にとっては一度読んだものであり、新鮮味がなくて申し訳ないです。

アンケートの結果はこうなりました。→ こちら

本日現在の集計で104名の方が答えてくださいました。
トゥルーエンディングが73票でダントツでした。これは、皆様の第一部への温かい声援とありがたく受け止めさせていただきます。
第二位は同数で40票ずつ。「樹エンディング」と「盗聴器エンディング」でした。
「樹エンディング」は、本編では死んでしまう樹が生きて幸せに胡桃と暮らしているというもの。本編をいきなり根幹からくつがえす力技エンディングでしたが、樹を熱狂的に支持してくださる方が多かったのが、うれしかったです。「盗聴器エンディング」は、かなりきわどいエンディングでしたので、第2部はラブ爆裂の方向に進んでほしいという、読者さまからのご要望だと受け止めさせていただきます(こらこら)。
そのあとは、「女たらしエンディング」「ピアニストエンディング」「ジャングルエンディング」「犬槙エンディング」と続きます。
「ピアニストエンディング」が好評なのは、作者としてはけっこう意外でした。哀しいお話なのに……。文中にある「批評され、順位をつけられる者」の心の叫びは、ちょっぴり私の実感がこもっているかもしれません。

ちなみに作者である私が、どのエンディングが一番好きかというと、実は「犬槙エンディング」なのです。
現実的な話としては、このエンディングが本当なのだろうな、と思います。死に抗うことができずに心を遺して死んでいく夫。そして、彼に一生心を縛られることで、生き残った罪を償おうとする妻と親友。
もちろん、その現実に挑戦することから、このお話は始まっているのですが。

このアンケートでは、たくさんの方たちから投票だけではなく、コメントもいただきました。その数は驚くほどのものでした。匿名の方々にはお礼を言うことはかないませんでしたが、本当にたくさんの励ましをありがとうございました。
複数の方から、次のような質問・要望をいただいたので、この場を借りて答えさせていただきます。

>犬槙さんを第二部で活躍させてほしい。新しい恋人はできるの?
はい。彼にも、いいことがありそうですよ。

>樹と胡桃の幸せな頃の話を読みたい
第二部の回想シーンに入れるか、別の番外編で考えてみますね。少しかかるかもしれませんが、気長にお待ちください。

>子育て中、または幼児教育の勉強中なので、余計に考えさせられた。
ありがとうございます。でも私は失敗ばかりの母親だったので、偉そうなことは言えないのです。

>セフィロトは「ファイナルファンタジー?」のセフィロスと何か関係が?
はい。「FF?」は私の永遠のベスト1ゲームです。セフィロスという名前の由来がユダヤ神話の世界樹から来ているとゲームの攻略本か何かで読みました。今回「木」がテーマで、キャラの名前もすべて木の名前から取ろうと決めたとき、そのことを思い出したのです。

おまけページはもうありませんが、アンケートはまだ残しておきます。もしよかったらお答えいただくと幸いです。

2005年3月26日

気が多い

とっとさんも営業日誌でおっしゃっていましたが、私もこの頃、非常にムラっ気です。
PCが治って帰ってきたあと、それで気が緩んだのか、毎日書きたいものが日替わり定食のように変わります。
かと思えば、CGIをいじってみたり、素材サイトをめぐってみたり。
突然フラッシュノベルが作りたくなって、背景を加工し始めたり。久々に市販のサウンドノベルゲームをプレイしたり、本を読みたくなったり。
仕事をしようかと履歴書出してみたり、運動のために散歩を始めたり。我ながら、よくもこうコロコロ変わるものです。
まあ、それでも何かをやりたいという意欲があることはいいことで、どれも長続きしないなりに、いろいろと収穫もありました。

