2014年12月 3日

OPP2始動

本当にごぶさたしております。
思い出したように作品の更新があるだけで、なんの音沙汰もなかったサイトですが、ようやく動きがありました。

12月1日から来年2月末まで、Other's Plot Plan 2(略称OPP2) が開催されます。
opp2-banner.jpg ←会場へはこちらから

「誰かのプロットを自分が書いたらどうなるのか」「自分のプロットを誰かが書いたらどうなるのか」

そういう興味から始められたこの企画は、今年で第二回目になります。管理人は、恵陽さんから綿子さんに交代しましたが、今年もとても楽しく、プロットの勉強をさせていただきました。
BUTAPENNは、今年も懲りずにプロット部門に参加させていただき、自プロットと、いただいたプロットの二作品で参加しています。
例年どおり体調を崩す夏を経て、秋から冬にかけてのオフの多忙、家族の介護と、綱渡りのような毎日の中で、なんとかギリギリに書きあげました。

どちらも約30枚ちょっとの短いものです。
自プロット作「「川、滔々と流れ」は、ローマ帝国が舞台です。前々から腹案はあったのですが、「月の戦士」の資料本を読んでいたときに設定が固まりました。
いただきプロットのほうは、「羊飼いの見た夢」というタイトルです。恵陽さんからいただいたプロットは学園もののはずなのに、いつのまにか、あらら…というお話です(笑)。

「川、滔々と流れ」はこちら

「羊飼いの見た夢」はこちら

よろしかったら、お読みくださって、感想などをお寄せください。
あとがきめいたものは、また機会を改めて、このブログに書きたいと思っています。

自プロットの参加作品四作をざっと読んだかぎりでは、「同じプロットなのに、よくぞこれだけ…」とうなるほど、コミカルありシリアスあり、悲恋ありハッピーエンドあり…と、さまざまなお話に仕上がっていて、とにかくすごいのひとことです。

会期は三か月あるので、どうぞ、ごゆっくり楽しんでください。

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2014年11月 9日

読書メーター2014年9月・10月

皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上感想
12世紀、ルネサンスに直結する近代的な理念の持ち主がすでにいたとは。信仰がすべてを支配する中世にあって、法王と皇帝の役割を明確に区別して考え、法による支配を目指す。十字軍ではアラビア語を流暢にあやつって敵と交渉、無血でエルサレムを奪還する。部下に恵まれ、痛快な人生を送った人物でありながら、長子とは心が通じ合わなかったのが哀しい。
読了日:9月1日 著者:塩野七生


舟を編む舟を編む感想
冒頭から結末までに十五年以上の月日が流れている。だからこれは、ひとりの人物に焦点を当てるというより、群像劇。辞書の刊行成った翌日から改訂の作業が始まる、その航路の果てしなさに胸を打たれた。
読了日:9月5日 著者:三浦しをん


ジロンド派の興亡 (小説フランス革命)
ジロンド派の興亡 (小説フランス革命)感想
ロラン夫人のサロンに集い、勢いを増しつつあるのは、戦争に肯定的なジロンド派。彼らを内閣に引き込むことで、ルイ16世は外国の介入による王政の復古を目論む。一方、左派グループは、合従連衡でますます混沌を深める中、主張がブレなかったロペスピエールが存在感を増していく。 王妃に対するロラン夫人の八つ当たりが、やがて時代の奔流となっていくのか。
読了日:10月16日 著者:佐藤賢一


皇帝フリードリッヒ二世の生涯 下皇帝フリードリッヒ二世の生涯 下感想
この人の地平は広い。東西の十字路シチリアで育ったゆえか。数か国語を操り、ルネサンス前夜の中世で法治国家と政教分離を掲げて、生涯幾度となく法王に破門され、鷹狩りをこよなく愛して専門書まで物し、11人の正妃と愛人のあいだに子をなしながら、トラブル一切なし。いったいどれだけのパワーと才能がひとりの男に集まったのだろう。まさに「世界の脅威」が彼の代名詞にふさわしい。
読了日:10月31日 著者:塩野七生

