ふたりの天才ロボット工学者に作られた最新型のロボット。 知識や能力だけでなく、人間らしい感情さえも経験によって学習するという自律改革型である。 外見は18歳の外国人の少年。初めは幼児のようにあどけないが、胡桃と生活するうちに複雑な感情を覚え、とうとう人を愛する心を持つ。 植物を育てるのが大好きで、コーヒーを淹れるのが得意。
25歳の女性保育教師。愛する夫の死後、彼の遺したセフィロトを育てることに生きがいを見出す。 やがて、次第に彼を愛し始めた自分に気づき、とまどう。 ニュージーランドで育った帰国子女で、明るくしっかりした性格の中にも、日本的で古風な一面を持っている。
世界的なロボット工学博士。科学者たちの誤った遺伝子操作のため、その天才的頭脳と引き換えに短命を強いられる「第12ロット世代」に属する。 痩せて長身、無口で愛想が悪い。 妻の胡桃にセフィロトを遺すため必死に努力するが、その完成の直前に息を引き取る。享年28歳。
32歳の美貌の男性ロボット工学博士。樹と共同でセフィロトの開発に携わる。 冗談を言うのが趣味。レトロなものが大好きで、22世紀にはめずらしい眼鏡をかけている。 数多くの女性とつきあっているが、実は親友の妻、胡桃のことをひそかに想っている。
古洞家のマスコットのクリーナーロボット「クリン」と、ホームステーションのエリイ。 クリンは毎朝、「今日モ一日ガンバリマショ」と言いながら、家中をぴかぴかにしてくれる。丸いお椀を伏せたようなコミカルな外見だが、モップやジェット水流などの付属品のついた優れもの。 エリイは、家計から胡桃の体重まで、古洞家のことで知らないことはない万能コンピュータ。書籍・音楽のファイルも充実している。
胡桃の勤めている児童養育施設、【すずかけの家】の園長先生。60歳代の男性で、すばらしい人格者。胡桃の父の先輩にあたり、古洞樹も彼に育てられた。
【すずかけの家】の新米教師。22歳。ショートカットの可愛い女性。溌剌とした元気さにあふれていて、胡桃を先輩として慕ってくれる。 遊びに来たセフィロトにひとめぼれして、アタックしてくる。
30代後半のベテラン保育教師。やはり【すずかけの家】で働いている。身なりに一分の隙もない魅力的な女性だが、なぜか乱暴な男言葉を使う。 やはり、セフィロトのファン。結婚している。
【すずかけの家】に入園したばかりの4歳児。なかなか周囲になじまず、問題を起こしている。セフィロトには少しずつ心を開いているようだが……。
胡桃の両親。ニュージーランド在住。父直人は高名な教育学博士で、ロボット政策を取る日本政府を批判して海外移住してしまった経緯があり、ロボットが大嫌い。 今は夫婦で教師をするかたわら、小さな牧場を経営している。
古洞家と同じ住居エリアに住む80歳代の老夫婦。妻は病で車椅子生活。夫は元カーエンジニアで、とても声が大きい。新型介護ロボットCA4型が妻の世話をしている。
科学省の審議官で、セフィロトを審査するため研究所に乗り込んできた審査官のひとり。「ロボットを抱きしめたりキスをしたりするのは、気持ち悪くないですか?」と胡桃に尋ね、怒りを買う。胡桃とセフィロトに何かとつきまとう。 背景素材: 自然いっぱいの素材集 |