●素材サイトをめぐっているうちに、「SACRED AIR」さんで、期間限定バナー企画を見つけて、さっそく申し込み、新しいバナーを作っていただきました。十字架をモチーフにしたすてきなバナーです。リンクページに置いてあります。
●小説トップページの改装をしたり、登場人物紹介を作ったりしています。
「ギャラクシーシリーズ」は、短編から独立させて中編コーナーに入れました。トップページには、とっとさんからいただいた美麗なCGを配させてもらっています。
●CGI配布サイトで、ひとことメールフォーム用に適したものを見つけたので、さっそくサイトのインデックスページに試しに置いてみました。「匿名可・返信なし」という素っ気ないものですが、もしよかったら使ってみてください。ときどき、いいことがあるかもしれませんぜ?
もし、返信をご希望の方は、今までどおり「感想・連絡用メールフォーム」のほうをお使いください。

なお、サイト関連情報ではありませんが、お知らせがふたつ。

●「吾輩ハねこまつり」のメイン会場では、まだ一作連載が続いています。長い間、腱鞘炎のため休載を余儀なくされていた、じぇみさんの「猫の秘密」が再開しました。
拙作「ティトス戦記」のキャラ設定を下敷きに書いてくださっていますが、魔王になったルギドが佐渡魂をくすぐり、読んでいて思わず悶絶しそうに……(笑)。
●霞桜蘭さんのサイト「乱れ雪月花」の二周年記念として、「日ワイミステリー劇場」の最新作、「真夏の夜の夢」をTERUさんが寄贈しました。私も含め、当サイトでよく見かける常連さんの総出演。

もしよろしければ、どちらにも足をお運びください。

2005年3月25日

グッドフライデーとイースター

今日はキリスト教にとっては大事な日です。英語ではGood Friday、日本語では、カトリックなら「聖金曜日」、プロテスタントなら「受難日」と呼ばれる、つまりイエス・キリストが十字架に架かって処刑された日なのです。そしてその二日後の日曜日が、イエスの死からの復活を記念して行われる「復活祭」、つまりイースターです。
ところで、このイースター、厄介なことに年によって日が違うのです。「春分の日以降、最初の満月の次の日曜日」というのが定義なので、4月になったり3月になったりします。3月27日がイースターというのは、ここ数年で見れば早い方で、うちの教会の教会学校で行く早天礼拝も、今年はかなり寒いと思われます。

アメリカでは、おおむねこの木曜から日曜までの四日間が学校の春休みになります。お店も休むところがあるので、注意が必要です。また各地でイースターパレードが行われるので、旅行するならチェックしておいたほうがよいでしょう。
ついでに全くの余談ですが、アメリカの公立小学校では、イースターと言えば卵とひよことウサギがシンボルとして出てきます。キリストのキの字も出てきません。実はアメリカでは公立小学校で宗教について教えてはならないのです。クリスマスも同じで、教室の飾りは「メリークリスマス」のかわりに「ハッピーホリデイズ」が掲げられます。キリスト教国というイメージが強い国だったのに、とても意外でした。
これには多民族国家なりの配慮があるらしいです。近年増えてきた仏教系・イスラム系の移民もさることながら、もっとも大きいのはユダヤ人に対する配慮でしょう。非キリスト教国の日本のほうが平気で「メリークリスマス」と書くだろうなと思います。
……などという話を、高橋京希さんの「ブログコラムス」に月イチで連載していますので、もしよろしかったらお出かけください。

去年、「パッション」という映画が公開されて、その鞭打ちや十字架刑の残虐な描写が話題になりましたが、イエスの本当の死因は肉体的な傷によるものではないそうです。アメリカの医師たちが集まって、聖書の記述をもとに、イエスの死因を特定する試みがありました。ゲッセマネの園で血のしずくのような汗を流したということ。十字架の上で死んだイエスの脇腹を槍で突き刺すと、血と水が出てきたこと。
彼らの結論は、イエスの死因は「極度の精神的苦痛による心臓麻痺」だったそうです。

「しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた」(イザヤ書53章5節)
この旧約聖書の預言を深く思う日でありたいと思います。