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2014年9月 3日

読書メーター2014年6月・7月・8月

バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)感想
火薬を求めてのバスティーユ襲撃とパンを求めてのヴェルサイユ行進。針の穴でつついたようなきっかけがパリという風船を爆発させていく。無名の男デムーランが一夜にして英雄になる。その動機が婚約者に認めてもらうことだったというあたりは、さすがに佐藤賢一節がさく裂している。このころはまだ、民衆は王に対して崇敬と親しみの念をいだいていた。
読了日:6月7日 著者:佐藤賢一

聖者の戦い (小説フランス革命 3)
聖者の戦い (小説フランス革命 3)
感想
第二身分の聖職者の動きを軸に、革命の立役者たちが、それぞれの道に分かれて突き進んでいく。ミラボーがこのまま活躍していたら、王家は存続し、フランス革命はずいぶんと違った形になったのかもしれない。
読了日:7月20日 著者:佐藤賢一

楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス感想
謎の富豪から、ルソー作と言われる一枚の絵の鑑定を託されたふたりのキュレーター。一週間のあいだに一章ずつ読むようにと、ルソーとピカソとの出会いを描いた手記を渡される。過去と現在が入り組み、恋と野心がからみあう上質のアートミステリ。美術館で絵の前に立つときの、あの背筋の伸びるような凛とした空気が全編に漂う。
読了日:8月1日 著者:原田マハ

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)感想
わくわくするような面白さではないのだが、なぜかまったりと読みたくなる本。脇役も含めて、人物が丁寧に描かれているからだろう。次巻も図書館で予約したが、何十人待ちで時間がかかりそう。
読了日:8月12日 著者:三上延

王の逃亡 (小説フランス革命 5)王の逃亡 (小説フランス革命 5)感想
有名なヴァレンヌ逃亡事件の詳細を、膨大な資料を駆使して生き生きと描いているところは、さすがだ。結果がわかっているのに、息詰まるスリル感。人形だったルイ十六世は、この事件を経て初めて、自分が国王であることを自覚したのかもしれないと、思わず感情移入。
読了日:8月18日 著者:佐藤賢一

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2014年6月 5日

読書メーター2014年5月

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1095ページ

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)感想
「本がたどってきた運命にも、物語がある」――古書店の美しい店長と、本にトラウマのある青年のコンビが、本に秘められた謎を解き明かしていく車椅子探偵風ミステリ。古本に残された署名やハンコを手掛かりに、登場人物たちの人生の謎が明らかになる構成がなかなか凝っている。電子書籍の時代になろうとしている今こそ、本の持つ価値をあらためて再認識すべきときなのかもしれない。
読了日:5月6日 著者:三上延

革命のライオン (小説フランス革命 1)革命のライオン (小説フランス革命 1)感想
フランス革命前夜。召集された三部会において、軽んじられていた第三身分議員たちが、徐々に聖職者や貴族の一角を取り崩しつつ国民議会を立ち上げるまでの紆余曲折がおもしろい。そして、まだこのとき彼らの敵は、あくまでも王ではなく貴族だったのだ。ミラボー伯爵とロベスピエールのコンビが佐藤賢一ぽくていい。
読了日:5月11日 著者:佐藤賢一

ペラギウス・コード―古代ローマの残照の彼方にペラギウス・コード―古代ローマの残照の彼方に感想
キリスト教史において異端者として位置づけられている(らしい)ペラギウスを、彼の友人の視点から描く。ホームズとワトスンを思わせる機知に富んだ会話が軸。「人間は自由意志の力で良いほうに変わりうる」というヒューマニズムの理想をかかげるゆえに、異端論争に敗れていく姿は、古代ローマ滅亡の情景とからめて、胸に迫る。治安が悪化する一方のブリタニアやローマをめぐる危険な旅は、冒険ものとしても上質。原題は「The Pelagius Book」で、生涯一冊の本も書かなかった彼の生き方を暗示している。
読了日:5月19日 著者:ポールモーガン

