捩レ飴細工
ぶた仙


炎熱でついに通天閣が飴のように捩れた旧暦七夕の宵、夜空にぽっかりとアメの川が現われた。
天の川は見る見るうちに捩れて熱い熱い原始太陽系を作り、
原始太陽系の隕石円盤が捩れて熱い熱い地球を作り、
どろどろの溶岩がアメに冷やされて大陸となり、
じわりマントルに動かされて五つに分かれ、
さらさらと砂糖の如き雪が降り固まり、
熱射病の頭に氷は有り難い。だが、道頓堀をアザラシとペンギンが競泳しているのはなぜだ?
出来た氷河はゆっくり捩れて、
世界中に                              U字谷を残した。
そうだ! 男にとって、飴よりも鞭よりも嬉しい、あの谷間だ。早く、顔を埋めさせてくれ!
                                ふと、回りを見ると、
                              男たちが大地に身を投げ、
                          母なる大地も応え捩らせ絡まって、
                    DNAの捩レ飴たちが世界を瞬く間に支配する。
                その二世三世の金太郎飴たちは毎日小細工に明け暮れて、
気がつけばドロドロの脳のように、
世界は捩れて夢の跡。



山仙さんとBUTAPENNのふたりの共作です。「500文字の心臓」の第70回タイトル競作「捩レ飴細工」に投稿したものを、選評を参考に一部改稿しました。
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