2005年3月19日

見慣れたカップ

 かちゃかちゃと陶器を重ねる音で、ソファの背にもたれていた私は、厚ぼったい瞼を開いた。
 少し飲みすぎたわ。
 奥田久仁彦の盛大な受賞記念パーティのあと、主だった関係者は彼の自宅に場所を移して、深夜まで騒いでいたのだ。しかし、それももうお開きらしい。ふたり去り、三人去り、とうとう十五畳ほどの広さのダイニングルームに残っているのは、私だけになってしまった。
 テーブルの上のグラスやオードブルの皿をトレイに載せて片付けているのは、奥田の妻の冴香だった。レースのエプロン姿で、くせのない長い髪をひまわりの花の髪留めで押さえた彼女は、奥田より10歳年下。彼がまだ作家と大学講師の二足のわらじを履いていた7年前、勤め先の学生だった彼女と結ばれたというのは、出版界では有名な話である。
 彼は当時結婚していた。その妻と離婚してまで彼女を選んだのだから、大恋愛と語り継がれるにふさわしい。
 私は少しふらつきながら立ち上がり、スーツのスカートによれがないか確かめると、冴香の元に近づいた。
「手伝うわ」
「あ、いいえ。加納さん、どうぞお休みになっていてください」
「いいの、勝手知ったる他人の家よ」
 私は手早く、皿を重ね始める。
「あら」
 ふと手を止めて、ミントンの小花模様のティーカップをひとつ取り上げた。あまりにも大勢の来客で、やむを得ず食器棚の奥にしまってあったセットを出してきたのだろう。
「これ、まだ捨てずに置いてあったのね」
 冴香の肩がぴくんと震えるのが見えた。
 ソファもカーテンもテーブルもカーペットも、目に見える限りのすべてのものは替わっているのに、こんなところに懐かしいものを見つけてしまう。


 7年前に奥田が別れた妻。それが私だった。


 ―― 彼女のことは僕に責任がある。責任を取りたいんだ。
 ―― それじゃあ、私は? あなたの妻である私には、責任を取らなくていいっていうの?
 ―― きみには悪いと思っている。
 ―― 卑怯よ。おまえなんか、もう愛してない。彼女しか愛してないんだって、どうしてそう言わないの?
 私がここの玄関のドアを閉める最後の瞬間まで、とうとう彼はその残酷な優しさを貫き通した。
 私たちには子どもがいない。彼の思い出の詰まっているこの家にひとりで暮らすことは耐え切れなかった。私が出て行き、冴香がこの家に迎え入れられることが弁護士を通じて取り決められた。
 そして、私は慰謝料代わりのマンションで、たったひとつのティーカップを前に毎晩泣いた。
 私が磨きぬいたあの台所に彼女が立って、彼のために料理を作る。私がせっせと雑草を抜いて手入れした芝生の上に彼女が座って、彼と微笑み合う。
 考えただけで、気が狂いそうだ。それほどに、私はまだ奥田を愛していた。


 離婚して5年半。
 応接室のドアを開けて入ってきた私を見て、奥田は驚愕した表情をあらわにした。
 渡した名刺を手に、私のことを上から下まで見つめた。
「よろしくお願いします、奥田さん。私が今日から「創作推理」編集部に配属された、加納頼子です」
「そんな……。どうして君がここに……」
「さっそくですが、新春号の原稿を見せていただきました」
「いや、いくらなんでも……。君が担当になるのは、まずいだろう」
「トリックは新鮮味がありませんが、切り口がいいと思います。主人公のコンビニ店員が、人々を観察しながら推理に結びつけるという設定もおもしろい。ただ、被害者の弟が来店するのはどうでしょうか。ここで感づいてしまう読者もいるのではないかしら」
「しかし……」
 奥田は、浮かしかけていた腰をふたたび沈めた。
「……ここでの会話が後の重要な伏線になっているんだ」
「弟を登場させなくても、伏線は作れます。たとえば、宅配便の運転手を第4章ではなく、ここで登場させるんです。彼ならば職業柄、路上駐車にはすぐ気づくはずです」
 もう彼は私の方は見ていなかった。眼鏡の奥の目を細めながら、テーブルの原稿をひったくるようにして繰り始めた。
 その日から、私は彼の担当編集者となった。