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)感想
古書の中には桁外れに価値のあるものがひそんでいて、深い知識を持つ者だけがガラクタの中から宝を見分けることができる。それゆえ、栞子は人々の欲望を引き寄せる魔女にもなる。大輔と栞子の仲のゆっくりとした進展とともに、彼女の背負う謎めいた翳の正体が見えてきた。
読了日:5月26日 著者:三上延

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2014年5月13日

読書メーター2014年4月

2014年4月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1210ページ


まぐだら屋のマリアまぐだら屋のマリア感想
生きることに疲れた人を引き寄せるエアポケットのような食堂「まぐだら屋」。ネットもテレビもない環境で、ただ食べることが究極の癒しとなる。聖母を思わせる店主のマリアだが、聖書のマグダラのマリアは娼婦と呼ばれる罪深い女だ。彼女の謎を縦糸に、最後までぐいぐい読ませる。聖書をもじった人名、地名が出てくるのは、食品偽装、引きこもりという生々しい題材を扱っていながら、寓話、ファンタジーとして読んでくれということなのだろう。
読了日:4月4日 著者:原田マハ

コロッセウムからよむローマ帝国 (講談社選書メチエ)コロッセウムからよむローマ帝国 (講談社選書メチエ)感想
コロッセウムで行われた試合や剣闘士の生活について書かれているかと思いきや、この本の大半はそれを見ている観客席に焦点を当てている。戦士共同体であるローマ社会の本質、元老院と解放奴隷などの階級制度を論じて興味深い。
読了日:4月16日 著者:島田誠

シャイロックの子供たち (文春文庫)シャイロックの子供たち (文春文庫)感想
ひとつの支店を舞台にした時系列ばらばらの群像劇……と見せかけて、実は長編ミステリ。商業誌の連載に書き下ろしを付け加えて、きちんとまとめている。出世の本線からはずれて引き込み線に入っていく銀行マンたちの焦りと怒りと家族愛に胸が痛くなる。夫の自殺や過労死、うつ病は、銀行員の妻が絶えず恐れていること。身につまされる。
読了日:4月17日 著者:池井戸潤

新バイブル・ストーリーズ新バイブル・ストーリーズ感想
神ということばが一度も出てこない聖書物語。作者のあとがきには、聖書の人物たちが「なぜ、そうふるまったのか」を書きたかった、とある。むしろ、聖書をモチーフにして想像の翼を働かせた寓話であり美しい散文詩である、と言ったらよいだろうか。他人を暴力で支配し、自分と異なる人に非寛容な生き方と、すべてを受け入れる穏やかな生き方を対比させている。まさしく現代への警鐘である。
読了日:4月23日 著者:ロジャー・パルバース

読書メーター

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2014年4月10日

読書メーター2014年3月

2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1680ページ


倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)感想
大戦末期という時代の中にあり、学徒動員や空襲に翻弄されながらも、学校というのは、やはり密室なのだなと思う。リレー小説と手記が交互に来る構成で、妄想と現実が分かちがたく蔓のように絡まり合う。甘美で退廃的で、次の瞬間には脆くも崩れ去ってしまう砂糖菓子のようなはかなさの中で、「べー様」のたくましさが物語を最後までつなぎとめる。個人的には戦時下のミッションスクールのエピソードが興味深かった。
読了日:3月3日 著者:皆川博子

カエサル『ガリア戦記』―歴史を刻む剣とペン (書物誕生―あたらしい古典入門)カエサル『ガリア戦記』―歴史を刻む剣とペン (書物誕生―あたらしい古典入門)感想
本書は大きく二部に分けられる。まず最初にガリア戦記が同世代と後代に与えた影響、また歴史書、文学書としての価値の評価から始まり、文民統制、戦争における慎重な手続き、境界線と国家のありかたなど、ローマを形作る基本的な理念まで話はおよぶ。第二部では、カエサルがガリア戦記において、それらの手続きを踏みつつ、常にガリアの蛮勇に対比してローマ的武勇、つまり作戦と自制と忍耐をもって勝利を収めたことを描いていることを明らかにする。
読了日:3月6日 著者:高橋宏幸

