「セフィロトの樹の下で」
セフィロトとクリン
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「クリン。おいで」
 呼びかけると、壁の一部がするすると開き、中から小さなクリーナーロボが出てくる。
「オハヨゴザイマス。今日モ一日ガンバリマショ」
 甲高い声でお決まりの挨拶をする。
 クリンは、セフィロトを仲間だとは思っていない。人間だろうがロボットだろうが、命令さえもらえば忠実に働く。
「クリン。「前」にゴミが落ちているよ」
 そのことばに、クリンはセンサーを点滅させながら、360度ぐるりと回って、ようやくゴミを認識した。
 彼に「前」という概念はないのだ。

        (第2章「彼のいる風景」より)

クリンって、これじゃオ○Qだよ……。
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