「ここは7年前のままね」
 カーテンの隙間から、灯りの照らし出す夜の庭を見てひそやかに笑った。さすがの冴香も庭の木だけは引っこ抜けなかったと見える。
 あれからの歳月、私は血のにじむような努力をしてきた。
 最初は小さな雑誌出版社でお茶くみ、使い走り。毎日二冊以上の本を読むことを自らに課し、担当した作家の原稿をもらうためなら幾晩でも徹夜した。
 才能なんて努力で奪い取るもの。そして、ついに出版界で腕利きの編集者と一目置かれる地位にまで昇りつめたのだ。
 すべては、奥田久仁彦に近づくために。彼を一流の作家に育て上げるために。
 私と奥田は、寝食を忘れてたくさんの作品を生み出した。私たちは、もはや元夫婦であることを忘れ、戦友であり同志だった。そして、彼は私の思惑通り、本格ミステリー作家として世間に広く認められるようになった。
「頼子」
 奥田はグラスをふたつ手に、まっすぐに私に近づいてきた。冴香は台所にでもいるのか、姿が見えない。
「ありがとう。賞を取れたのは、すべて君のおかげだ」
 彼の金縁の眼鏡の中に、真っ赤なルージュを引き妖艶に微笑む女が写っている。男に熱っぽく見つめられる価値のある女。私はうっとりとその影に見惚れた。
 考えてみれば、私がこの家で暮らしていたとき、奥田の目にこんなふうに私が写ったことは、どれだけあっただろう。
 私は家を守るだけの、つまらない女だった。話題と言えばテレビのことばかり。自分を女として磨くことさえ、忘れていた。
 そう、今の冴香みたいに。
 あのとき、溌剌とした大学生だった冴香はもういない。この家にいるのは、日々の生活に追われた、愛らしいが成長することのない女性。
 奥田久仁彦の真のパートナーは、今は私なのだ。
 私にグラスをあずけると、そのまま彼の指は私の頬をすべった。
「頼子……。僕は」
「そうだ。言い忘れていたことがあるの」
 私はその手を軽く振り払い、ふっと息を漏らした。
「今度私、あなたの担当をはずれることになったわ。来年創刊される女性誌の編集長に引き抜かれたの」
「なんだって?」
「あなたの受賞がいい勲章になった。2年足らずのお付き合いだったけど、楽しかった」
「頼子、そんな……」
「それじゃあ、ね」
 呆然としている彼を残して、私はグラスをサイドテーブルに置くと、入り口に掛けてあったコートを手に取った。
「もうお帰りでいらっしゃるの」
 冴香の声がした。振り返ると、パジャマ姿の幼い息子を抱っこしている。
「ごめんなさい。この子、今頃になって起きてしまって」
 瞳の中に、ちっぽけな歪んだ優越感がきらめいている。わざわざ眠っている子を起こしてまで、妻の切り札を見せびらかしているつもりなのだろうか。
 馬鹿な女。馬鹿で、哀れな女。
「それじゃあ、おやすみなさい」
 コートを羽織り、バッグを手にゆっくりとステップを降りる。
 振り向くと、暖かな光を四角く切り取った玄関には、捨て犬のような目をした奥田と、その横に息子を抱いてぴったり寄り添う冴香がシルエットとなって立っていた。
「ああ、ほんとに飲みすぎたわ」
 つぶやきを追いかけるように、舗道を鳴らすハイヒールの音がうつろに響く。
 そういえば明日はこの地区の燃えないゴミの日。ミントンの小花のカップは明日、惜しげもなく冴香の手によって捨てられてしまうだろう。
 これで終わり。
 あれほど恋焦がれたあの家にも、もう行くことはない。
 私は、住んでいるマンションの鍵を開けた。
 灯りをつけ、寒々とした部屋の真ん中にコートのまま、ぺたりと座った。
 復讐は、終わった。
 私は彼の心を取り戻し、そして今度はこちらからゴミのように捨てたのだ。
 それでも。
 それでも、もし時がもう一度巻き戻せるものなら、私は彼の隣のあの場所に立っていたかった。
 熱い涙が頬を伝う。私はいつまでも独りの部屋で泣き続けた。


 (あとがきは追記にて)