優雅でみだらなポンペイ―古代ローマ人とグラフィティの世界優雅でみだらなポンペイ―古代ローマ人とグラフィティの世界感想
ヴェスヴィオの大噴火により一夜にして火山灰に埋もれてしまった古代ローマの町ポンペイ。この町の壁に残された落書きに注目して、選挙、見世物、恋愛模様など、当時の人々の生活風景を描き出す試みが興味深い。エピローグの古代ローマ人の識字率など、やや学術的な論文が、気軽な読み物と混在している。
読了日:3月15日 著者:本村凌二

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))感想
原作はチベットの民話だそうだ。貧しい国の王子が国民を救うために、苦難の旅の果てに神人から麦の種を盗む。しかしそのことにより罰を受けてしまい…。カラー絵が柔らかく美しい。主人公たちの容姿はナウシカやアスベルを思い出させるほか、その後の宮崎アニメにつながる要素がいっぱい。
読了日:3月15日 著者:宮崎駿

ローマの道 遍歴と散策―道・水道・橋ローマの道 遍歴と散策―道・水道・橋感想
古代ローマの史跡を訪ねて、ヨーロッパの各都市をめぐる旅紀行。道、橋、水道橋、都市建設などに関する豊富な知識を披歴しつつ、ほほえましい夫婦模様や食べ歩きのメニューが織り込まれている。これだけ多くの現代の都市にローマの遺跡が保存され、ときには住人がまったく存在を知らないまま住んでいるのが印象的。
読了日:3月21日 著者:藤原武

ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)感想
読んでからシリーズものだと知った。鼠や寄居蟲などの生き物の話はグロテスクなのだが、不思議に嫌悪感は感じさせない。もの悲しく、ひやりと冷たく、夢と現のはざまをさまようような文章に酔いしれる。あとがきどおり、「真珠」のような佳品ぞろい。前作も読んでみたい。
読了日:3月29日 著者:津原泰水

読書メーター

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2014年3月 1日

読書メーター2014年1月・2月

2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:980ページ

剣闘士スパルタクス剣闘士スパルタクス感想
女パトロンの不興を買って、命がけで脱走した美貌の剣闘士スパルタカス。いつのまにかローマ版図を揺るがす脱走奴隷の大叛乱へと膨れ上がる。ローマを振り向かせたい、本気にさせたいと願い、剣闘士の美学に最後までこだわるのは、故郷を奪われ、アイデンティティをローマに奪われた奴隷ゆえの悲劇か。「もしや」と思わせるエピローグにカエサルまで登場して、この話は「カエサルを撃て」にそのまま引き継がれていく。
読了日:1月5日 著者:佐藤賢一

お友だちからお願いしますお友だちからお願いします感想
いろいろな新聞や雑誌で連載したエッセイをまとめたものだそうだ。だから、寄稿先によって微妙に文章が違うような。少し気取ったエッセイが続く…と油断していたら、「マヤ、仮面をかぶるのよ」だし。読みながらの飲み物厳禁である。「夜景」に関するエッセイが心に残った。光を見るときに感じる、しんしんとした寂しさは、しをんさんの書くどの小説の底にも隠れているように思う。
読了日:1月7日 著者:三浦しをん

ローマ古代散歩 (とんぼの本)ローマ古代散歩 (とんぼの本)感想
地図や図版が豊富で、見ているだけで時間の経つのを忘れる。いつかローマの遺跡めぐりに行くときは、これを持っていこう。
読了日:1月7日 著者:小森谷慶子,小森谷賢二

