2006年5月29日

認知症

このところ、メディアで認知症が取り上げられることが多くなっています。先週土曜も3時間の特別番組がありました。50歳代、早い人は30歳で発症する「若年認知症」に対する知識も広まっています。
脳血管障害や過重なストレスが原因のひとつとも言われている認知症は、若い人にとっても決して他人事ではありません。
ひとりの重篤な認知症患者には、三人の介護者が必要だそうです。超高齢化社会の到来する日本社会にとって、これほど重い荷物はないのではないでしょうか。

かくいう私の周囲にも、認知症がおります。幸い、徘徊などを伴わず、身の回りのことも自分でできる程度の、ごく軽い症状ですが、それでも日常接する者にとっては、けっこう辛いものがあります。
朝になると、「○○がない」と言って、探し物を始める。
「とりあえず、代わりのこれがあるから」と納得させますが、次の朝には、まるで昨日のことがなかったかのように、「○○がない」と、また探し物が始まるのです。そのうち、「○○を捨てられた」と話が変わっていきます。
数分前に交わした会話も忘れてしまいます。会話の内容だけではなく、会話をした事実そのものも忘れてしまうのです。一方で、一度インプットされた間違った思い込みは、何度説得しても、容易に捨てようとしません。
いずれも、粘り強く何回も話せばよいのですから、たいした労力ではありません。だが、それが毎日だと、家族はひどく疲れます。
あれほど、しっかり者だったのに。なんでもてきぱきとこなす人だったのにと、悲しくなるのです。
子どもを育てる苦労と比較するとわかります。子どもはやがて成長し、今日できないことも明日できるようになっていきます。だが、認知症患者は、今日できることが明日できなくなるのを、家族は見続けなければならない。

周囲の辛さはそれだけではありません。
物忘れがひどく、今まで簡単にできていたことも滞ってくるのを見ると、表面は穏やかに接しても、心のどこかに、その人に対する嫌悪感や苛立ちが生まれてきます。
「ごはんをこぼしてるよ」という言葉にも、「また」「何度言っても」「だからおまえは」という余計なことばがどんどん付随します。
小ばかにしたような家族の言動を、患者本人は敏感に感じ取って傷ついてしまうのです。感情の起伏が激しくなり、失敗を隠そうとしたり、ごまかしたりするのは、当然のなりゆき。
家族もつい怒鳴ったり、叱ったりしては、あとで非常な後悔に襲われています。優しくできない自分の醜さを、いやと言うほど思い知らされてしまいます。
たぶん来年はもっとひどくなる。そんな先が見えない絶望にとらわれないために、患者も家族も、お互いに一日をせいいっぱい生きるしかないのです。

今年の4月から、市町村の地区別に「統括支援センター」という制度ができました。介護保険で、「要介護」の下に「要支援1」「要支援2」という新しい区分ができ、「介護予防」という点が重視されるようになりました。
病気にもよりますが、認知症はごく初期に適切なリハビリをすれば、進行を食い止めることも、回復さえも不可能ではありません。認知症への認識が進み、従来の介護認定では「自立」とみなされていた初期の認知症患者にも、支援の手が届くようになりつつあります。
患者も家族も、家にばかりいないで、多くの人々と接することが大事なのです。
近所のお店の人に理解してもらうことによって、患者ひとりで買い物にも行けます。多くの目が注がれていれば、徘徊を未然に発見することもできるでしょう。患者との不毛な会話に疲れ果てている家族も、思い切り話を聞いてもらえる場所を必要としています。
お互いが閉じこもらないで、互いの助けを気軽に求められるコミュニティが、今の日本に欠けている理想なのです。

2006年5月23日

京都へ行ってきました

このところ、とみに取り憑かれているのが、「どこかへ行きたい症候群」。別名「家にいたくない病」(笑)。
チャンスあらば家から逃げ出そうとしています。今なら用事を言いつけられたら、どこへだって飛んでいきまっせ。

自分でも理由がわからないのですが、閉塞感があるのです。サイトでもいろいろ新しいことを始めてはみるのですが、どこか行き詰っている。パワーを一点に集束させることができない凹レンズ状態。
小説もあっちを少し書いては、やる気をなくして、こっちに移りという感じです。長編をひとつ終わらせた反動なのでしょうけど……。
そんなわけで、PCの前にいたくない。どこか別の場所に行きたくなるのです。忙しく仕事をしておられて、PCに向かう暇もない方たちからすれば、贅沢だということはわかっているのですが。