「掌編」というカテゴリーを新設しました。
本館では、掌編は掌編集というまとまった形でしか載せていなかったのですが、せっかくブログをやっているので、こちらで随時載せていこうと思います。
この掌編は、実は数ヶ月前に私の見た夢を元にしたものです。
夢の中で、私はご飯を食べたあと、自分の家なのに、そこからどこかに帰ろうとしているのです。どうも、夫は別の女性と暮らしているらしいのです。そして半睡半覚の意識の中で、「こうなったのはしかたないな、私って専業主婦で、つまんない女だったもの」と思っているのです。
目が覚めたとき、呆然としましたよ。なんだかとても辛い夢でした。でもそこは物書き。せめてお話の中で、リベンジをせねばなりますまい(笑)。
もともとは羊さんのブログ「物語の咲く庭」に載せていただいたものですが、お許しを得てこちらにも掲載します。

2005年3月18日

お役立ちフリーソフト

PCのデータが全部回復できたことで、小説が残っていたのもうれしかったのですが、フリーソフトが全部残っていたこともうれしかった。またこれを全部ダウンロードしてきて、インストールするのは大変だったと思うのです。
今度こんなことが起こったときのメモがてら、その一部をここでご紹介します。私にとっては役に立つものばかりですが、PCによっては相性が悪かったり、使い勝手の悪いものもあるかと思いますので、そのへんはご了承願います。有償のものは挙げていません。

☆ 音楽関係

てきとうシーケンサー(MIDI作成ソフト) 配布サイト「対旋律」
聖歌隊の奏楽担当の私としては、いまや欠かせないソフトです。
コーラスでは、パートごとの練習をどうするかが課題です。集まれないときに家で練習できるように、テープかCDに各パートを録音してと頼まれるのですが、ソプラノからベースまで4パートを4回ピアノで弾くのはしんどい。
このソフトは、楽譜を単純に手入力するようになっていて、16パートまでなら、それぞれ楽器の音色で打ち込んで演奏するようになっています。合奏するとフルオーケストラのようになるし、各パート別にすることももちろん可能。MIDIに出力して、メールで送ったり、CDに焼いたりして、メンバーに配ることができるのです。ほかにも類似のソフトはあるかもしれませんが、私にはこれが一番ぴったり来ました。ただし手作業の入力は慣れるまでたいへん。

Finale Notepad 2004(楽譜作成ソフト) …配布サイト「Finale」
これも、ピアノ弾きとして待ち望んでいたソフト。音符を入力することで楽譜を作成し、音声にすることができます。何よりもすごいのは、入力した楽譜を転調し、それを印刷できること。今まで楽譜の転調は長い時間をかけての手作業でしたが、これは一発変換です。たとえばヘ長調の楽譜をハ長調に直して演奏することも簡単になります。有償バージョンもあるので、本格的なものを望む人はそちらを購入できます。

Audio Encoder(音声変換ソフト) …配布サイト「窓の杜」
WAVやMP3といった音声ファイルを相互変換します。「夜叉往来」のフラッシュノベルを制作したときに、BGMや効果音にはMP3形式の音声ファイルが必要でした。しかし、MP3の容量はハンパでないのです。大きな曲になると1メガ。このソフトはレートを下げることで、容量を小さくしてくれます。MIDIファイルを再生してほかの形式に変換することも可能。


☆エディタ関係

MK Editor(テキストエディタ) …配布サイト「MK-SQUARE COM.」
CGIやPHPを書き換えるときに必要になる高機能のテキストエディタ。複数のファイルをタブで切り替えながら同時に編集でき、EUCなどの文字コードにも対応しています。

TextSS(HTML&テキスト用の一括置換) …配布サイト「ベクター」
複数のHTMLやテキストファイルの中を一括置換する。ファイルやフォルダを指定して、その中の文字や文章を一括で別の文字に置き換えることができます。
教えていただいたことですが、小説のダウンロード版は縦書きビューアで読む方が多いので、数字はローマ数字でなく漢数字にしたほうがよいそうですね。その変換のとき大いに役立ちました。多量のファイルをいっぺんに書きなおせるのが便利です。
実は今まで、これの旧バージョンを使っていたのですが、今回このブログを書くにあたって、新バージョンがあることを知り、あわててダウンロードしてきました。まだ使っていませんが、これだとかなり高度な置換もできるみたいです。