聖夜の贈り物聖夜の贈り物感想
五編の短編のテーマは、「人生のやりなおし」。せめて聖夜だからこそ、懸命に生き続ける人に奇跡を起こしてあげたいと、読者が望むように物語は進む。人の一生のエッセンスを詰め込んだような「ケーキ」と「サンタクロース」が、一番心に残った。
読了日:1月13日 著者:百田尚樹



2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1674ページ


まほろ駅前狂騒曲まほろ駅前狂騒曲感想
行天の心の傷は癒されるし、娘のはるちゃん可愛いし、多田も想い人と結ばれるし、由良公も出てくるし、星さんと舎弟たちも存在感あるし、曽根田のおばあちゃんと岡のおじいちゃんは相変わらずいいところ持ってくし、もう大満足の一冊です。
読了日:2月3日 著者:三浦しをん

キリスト教の歴史〈1〉初期キリスト教~宗教改革 (宗教の世界史)キリスト教の歴史〈1〉初期キリスト教~宗教改革 (宗教の世界史)
読了日:2月5日 著者:
世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教 (河出文庫)世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教 (河出文庫)
読了日:2月5日 著者:弓削達

ローマ人の世界 (「知の再発見」双書)ローマ人の世界 (「知の再発見」双書)感想
古代ローマの歴史と文化について書かれた本だが、豊富なカラー図版には、古代の遺跡とともに後代の絵画が多く収録されているし、「ベン・ハー」「サテュリコン」などの古代ローマを扱った映画についても紙面を割いている。結語の「われわれはみな、ローマ市民だ」という言葉どおり、著者の意図は、むしろヨーロッパ文化の中に息づくローマを描くことにあったように思う。
読了日:2月15日 著者:ロジェアヌーン,ジョンシェード

本屋さんで待ち合わせ本屋さんで待ち合わせ感想
気の合う友だちの家に遊びに行って、本棚の前で話が止まらない。そんな幸せな気分になりました。苦手なジャンルでも片っ端から全部読みたくなるほど、しをんさんの営業力はすごい。とりあえず、気になるものは「読みたい本」にぶちこんだので、これから時間をかけて図書館で借りるつもりです。
読了日:2月17日 著者:三浦しをん

読書メーター

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2014年2月 3日

ブログが書けない

ブログが滞っていて、本当に申し訳ないです。

ときどき、昔(と言っても、ほんの二、三年前のこと)のブログ記事を読み返すのですが、よくもあれだけ、細かい身辺のことを取り上げて、いろいろ書いていたなあ、と驚きます。
花が咲いたと言っては書き、体重が減ったと言っては書き、オペラや音楽会を見に行ったと言っては書き。
今の私には、なぜか自分の近況を書きたいという気持ちが起こらないのです。何か特別なことがあったら筆を取る気になると思うのですが、花が咲いても、体重が増えても(おい)、オペラや音楽会に行っても、記事に起こす気にならない。
ツイッターも他の人のツイートを読んで、そっと閉じるだけ。

かと言って、毎日がつらいわけじゃない。
充実しているし、健康だし、やさしい人たちに囲まれているし、小説もゆっくりですが書きたい気持ちはいっぱいあるし。こんな小説でも読んでくれて、面白いと言ってくれる人がいる。幸せです。
それでも、今の私には、自分の近況や、自分の考えたことや、何か新しい話題を発信する言葉が出てこない。すごく、すごくしょうもないことに思えてしまう。

本当に、どうしたんでしょう。年のせいですかねえ。

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2014年1月 6日

読書メーター2013年11月・12月

2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1558ページ


火宅の人 (上巻) (新潮文庫)火宅の人 (上巻) (新潮文庫)感想
不倫という言葉など、まだない時代だったろう。四軒の家を持ち、妻以外の女性を持つ。おそろしく破滅的な生き方を選び、死に急いでいるように見えるのに、その生き方には、常識人には持ちえない、すがすがしい解放感を感じさせる。途方もない筆力に、ときおり震えが来る。
読了日:11月1日 著者:檀一雄

