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EWENV 「沈黙の回廊」 あとがき

(以下、ネタバレを含みます。まだお読みでない方はご注意ねがいます)


 EWENV 「沈黙の回廊」をお読みくださいまして、ありがとうございます。
 このエピソードが生まれたのは、ひとえに、ある読者様のおかげでした。
 その方、RAVENさんは以前からEWENの感想メールを送ってくださっていましたが、去年の夏のある日、彼からリクエストをいただいたのです。
 その内容とは、

  『復讐にとらわれた元SAS隊員の登場する話を作って欲しい。
  そしてそのSAS隊員は、ディーターと同じく多重人格という設定にしてほしい』

 というものでした。
 そしてその参考文献として、漫画「MASTER KEATON」(小学館・ビッグコミックス、勝鹿北星・作、浦沢直樹・画)の第6巻、「偽りの三色旗」および「偽りのユニオンジャック」が挙げてありました。そこにも、SASのOBを中心とする暗殺者集団のひとりが、元IRAの女性テロリストを殺すという話があります。
 私はその漫画を読んだことがありませんでしたが、この提案について聞いたとき、即座に書いてみたいと思ったのです。

 EWENVを連載して、ほのぼのとしたキャラたちの生活を描いているうちに、これでいいのかと思い始めていたからです。彼らの幸せな生活の根底に隠されているはずの罪責感、悔恨、恐怖や憎悪を描かなければ、このお話らしくないという気持ちが募る一方だったのです。
 ちょうどそのときに彼からいただいたテーマは、私の思っていた方向とぴったりでした。それを描ききるだけの筆力が私にないことが残念です。
 RAVENさんにはここであらためて、謝辞を送ります。そして、愛読してくださった皆様、声援をくださった皆様、どうもありがとうございました。

 EWENVはまだ続きますので、これからもよろしくお願いします。

 2005年3月      BUTAPENN



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