思いが高じて、突如、京都に日帰りで行ってきました。
西宮から四条河原町までは、阪急神戸線、京都線と乗り継ぎ、一時間半。それほどの大旅行でもないのですが、なんと京都は大学卒業以来でした(あ、一昨年嵐山には行きましたね)。学生時代は旧跡めぐりにはとんと興味がなく、まったくと言っていいほど観光はしていませんでした。
まず懐かしい市バスに乗って、26年ぶりに母校のキャンパスを見た後は、知恩院・八坂神社・円山公園・高台寺など、祇園界隈をぐるっとめぐってきました。
あいにくの雨の中でしたが、それだけに庭園の散策などは、ほとんど私ひとりの貸切状態。

今回の目的のひとつに、知恩院の近くにある「古門前通り」を見に行くことがありました。「手をのばして」の舞台ともなっているところです。骨董屋さんが多く立ち並ぶ町ですが、今は三本南の「新門前通り」の方が「古美術通り」としては名が通っているようです。

白川のほとり  古門前通で見た骨董店  さすがに京都は奥が深い…

そして、もうひとつの目的は、もちろんランチ(笑)。祇園で古い町家を改装したイタリアンレストランで、ランチコースをいただきました。さすがに風情があって、よいところでした。

知恩院は浄土宗の総本山ということで、念仏の大音声には度肝を抜かれました。京都市内を見晴らすお庭の新緑が美しい。
円山公園も実は初めてで、坂本竜馬と中岡慎太郎の像があるというのも初めて知りました。
高台寺は、秀吉の正室・北政所の開山した寺。
ちょうどその日から、、「百鬼夜行」と題した夏の特別拝観という幸運にめぐまれ、寺で所蔵している「百鬼夜行絵巻」、円山応挙の「幽霊図」の掛け軸などの展示も見てきました。
こういうのを見てしまうと、つい「夜叉往来」のネタにならないかと、あれこれ考えている自分がおかしいです。

知恩院の庭   町家のレストラン

四条通では、京みやげとしてえらく有名らしい「よーじや」で、あぶらとり紙と化粧品を買って、夕食の支度前には家に帰ってきました。
こうやって京都に気軽に行けたという体験をすると、味をしめてしまって、また行きたくなりそうです。

2006年5月18日

BUTAPENNの成分は?

このところ、名前を入力するだけで自動的に性格判断してくれるサイトが、あちこちにできていますね。近頃は 「成分解析」というフリーソフトがはやりました。太郎じぃさんのブログ「じぃやの部屋」で教えてもらい、コメント欄にも書き込んだのですが、

「BUTAPENNの51%は言葉で出来ています。
BUTAPENNの47%は砂糖で出来ています。
BUTAPENNの1%は鉄の意志で出来ています。
BUTAPENNの1%は花崗岩で出来ています。」

……なのだそうです。

たぶん、何かの法則で機械的にいくつかのパターンに振り分けているはずなのですが、どういう仕組みだか、それがぴったりとはまっているような気がする。人間とはそれだけの多面性を持った生き物だということでしょうか。

さて、とあるブログで教えていただいた「日刊あなた」というのも、そんなサイトです。
「BUTAPENN」で入力したところ、こんな新聞ができあがりました。


日刊BUTAPENN

BUTAPENN退団公演に8,000人のお見送り

T歌劇団夢組トップスターのBUTAPENNさんが、T劇場で上演された「教師びんびん物語?散る花の如く」の千秋楽で、T劇団を「卒業」した。最後の記者会見でBUTAPENNは、「もうあきちゃったし、歳だし」と長い事明かされずにいた退団理由を表明。寿の予定もなく、退団後の芸能活動も行わない。恒例の劇場前パレードにはBUTAPENNファン8,000人がお見送りに終結。
全員そろいのはっぴに、ねじりはちまき姿で、神輿に担がれ劇場を後にするBUTAPENNに涙の声援と拍手を送っていた。周辺には数十軒の屋台が出て、隣の日比谷公演では、盆踊り大会も開催され、BUTAPENN退団はお祭り騒ぎの中、幕を閉じていった。 (by くわとろう)