窓の中の物語(テキストビューア) …配布サイト「オンライン情報リンク集」
上で書いた、縦書きビューアです。
しおりやルビ機能があり、ページをめくるときに音がして、本当の本を読むような感触がします。

☆その他(書くまでもない、定番の有名フリーソフト)

ffftp(FTPクライアントソフト) …「Sota's Web Page」
+Lhaca(圧縮・解凍ソフト)  …配布サイト
Spybot(スパイウェア検出・駆除) …日本語の解説サイト

こんなところでしょうか。もっと良いのがあるよという情報があれば、お教えください。

2005年3月17日

ゆったり

ご心配をおかけしておりました入院中のPCのことですが、昨日無事に退院してまいりました。
「マザーボード、コンボドライブ、電源ユニット、CPUファンに不具合のため、交換」
と報告書にあり、うわあ、こんなにボロボロだったんだなと、しみじみ。これで3万円は安いかもしれません。
それに、データが全部無事だったんです! HDDを交換したわけではないので、データは消えなかったんですね。基盤交換と聞いたとたんに、すっかりあきらめていました。
書きかけだった小説も無事でした。実はあきらめて、もうリライトしていたのですが、ふたつのデータをつき合わせて推敲しようと思っています。再セットアップしなければならないと覚悟していた時間が空いたので、しっかり執筆せねば。

きのうは早く帰宅した旦那さまといっしょにPCを取りに行き、せっかく浜のほうに来たのだからと、その足で鳴尾浜の温泉ランドに行ってきました。
西宮在住の人でないとまったく興味ないでしょうが、「熊野の郷」というところです。都会の中なのに100%源泉かけ流し風呂なのです。サイトはこちら
露天風呂、ジャグジ、塩サウナから、エステやレストランまでそろっている施設ですが、ここの売りは「岩盤浴」。なんでも中国直輸入のトルマリン成分の入った石で作ったという黒い板を熱してあって、その上に寝るのですが、熱くてすごく気持ちいい。でも、だんだんと熱せられてきて、じっと寝てられなくなります。アチチ、こんがり焼き豚になりそう。ときどき別室で涼みながら寝るのがコツだそうです。
体がほかほか芯からあったまって、とってもゆったりとしたリラックスタイムを過ごせました。

2005年3月14日

PCその後

入院中だったPCがようやく修理完了。昨日夕方、販売店からメールが入ったのですが、残念ながら取りにいけませんでした。水曜に取りに行く予定です。
結局、基盤を取替え、CDドライブのモーターも取り替えるという大手術となりました。ロボットなら初期化して、まったく新しい人格になってしまうようなものです。もちろん、データはあきらめました。
保障に入っていたので、3万円で済んだのが不幸中の幸い。一週間で修理完了したのも、覚悟していたよりは早かったです。

これを機会に、ずっと夫婦共用だったPCを私専用にしてもらえることになりました。夫は株関係は会社でチェックし、普段は古いノートパソコンを使って、あと必要なときだけ、私のところに間借りするよと言ってくれたのです。
ごめんね、あなた(涙)。夫婦の力関係が如実に出てしまったわ。
でも、内心はと言えば、いいノートパソコンが出たら買いたいみたいです。

そんな話をしていたところちょうどタイミングよく、彼がずっとほしがっていたものが発売されると昨日のニュースでやっていました。

文書作成もできるということですし、3、4万程度で買えるのなら、ノートパソコンよりずっと持ち運びに便利で用途が広がりそうです。親指ピコピコがいまだに下手な私たち夫婦のような世代には、これは受けるのではないかと思いました。

2005年3月 7日

PC入院中

PCがご臨終あそばしました。いや、そうだとは信じたくない。
まだ買って三年足らず。確かに私と夫の共有で一日12時間酷使していましたが、それでも人間で言えば50歳の働き盛りじゃないですか。まだご隠居するには早すぎるよぅと、50歳の旦那をそばにして叫んでみる。

