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EWEN

ゲームノベル
ひじり失踪事件」

これは、「EWEN」のキャラが登場するゲームノベルです。
本編のキャラの実際の人生とは離れた、いわばパラレルワールドだということでご了承ください。
いくつかの分岐を選ぶことによって、4つのノーマルエンドと1つのバッドエンドと、
1つのグッドエンドに行き着きます。(悲惨な結末がお嫌いな方は背景の色にご注意ください)




 ふと、空気が動いた感覚がした。


 ディーターはソファからはねおきた。
 しまった。
 ちょっと横になるだけのつもりだったのに、いつのまにかうたたねをしてしまったらしい。
 時計を見ると、円香が大学に出かけてから、まだ1時間弱というところだ。
「聖は、さっきおっぱい飲ませて寝かしつけたから、しばらくは起きひんと思うよ」
 と、出掛けに彼女はそう言っていた。
「だいじょうぶ? ディーター。寝不足って顔してるよ」
「だいじょうぶだよ」
 本当は、全然大丈夫ではなかった。丸2日まったく寝ていない。依頼されていたコンピュータプログラムが完成したのは、ようやく今朝の明け方だった。
 とにかく今日は、円香がゼミを終えて帰って来る昼過ぎまで、聖のめんどうを見なければならない。気合を入れるつもりで熱いシャワーを浴びたのが逆効果で、かえって眠気を誘われてしまったようだ。
 あわてて義足替わりの竹刀を手に取ると、聖の寝ている隣室のサークルベッドにたどり着く。
 そして、信じられない光景を見た。
 聖が、いない。


落ち着くんだコム ツア ルーエ
 ドイツ語で、自分に対して言い聞かせる。それくらい彼は動揺しているのだ。
「ひじり」
 呼んで、耳をすませる。
 何も聞こえない。
 第一、聖がひとりでこのサークルベッドから降りて、どこかに行けるはずはない。
 最近ようやく寝返りをうちだして、いつのまにか1メートルくらい離れたところにクルクル転がっていくことはあるが、まだつかまり立ちも、はいはいもできる月齢ではない。
 とりあえず家中をくまなく探して回った。それこそトイレの中まで。
 玄関まで来たとき、驚くべきことを発見した。
 ドアの鍵が開いているのだ。
 円香が出かけたとき、彼自身が確かに施錠したはずだ。
 誰かが外から入ってきて、聖を連れ出した。そう結論せざるを得なかった。


 葺石家の誰かだろうか?
 それとも、誘拐?


 ディーターは、次に取るべき行動の選択をせまられた。




さて、ディーターはどうしたでしょう?

葺石家に行って、尋ねてみる。
誰にも相談しないで、自分の力で解決する。

     
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