絶滅していなかった?BUTAPENNを渋谷区で目撃

昨夜午後十時ごろ、都内渋谷区の路上でBUTAPENNが目撃された。平安時代末期に絶滅されていたとされているBUTAPENNだが、最近になって目撃証言が相次ぎ、その確認が急がれていた。現場でBUTAPENNを目撃した会社員(32)は、「お、俺は見た...ぱられろぽれ?ん」と言って口から泡を吹き、30分後収容先の病院で息絶えた。くちばしが金色だったとか、身長は50メートルあったとか、果ては鼻から牛乳を噴くなどという説があるが、目撃者は全員まもなく奇妙な形で死亡しており、どの説も確認は取れていない。
警察では、BUTAPENNの足取りをつかむため、近所の小学生3人を動員して捜索に当たっている。 (河野功記者)

BUTAPENN、夜空に輝く

今日未明、突如としてBUTAPENNが東の空に現れ、一時は夜明けを思わせる輝きを見せた。
これは大気中の水分とBUTAPENNが結合して空中に拡がり、さらに?40℃以下の強い寒気団によって急激に冷やされた為に起こる現象で、「冷却BUTAPENN飽和発光現象」といい、およそ10分ほど続いた。
これについて専門家は、「1,000年に一度見られるかどうかの非常に珍しい現象で、日本においてはこれまでに報告事例はまだない」と説明している。この現象は海外の研究者の間でも注目を集め、今後さらに発光時の画像の分析が進むこと。
BUTAPENNについて社会的活用の道が開けるものと期待されている。(ちびまさ記者)


うう?ん、BUTAPENNとはいったい何物なのだろう……。

2006年5月15日

携帯サイト テスト公開

念願だった携帯サイト。試行錯誤のすえ、どうにか形になりました。
まだどこにも登録していないので、ABOUNDING GRACEのお客様だけへの先行テスト公開です。

サイト名は「ぽけっと・ぐれいす」略して「ぽけぐれ」(笑)。
アドレスは、今度新しくサブドメインを取得して、
http://butapenn.pinky.ne.jp/
となっています。
と言っても、今はまだ目新しいコンテンツはありません。ABOUNDING GRACEの短編の中から二編を選んで(三周年企画の人気投票で短編で上位だった「手をのばして」と「あなたが見えない」です)、掲載してあります。1ページ2Kバイト以内におさえたほうがよいと聞いたので、そのとおりにページを分けてみたら、こんな短編でも18ページにもなってしまいました。この調子では、とても長編の掲載は無理ですね。
いずれ、「ぽけっと・ぐれいす」だけの書き下ろし小説も載せていきたいと思っています。「手をのばして」では、去年からお約束してきた番外編も計画しています。
ウェブからのお客様は、携帯の画面をPCでそのままご覧になると大変見づらいので、外部スタイルシートを使って見やすくしてみました。外部スタイルシートは携帯では読み込まないらしいのです。背景写真を入れて、携帯画面風に細長くレイアウトしてみました。
携帯サイトの作り方に関しては、いろいろなサイトを参考にさせていただきました。リンク集のページで紹介する予定です。

私自身がいまだに携帯を使いこなせていないので、本当にこれで読みやすい携帯サイトになったのか、イマイチ自信がありません。それに、一応i-modeで動作確認しているものの、auやvodafoneなどの他の機種でどう見えているのか、まったくわかりません。
そこで、携帯をお持ちの皆さまで、モニターアンケートにご協力くださる方はいらっしゃいませんか?
ご自分のお持ちの機種で、「ぽけっと・ぐれいす」をざっと見ていただいて、質問にボタンでお答えください。「ここが見づらかった」「こうしたら」などの具体的なご意見がありましたら大歓迎です。

モニターアンケートはこちら

アンケートに答えてくださっても、投げキッスくらいしかお礼できませんが(いらないですよね、笑)、「携帯サイトでこんな小説が読みたい」というリクなどもあわせて書いていただけたら、ご希望に応えられるよう努力します。

アフィリエイトも少し増やしました。トップページでバナーが動いてお見苦しいかもしれませんが、私自身が興味を持って購入したいと思ったサイトです(食べ物が多いなあ…)。ご容赦くだされば幸いです。

2006年5月10日

うざったい!