前から調子は悪かったのです。スイッチを入れるとエラーメッセージが出たり、特にCDはこのところまったく認識せず。土曜日突然、画面がホワイトアウトしてしまい、いくらスイッチを押しても電源が入らない状態になってしまいました。
マニュアルの「電源スイッチを押しても電源が入らなくなったとき」の項目にはこう書いてあります。
「電源ケーブルをコンセントから抜きます。PC本体の電源スイッチを2、3回押し、本体に帯電した電荷を放電します。そのまましばらく放置した後、電源ケーブルを正しく接続します」
とあります。実際、前にも同じ症状になったことがありましたが、この方法で無事復活しました。
しかし、今度はダメでした。マニュアルはさらに、こう続いています。
「この操作を行ってもPCの電源が入らない場合は、PC本体の故障が考えられます。ご購入元または本社にお問い合わせください」
というわけで、PCは昨日夫の手によって、強制入院させらせました。修理には最低一週間から10日くらいは覚悟せねばなりません。

というわけで、今は息子のPCにバックアップデータを移して間借りする身です。連載中の「EWEN沈黙の回廊」だけは、なんとか予定通り更新するつもりですが、あとの予定が大幅に狂ってきそうです。
それと、金曜にしかバックアップをとっていなかったため、書きかけだった「夜叉往来」の一日分の執筆がパーになりました。わずか数十行ですが、それでも一度書いたものが消えてしまうのはショックでした。こまめにバックアップを取る。何度も言い聞かせていることですが、やはりつい忘れてしまうのです。

まるで自分自身の体が怪我をしたみたいに、生活の多くの場面に軌道修正が必要です。PCは私の生活になくてはならないものだと思い知りました。
間借りのあいだ、メールのチェックやサイト内の細かい作業が滞ってくるかもしれませんが、ご容赦ください。

2005年3月 4日

真言陀羅尼

今週はずっと「夜叉往来」を書いていました。京都修学旅行編。京都のいろいろな場所を舞台として夜叉を追うストーリーです。その中で実際に取材したのは嵯峨野だけ。あとは全部インターネットで検索して情報を集めています。
なまじ兵庫県に住んでいて、その気になれば京都へは日帰りで行けるだけに、やはり取材に行ったほうがよいのではと思うことしきり。もしこれがドイツとかだったら、潔くネット情報だけで書けるんですけどね。
実際に行った場所では、「緑の色はどうだったか」「道は登りだったか平坦だったか」そんな感覚的に細かい描写までできます。もっともあまり書き込みすぎて、くどくなってしまう恐れもあり、私のような素人作家では、むしろ取材しないほうがストーリー中心に進められるのかもしれません。

さて前置きが長くなりましたが、今日は真言陀羅尼について。
ごぞんじのように、「夜叉往来」では、夜叉追いが唱える真言陀羅尼が重要な役割を果たしています。真言と陀羅尼はほぼ同じ意味で、「真言」は原語の意訳語、「ダラニ」はその音写訳らしいです。
私はもっぱら「真言陀羅尼」(平河出版社)をタネ本と使っています。真言のことならほぼ網羅した、真面目な学術書です。
仏教の壮大で難解な理念は、私ごときではとうてい理解することはできないので、表面的な意味だけすくいとって使わせてもらっています。たとえば、第六話に出てきた天鼓雷音如来の真言などは、語感から連想して、電波に関係する場面に使いました。
こんなふうにファンタジーの魔法のような使い方をするのは、私が仏教徒でないからできることかもしれませんね。
もっとも、仏教信仰の中でも、真言をおまじないのように使うことがないわけではありません。安倍晴明や陰陽道などで有名になった「アビラウンケンソワカ」という真言は、もともと地・水・火・風・空の五大要素を表すことばですが、歯痛用のおまじないとしても用いられているそうです。

