「EWEN」
"Ewenic" Dieter
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 俺は、自分の体を見回す。
 スーツを着ていた。
 そうだった。確かディーターはプログラムの不具合をチェックするために、神戸のクライアントのところに行った帰りだった。仕事が佳境に入り、3日ばかりほとんど寝ていない状態が続いているというのに。本当に、こいつの度を越した生真面目さには反吐が出る。
 多分、疲労がピークに達し、こんなところで俺に意識を明け渡す羽目になったのだろう。
 だが、この状況をうまく利用しない手はない。
 俺はにやりと笑って、首からネクタイを乱暴に引き抜いた。シャツのボタンをいくつかはずし、スーツの前もはだけた。もちろん髪をしばっていた窮屈なゴムも取ってしまう。
「さて、何をしてやろう」
 金は持っている。酒をしこたま飲んで、女を抱いて。
 俺は夜の繁華街の雑踏の中で立ち止まった。360度、俺の前に広がっているのは、自由だ。

 (EWEN3 episodeE 「扉のない檻」より)


ちょっと露出度が目立つギャラリーになってきました(笑)。




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