「うざったい」という言葉は、鬱陶しいときの気持ちを本当によく表わすことばだと思います。
今の若者は「うぜぇ」という短縮形のほうをよく使うでしょうが、この小さな「っ」が鬱陶しさを強調してると思うのですよね。
この「うざったい」ということば、そもそもは江戸時代にあった「うざうざ」という擬態語を語源としているとか。
「うざうざ」は、「うじゃうじゃ」ということばと同じく、小さなもの、つまらないものが多く集まる様子を表しているということです。(「語源由来辞典」)
まさに、そういう憎憎しげな感じが、今の私の気分にぴったり。

何のことかというと、昨日から本館の掲示板にびっしり書き込まれていた英語のスパム書き込みのことなんです。
今までうちのサイトに来たスパム投稿というと、可愛い女の子の名前で「遊びに来てね」系の書き込みがほとんどだったのですが、今回は「ハロー、ナイスサイト」系の英語の書き込み。たくさんのURLを残していくのが特徴です。

実は3月から、このブログのトラックバックにも同じやつがびっしりと入っていたのです。その総計なんと200! まさに「うじゃうじゃ」の極致ですな。
このMovableType3.2のすぐれたところは、そういう迷惑なコメント・TBをフィルタリングして、さっさとゴミ箱に放り込んでくれることなのです。昨日やっと気づきましたが、私自身もそれまで気づかなかったくらいです。
ただし、ゴミ箱から完全に削除するには、一度に20件ずつ。200件あると、10回。ゆうべは夜中に、その「うざったい」作業を延々と繰り返しておりました。とほほ。
ヤフーメールでも、このところまた迷惑メールが増えているみたいです。

しかし毎度思うのですが、彼らスパム業者は何を考えてこういう仕事を引き受けるのか。スパム用の書き込みソフトがあるので、ワンクリックで大量の投稿ができる楽な仕事と思っているのかもしれませんが、削除するほうは手作業です。まさに市井の壁の落書き以下の所業、恥じるところはないのでしょうか。(いや、こんなことを訴えても彼らはまったく見てないでしょうけど)

掲示板のほうは、スパム業者駆逐のために、ごく簡単で効果抜群の策を取ることにしています。もう2回実行して、あと5回は使える方法です。気づいた方はおられるかな。

2006年5月 3日

阪神が阪急になる?

兵庫県人の今いちばん熱い話題は、例の村上ファンド騒動です。
阪神電鉄グループを経営支配し、切り売りするぞと脅して、持ち株を高く売ろうとしているということですが、こうなると阪神側としては、阪急ホールディングスと統合するしか道はないという気配になってきました。それを聞いた私たち地元住民は、驚きよりも怒りよりも、一様に困惑しているというのが本音ではないでしょうか。

阪神地域とは、六甲連山と瀬戸内の海にはさまれた東西に細長い地域。そこを、ほぼ平行して3本の鉄道が東西に走っています。一番北側が阪急電鉄、そしてその南がJR西日本、一番南が阪神電鉄です。
この三本の線路の間隔は場所によっても違いますが、私の住んでいるところでは、阪急線と阪神線のあいだは、直線距離にして自転車で5分かかりません。うちの家からは阪急、JR、阪神のそれぞれの駅に徒歩15分以内で行けるという便利さです。

それくらい近くにある阪神と阪急が統合するかもしれない。「一気に路線や駅廃止が進むのでは」という心配ももちろんあります。「阪神タイガースがなくなるんちゃうか」などいう笑えない冗談(そんなことになったら暴動が起きるぞ)もありますが、それよりも何よりも、地元住民の抱いている困惑とは、事によると、「ちゃう(違う)やん。阪神と阪急はぜんぜんちゃうやん」という戸惑いなのかもしれません。

相互リンク先さまであるHopeさんのブログ「美ら(ちゅら)島から」で紹介された記事を元にたどったのが、全国の都道府県の噂を集めた「ご当地の噂」という面白いプロジェクトに関するページ。
そこの「兵庫の噂」にも載っている一文が、兵庫県民の実感をよく表しています。

「阪急、JR、阪神はほとんど平行して走っているのに、乗っている人の雰囲気がまるで違う。」

実感としては、阪急の車内は、どこか落ち着いて、上品で静か。それに比べて、阪神の車内はにぎやか、庶民的、気さくというイメージがあるのです。私のように阪急、阪神両方乗る人間は、雰囲気を使い分けているということでしょうか。
沿線の土地柄も、阪急沿線は山側だけあって、文字通り「山の手」風、阪神沿線は浜側で「下町」風とくっきり色分けされているような気がします。
もし、阪神と阪急が統合され、仮に同じ名で呼ばれることになったとすれば、このイメージ分けがすっかり狂って、住民はみんな方向感覚がめちゃくちゃになってしまうかもしれません。

なんとか、この統合はなくなってほしいと思うのですが、村上さんはどうなさるおつもりでしょうか。
昨日乗った阪神タクシーの運転手は、こうおっしゃっていました。
「阪神タイガースが『村上タイガース』なんて名前になったら、困りますなあ。それに、「村上タクシー」なんて、わし、いややで」

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