2011年7月25日

「インビジブル・ラブ」あとがき

今週は、長編完結ウィークとなってしまいましたね。「新ティトス戦記」につづいて、「インビジブル・ラブ」も完結です。
約四年半の連載におつきあいくださり、どうもありがとうございました。

2006年に携帯サイトを作ったときに、メインになるお話をということで書き始め、まとまった分量になるとPCにあげるということを続けてきました。
携帯では1ページ600文字前後という字数をほぼ貫いてきました。この分量が私には書きやすく、区切りやオチもつけやすい手頃な字数で、字数を決めてまとめるという修行にもなりました。
これなら、少しPCの前に向かっただけで一話分が書けるので、スランプのときなどは、ここから意欲と自信を取り戻したこともありました。

今まで何度か書いたことの繰り返しになるのですが、もともと構想自体は、連載開始の数年以上前から持っていたのです。さて始めようという段になって、石田衣良さんの「エンジェル」という小説を偶然書店で手にとり、「なんだ、幽霊が自分を殺した犯人をさがすという話は、とっくにあるんだなあ」とショックを受けて、お蔵入りにしていました。

それでも書きたいという思いに駆られて、連載スタート。
そう思えるようになったひとつのきっかけは、某化粧品CFの「ビューネくん」です。仕事から疲れて帰ってきた独身女性を部屋で待っていてくれて、心とお肌をやさしく癒してくれる幽霊を、理想の恋人として描きたいという野望がムクムクと(笑)。
淳平がいつも、愛海のお肌を気づかって手入れしているのは、そのなごりなのです。
舞台が温泉旅館だったり、ミュージカルだったり、学校だったり、ピアノの演奏会だったり。シリーズ短編形式で、作者の妄想を思いきり詰め込んで、書いていて自分が一番楽しみました。

刑事もの警察ものというのは書いたことがなく、中途半端にドラマで親しんでいるだけに、思い違いも多かったです。警視庁と警察庁の区別もついていませんでした。できるだけネットで資料にあたったつもりですが、もし間違いを見つけられた方は、ご指摘お願いします。

ネーミングの由来は、単純でして、
インビジブル(見えない) → 見ず → 水 → 水主(みずし)
ラブ(愛) → 愛海
というものです。絶世の美貌のヒーローがあふれるわがサイトにおいて、美形じゃないと公言したのは淳平が初めてかもしれません。でも魂だし(笑)。

エピローグの舞台は、東京以外のどこか地方都市と決めていたのですが、東日本大震災の後は、東北を愛海の新天地にしたいという思いが強く、岩手の盛岡を選ばせていただきました(ちなみに、盛岡南署は架空です。盛岡東署と西署は実在します)。調べれば調べるほど美しい町ですね。

ニュー淳平と愛海のその後については、頭の中におぼろげな妄想もありますので、機会があれば番外編などの形で披露できるかもしれません。
その気になるためにも、ご感想など、ぜひお願いします。


なお、当サイトの小説はすべて、「Creative Commons Licence」のもとに、二次著作・転載を許可しております(要クレジット表示、営利目的利用の禁止)。作品のイラスト、二次小説など作者の許可なく創作いただけます。というより大歓迎です。いただきものは、ギャラリーや特別ページでご紹介させていただきます。

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2011年7月24日

ペンギンたまご

朝食用に、少しひびが入っていた玉子をゆでたまごにしたら、白身がはみでてペンギンみたいになって大喜び。こんなことで、幸せになれるんですなあ。

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写真では見えにくいけど、ちゃんと目やくちばしもあったんです。

ちなみに、うちの卵のゆで方は以下のレシピのとおり。

http://cookpad.com/recipe/439704

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2011年7月19日

「新ティトス戦記」あとがき

「新ティトス戦記」に最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。「ティトス戦記」の続編にもかからわず、本編をはるかにしのぐ分量と連載期間になってしまいました。長い中断もあり、愛読者の皆様をやきもきさせてしまったことをお詫びします。

さて、このお話を作るにあたって、いくつか目標としたことがあります。
ひとつは、「ティトス戦記」の結末で別離に終わってしまった主人公カップルを、ふたたび結び合わせてやること。
もうひとつは、どうせ続編を書くなら、本編をすべてひっくり返すような設定をすること。そのために、中世風ファンタジーにスチームパンク的な味つけをほどこしたり、科学の発達した異世界の存在を作り上げたりしました(私の言うスチームパンクは、蒸気機関文明が発達したレトロな異世界という意味で使ってます。絵柄的には往年の「バッケンローダー」とか「FF7」のミッドガルですね)。

実は、「ティトス戦記」を脱稿したときは、続編が生まれる可能性をまったく考えていなかったため、何の伏線も仕込んではいませんでした。そういう状態で、世界観をひっくり返すような続編を書くことは、かなり無謀であり、細かい齟齬が生じていることは否めません。そういう矛盾や説明不足に関しては、「書かぬが花」であるとも思っているのですが、もし指摘をいただけたら、できるだけ加筆していきたいので、よろしくご教示願います。
自分がいったん作った世界を否定して新しい意味づけをすることは、作者にとっても冒険でもあり、書きあぐねた時期もありましたが、しかし、当初の目的どおり、大団円まで描き切ったのではないかと満足しております。