93番目のキミ93番目のキミ感想
合コンに連れて行って女の子にモテたいという動機でスマロボを購入した主人公。自分のことしか考えていない未熟な若者が、ロボットとの交流を通して、他人を思いやる心を持つまでの成長物語。ひとつの不祥事で全体が否定される結末が悲しい。今の社会がそうだから。作者についてよく耳にする、「小学生の作文程度の筆力」と取るか、平易で簡潔な文章と取るかは、読む者によって意見が分かれるだろう。
読了日:11月11日 著者:山田悠介

政と源政と源感想
三浦しをんの小説には、よく元気な爺さんが出てくるが、彼らが主人公だと、こんな話ができあがるのだ。いつものように、楽しくてハチャメチャで、でも心のどこかでいつも死や永遠を考えている老人たち。「来年の桜を見られるのか、俺たちは」というつぶやきは切ない。ふたりの若いころのイラストにちょっと萌えました。
読了日:11月26日 著者:三浦しをん

火宅の人 (下) (新潮文庫)火宅の人 (下) (新潮文庫)感想
読み終わって浮かぶのは、「旅」という言葉だ。主人公はいつも旅をしている。家への帰り方を忘れたかのように、がむしゃらに居場所を変え、食べることを追い求めている。家庭というシステムに馴染めなかったのだろう。絶対的な孤独の中に沈み込むラスト。自由と孤独は表裏一体のものなのだ。「天然の旅情」という言葉が頭に残る。
読了日:11月28日 著者:檀一雄

2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:743ページ

光感想
過去におかした罪という絆があまりにも強すぎて、目の前にいる人を愛せない登場人物たち。ついに暴力から救われることはない結末は、暗い海の底に沈んでいくようだ。もし、その底に一筋の光が射し込んでいるとすれば、椿の咲く情景。夫の過去を知った妻が、彼を理解できる日は来るのか。愛することができず、愛するふりをして生きている人は、この世界にはとても多いのかもしれない。
読了日:12月6日 著者:三浦しをん

ほろびぬ姫ほろびぬ姫感想
自分の死期を知った夫は、生き別れになっていた一卵性双生児の弟を探し出してきて、若き妻を託す。「あなた」という二人称が兄なのか弟なのか。判断するには、舐めるように文章をたどるしかないという仕掛けの中に、読者は妻の混乱を共有する。夫の愛情の裏に、妻に楔をうちこむように自分の存在を遺そうとする死にゆく者の執着が見えてくる。結局、男たちに女の幸せを決めてもらう必要などないのだ。
読了日:12月9日 著者:井上荒野

ローマ帝国愚帝列伝 (講談社選書メチエ)ローマ帝国愚帝列伝 (講談社選書メチエ)感想
時間がなくて全部は読めなかった。時系列ではなく、テーマごとに数人ずつをまとめてあるので、歴史書としては読めないかもしれないが、読み物として面白い。ローマ帝国について俯瞰的な記述も随所にはさみ、なかなか図表資料も豊富。
読了日:12月22日 著者:新保良明

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2014年1月 3日

オンライン文化祭2013が終わりました

新年あけましておめでとうございます。

年末は、もういろいろなことに力尽きてしまって、何も告知のないまま、本サイト、携帯サイトともにお休みに入ってしまいました。

「オンライン文化祭2013 ―帰―」の感想ツイートだけは、かろうじて間に合いましたが、いただいたメールへの返信はできずに、会期が終了してしまいました。

このブログの末尾に感想への返信を載せていますので、メールで感想をくださった皆様はご覧くださいますように。

このお祭りに、BUTAPENNは、小説部門に「ただいま!」、メディアミックス部門に「たねや植えけん」で参加しました。
もし、まだお読みでないかたは、どうぞ。併せて、会場や感想まとめページにもお越しください。