真言を小説に引用するとき一番困るのは、ことばがあんまりカッコよくないということです。
夜叉を祓う場面に意味がぴったりだなと思われる真言でも、「トコニヤ・モコニヤ・チョボニ・タンボニ・オボキ・モコシ・フンジャリ・ホンジャリ……」と続くと、ああ、使えない。少々意味は犠牲にしても、かっこいい真言を優先したくなります。
でもあるときは、短くてかっこいい真言だと思ったら、修行者の隠所(つまりおトイレ)作法の真言だったということもありましたよ(涙)。

2005年3月 1日

投票ありがとうございました。

三周年記念企画として、1月半ばから行っていた「小説人気投票」を本日0時をもって終了しました。
さて、結果を発表いたします。じゃじゃじゃん。

1位 EWEN   123票
2位 魔王ゼファー  106票
3位 ギャラクシーシリーズ  105票
4位 ティトス戦記   95票 
5位 セフィロトの樹の下で  67票

特に、終盤になってからの2位争いの激戦は、最終日最後の数分までもつれこんでいたようです。私が最後に確認したときは105票でまったく同数でした。結局私が投票ボタンを削除するまでのわずか十秒でポチされたみたいで、「魔王ゼファー」に軍配があがりました。興奮して思わず「きゃあ?」と叫んでしまいましたよ。
クロスオーバー企画は「「EWEN+ゼファー」もしも物語 聖と雪羽の初恋」に決定しました。10歳に成長した彼らをお楽しみに。
そして、「ギャラクシーシリーズ」と「ティトス戦記」に投票してくださった方、今回は申し訳ありません。余力があれば3位と4位同士のクロスオーバー、「ティトスの空にYX35便飛ぶ」(笑)をお届けしたいのですが(掲示板で「戦国自衛隊」の話が出てから、この設定がけっこう気に入っている作者)、やはり本編の更新を急ぐことが先決ですよね。

それに加えて、上位5作品は、続編・番外編を書かせていただきます。具体的な日程が決まっているのは、「セフィロト2」が3月末からスタートします。「ティトス」の番外編で3本プロットがあるのを急いで今年中に全部放出したいと思っています。「魔王ゼファー」と「ギャラクシー」も手持ちプロットは全然ありませんが(笑)、なんとか今年中に最低1作、できれば2作ずつアップできればいいな(しかしこんなにたくさん、できるのか、私?)

今回、一番感銘を受けたのは「ティトス戦記」続編を待望する熱いコメントでした。正直、これほど期待されているとは思っていなかったのです。2年も前に本編連載が終了しているお話ですし、実は「2周年キャラ投票企画」のときはあまり票が入らなかったので、ファンタジー好きの方は、うちのサイトにはもう来てくださっていないのだと思いこんでいました。
自分の中でも、「ティトス」は本編で完結しているお話なのだろうかとも考え始めました。それを模索する意味で、とっとさんからいただいた「墓標」のCGに、持っていた続編の設定の一部をつぎ込んでみたわけです。思った以上にそれに期待を寄せてくださった方たちがいたことに、とてもびっくりしました。

しかし申し訳ありませんが、続編のプロットはまだ十分に固まっていないのです。
本編を書いたときの、指が動かなくなるまで大学ノート5冊をびっしりと埋めたあの情熱に比べると、それに匹敵するものはまだ書けそうもないのです。私の中で、あのときのように、登場キャラたちが「出してくれ」とまだ叫んでいないのです。
とりあえずは、今連載している「夜叉往来」の完結(今年後半)までお待ちいただけますか。手をつけたところから一歩ずつ進めていきたいのです。
このサイトは10年、20年の単位で続けるつもりでいます。それこそ皆さんの子どもさんがいっしょに楽しんでくださるサイトになればいいなと思っています。
今回の投票で、心にふたたび火をつけていただいた気分でした。

短編部門では、「手をのばして」に投票が集中しました。栄一のモデルはうちの父なので、今日実家に行って、一番の功労者に肩もみでもしてきましょうか(笑)。
掌編程度の後日談ですが、書いてみたいと思います。あとは同じ傾向の作品を書くために、苦手な「せつない恋愛もの」に対して、さらなる精進と研究を重ねなければ。

今回の投票はおおいに執筆の参考になりました。一ヵ月半、本当にご協力ありがとうございました!

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