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THREE POEMS          作:shion






「覚醒」

まるで終わりのない、永遠に続く暗闇の中を
息も絶え絶えに走り続けているような。

どこへ向かっているのかさえ解らない、
気を抜いたらたちまち消えてしまうような
底なしの恐怖の中にただこの身が存在していて。

確かなものなんて何ひとつない。
何もかも、虚ろな世界。



『思考』という名の闇。



真実を掴もうともがけばもがくほど
幾重にも連なるその不確かな影は
立ちあがることさえできぬほどさらに深い闇へとこの身突き落とす。



やがてそこに差し込む、ひとすじの光。
目もくらむほどにまばゆきその輝きは
直視できぬほど美しい光。

あまりの気高さに罪深き己を呪い躊躇しても
閉ざそうとする心にそれは容赦なくふりそそぐ。
まるで俺を呼び覚ますかのように。

優しくあたたかなその光に魅せられ
この闇に飲まれぬ力強きその輝きに導かれ
ゆっくりと目を覚ます。
ゆっくりと立ち上がる。

確かな意思を持って。



「だからその手を離さない」

粉々に砕け散った心のカケラを一つ一つ拾い集めて
全てを受け止め、立ち向かっていく。

傍らにはいつも君の笑顔。
僕の手をそっと握り締めている。
温かなぬくもり、何よりも大切なもの。

いつだって勇気をくれる、
君がいれば強くなれる。

君のために強くなる。


僕にある、ただ一つの確かなもの。


だからその手を離さない。

だからその手を離さない。



「same」

いつだって迷いのないその視線の先に見えるものを
共に見つめていたい

君の未来は、僕の未来。
僕の未来は、君の未来。

共に夢を見て、同じ場所にたどり着こう。
それぞれの道を行きながら、同じ場所にたどり着こう。

時に道草や遠回りをしながら。
分かれ道で右と左に分かれたりしながらも
同じ場所にたどり着こう。
同じ場所にたどり着こう。




BUTAPENNさん、サイト1周年おめでとうございます。
心をこめて。(愛も込めた。笑)
            shion


shionさんが、サイト一周年のお祝いにくださった詩です。
1編目の「覚醒」は、「EWEN」のディーターの気持ちになりきって作ってくださいました(ティトス戦記のルギドもちょっと入ってるそうです)。
第2編、第3編は特定の作品には結びつかない恋愛詩ですが、私は勝手にディーターと円香の姿を思い浮かべさせていただいて、涙しました。
ほんとうに、すばらしいプレゼントをありがとうございました。

なお、このページの詩の著作権はshionさんに帰属します。

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