「ただいま!」
「たねや植えけん」(サウンドノベル・音声が出ます)
「オンライン文化祭2013 ―帰―」
オンライン文化祭2013―帰―感想まとめ togetter
「ただいま!」は、文化祭のテーマが「帰」だったことで、どうしても帰れない話をいろいろ考えて、最終的にこれになりました。前年の参加作品が非常に重い話だったので、今年は反対方向のコミカルにしようと決めていました。楠沢さんが「守備範囲が広い」とおっしゃってくださり、恐縮です。
招夏さんの「魔王ゼファーの息子じゃないよなー」は、まさに当たりで、雪羽の設定では書けない「父子バトル」の未来を書きたくなってしまったのです。
また、koharuさんの「この帰宅バトルって、将来的に魔王を継ぐことになるかもしれない息子のレベルアップを願ったご両親の計略だった……なんてことはないですよね。」と、かなり核心にせまる鋭い指摘をしてくださいました。この父ちゃん母ちゃんはただものではありませんからね。

吉田ケイさんの「続編へ続きそうな感じ」は、まったくその通りで、実は続編を意識しています。
森戸玲さんの、「リョウの学校生活を読んでみたい」とのリクも、ありがたく頂戴しました。
山仙さんに見抜かれてしまったのですが、「小説家になろう」っぽい話を目指してもいました。いずれ構想が膨らんだら、長編化して連載したいと考えています。今はこれ以上連載を抱える気力があるか、疑問なのですが…。
いずれにせよ、猫さんが感想に書いてくださった、
「「人間である部分と魔族である部分が共存している。」のならば、そのままに――(中略)――「平和な時代」を導いて貰いたい」
を大切な中心テーマとして、書いていきたいと思っています。

「たねや植えけん」は、巻末資料にも記したとおり、読売新聞日曜版の「名言巡礼」という、宇喜多秀家に関する記事を見て、「これだ」とインスピレーションを受けて書き始めました。
サウンドノベル制作に関しては、資料集め → 八丈島の風景写真さがし → BGMさがしという順番で行い、ビデオ制作ソフト「AVS4YOU Video Editor」を使って作業しました。
作業の手順は、BGMの長さに合わせて、写真と文章をあてはめていくもので、音楽と場面転換をぴったり合わせるのに、一番神経を使いました。

複数の方に指摘いただいたのですが、文章のスクロールの速さが違い、場面によっては速すぎて読みにくい部分があったそうです。これは、限られた音楽の中に長い文章を無理に押し込んだためで、もっと文章を削るべきでした。これからの反省にしたいと思います。

梅(b^▽^)bさんと、招夏さんの感想にあったとおり、NHKの「歴史秘話ヒストリア」や、大河ドラマのエンディングの「〇〇紀行」のようなイメージでノリノリで(笑)作っていました。作りながら自分で泣いてしまうこともしばしばでした。音楽と映像の相乗効果は、つくづく偉大だと思いました。

実は、この話は、ひとつだけウソをついている部分があります。
このストーリーの流れでは、
「漂流した漁師から、岡山城主の名を聞き、「運のよいやつめ」とやっかみを見せる」、そのあとで「「徳川家の禄を食む気持ちはない」と、いさぎよく徳川の恩赦を蹴る」エピソードに続きますが、実際の歴史からいえば、後者のほうが若いときの話であり、前者のほうが老齢になってからのエピソードです。
時系列順に話を並べると、「達観したつもりでも、年老いてもなお忸怩たる思いがあったのか」という寂しい結論になってしまうようで、あえて順番を逆にしました。
でも、実際そうだったのだと思います。いさぎよく運命を受け入れて静かに過ごしつつも、故郷の城を元の家臣が治めていると知れば、心穏やかではいられない。その気持ちの揺れが波のように寄せては引いていく、それが、人間の心のありかたであるのでしょう。

豪姫の前田家が、明治になるまで援助を送り続けていたことや、八丈島に、ふたりの像が並べられていること。知らなかった歴史を、今回たくさん知ることができました。
今年の大河ドラマ「軍師官兵衛」にも、宇喜多秀家が登場するかなと楽しみにしています。

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