途中、幾度かアンケートを取り、その得票数によってストーリーの方向を決めるということもしてきました。
大筋は作者の構想と一致したものとなり、とてもうれしかったです。しかし、カップリングに関しては、なぜか予想外に「ルギド×エリアル」の得票が多く、そういう場面をお遊びで入れたりもしました。そして、最終的には「ラディク×エリアル」というカップルのエンディングを採択させていただきました。
実は、「ジュスタン×エリアル」の可能性もずっと残しておき、エピローグはダブルエンディングにしようかと画策していた時期もあったのです。亡くなられたチャトラさんも、第一回アンケートで「ジュスタン×エリアル」に投票してくださっていたなと、今懐かしく思い出しています。

中断もふくめて5年もの長期連載であり、応援してくださった読者さまたちが途中で入れ替わってしまったことは、喜び悲しみ相半ばするところではありますが、いずれにせよ、つたない物語を読んでくださる多くの方々の声援に支えられて、ここまで来ることができたことを感謝します。
もともと、ご感想や拍手をいただくことの少ない話ではありましたが(笑)、わがサイトの中では、今でも「伯爵家」の次に訪問者数が多い小説です。もしよろしければ、完結を機にご感想などいただければ、今後の励みにさせていただきます。
また「完結記念座談会」をというリクもいただいております。これは実現するかどうかわかりませんが、質問などを寄せていただければ、それに答える形でやってしまうかもしれません。

なお、当サイトの小説はすべて、「Creative Commons Licence」のもとに、二次著作・転載を許可しております(要クレジット表示、営利目的利用の禁止)。作品のイラスト、二次小説など作者の許可なく創作いただけます。というより大歓迎です。いただきものは、ギャラリーや特別ページでご紹介させていただきます。

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2011年7月18日

喜歌劇「こうもり」

先週土曜日、佐渡裕がプロデュースするウィンナ・オペレッタの名作「こうもり」の兵庫県立芸術文化センターでの初日を見てきました。

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「蝶々夫人」「メリー・ウィドウ」と、毎年ハズレなしの佐渡裕プロデュースオペラ、今年は19世紀ウィーンの雰囲気をたっぷりちりばめたワルツ王=シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」です。
「こうもり」といえば、ウィーンをはじめとしてヨーロッパでは大みそかに上演することが多く、華やかなお祭り騒ぎの楽しさが全編にあふれています。舞踏会のシーンでは本筋から外れて、バレエや歌手の独唱など、さながらガラコンサート風の出し物が挿入されたりして、脚色自由、「なんでもあり」のお芝居なのです。

あらすじは、いわばドタバタ喜劇、
明日から刑務所に八日間入ることが決まったアイゼンシュタイン侯爵は、うさ晴らしにと、公爵の舞踏会に偽名で出かけて、若い女の子をナンパしようとたくらみます。
一方、元カレに言い寄られて良い気分になっている妻のロザリンデも、変装してパーティ会場へ。さらに、一家の女中アデーレも、主人夫婦に内緒で、あこがれのパーティへ向います。
実はこの偶然の裏には、アイゼンシュタインにちょっぴり恨みを持つ友人の「こうもり男爵」のいたずらがあったのです。
三人が、それぞれ別れを惜しむふりをしながら、ついパーティを思ってウキウキしてしまうという「別れの三重唱」は、思わず笑いのこぼれる聞かせどころです。

初日のキャストは、ロザリンデに塩田美奈子、アイゼンシュタインに黒田博、アデーレは森麻季。
パーティの主催者であるロシアのオルロフスキー公爵役は、メゾソプラノの女性が充てられることも多いのですが、この公演では、世界的なカウンターテナー歌手のヨッヘン・コヴァルスキーが演じています。
そして、関西公演ということもあって、桂ざこば、宝塚歌劇出身の剣幸も出ているのです。ざこばの味のあるセリフ回しは、まるで吉本新喜劇のよう。

オケピと客席のあいだに花道が設けられ、また出演者は客席通路を駆け抜けるなど、全体的に観客との一体感がとても大切にされていました。
カーテンコールのあとにもう一度、たっぷりとダンスや歌があるところも、お得感いっぱいの演出です。
侯爵夫妻の夫婦仲の危機も、「すべてはシャンパンの泡のせい」とハッピーエンドになってしまうわけですが、最後の舞台挨拶のときに、桂ざこばが「私の両親も離婚したけれど、今晩はみんな家に帰ったら、夫婦仲良くしてや」という意味のことをおっしゃったのが印象的でした。

演出は「メリー・ウィドウ」の広渡勲、指揮者は、5月にベルリンフィルハーモニーとの共演を果たし、まさに油の乗っている佐渡裕。やはり、このコンビはハズレがありません。

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開演15分前から、会場を走り回っていた謎の「怪人こうもり」と「蝶々」

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