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夏休みスペシャル
3000マイルアメリカ西部縦断の旅(5)


灼熱の奇岩地帯

道路が工事中で迂回路を通らされたりして、Arches National Park(アーチーズ国立公園)についたのは、もう夕方5時半だった。
西日にじりじりと焦がされて、暑かったあ。しかし、そのぶん凄かった。
まさに神の指の妙。

「おっと、落ちる」と思わず声をかけたくなるバランス・ロック。

公園の名前の由来でもある、アーチ状の岩。
この旅行記の表紙に載せたのも、アーチーズでの写真である。日本ではそう有名でもないところに、こんな凄い風景があるとは、さすがアメリカ、おそるべし。
何枚も写真を撮っていたら、あっという間に時間が過ぎ、公園内のギフトショップに着いたころには、もう閉まっていた。
今晩泊まるモーテルのあるMoab(モーブ)に着いたのは、7時半だった。
暑いので、さっそく子どもたちはモーテルのプールへ直行。
シャワーを浴びたあと、隣接のレストランに着いたのは、もう9時だった。10時に閉まるとのことだったので、あわててサラダやステーキ、スパゲティなどを注文する。
モーテルの部屋は2階。一階にはフランス人のバイクチームが止まっていた。
日本では、バイクに乗るのは若い男の子、という気がするが、アメリカでは、ひげもじゃもじゃ、胸毛もじゃもじゃのおじさんが、 ハーレーダビッドソンのどでかいモーターサイクルに乗ってツーリングしているのを、よく見かける。
翌朝、10台近くのバイクをふかしている彼らは壮観だったが、こわくて写真は撮れなかったです。


6月30日  アーチーズ 〜 モニュメントバレー 〜 グランドキャニオン

朝、4合半のご飯を炊いて、昼食用のおにぎり作り。海苔が底をついた。
もうこれが最後のおにぎりになるのだろう。旅行のあいだ、私たちの命をつないできたおにぎり。ちょっと旅の終わりを感じてしまう。
朝は、マクドナルドの朝食セットを食べ、モーブを出発。
191号線をモニュメントバレーに向かい、まっすぐ南下するが、この道は、ウィルソンアーチメキシカンハットなど、さりげなくいろいろな見所があって、飽きなかった。


Monument Valley(モニュメントバレー)は、ジョン・フォード監督の「駅馬車」のロケ地となった、有名な観光地。
ただし、国立公園ではないので、Golden Eagle Passportは使えなかった。

正面に壮大な風景。走っていて気持ちいい。
ナヴァホ居留民保護区の中にあり、従業員はすべてネイティブアメリカンの人たちだった。
相変わらずの砂漠・低木地帯だが、思ったより風があってしのぎやすい。
ギフトショップで絵葉書やスプーンを買ったが、保護区なので、セールスタックス(消費税)がないことがわかった。
小一時間見て回って、出発。
沿道には、インディアンジュエリーを売る掘っ立て小屋が立ち並ぶ。途中ロバが道の真ん中でのんびり立っている。
途中のスーパーの駐車場で、車を止め、昼食。ここもまだ保護区の中だが、ソニーの8ミリビデオテープが売っていて狂喜。ちょうど切れたところだったのだ。
見渡すかぎりの荒野の真ん中にまで、ソニーの最新の製品が売られているとは、恐れ入りました。
大観光地・グランドキャニオン

モニュメントバレーを過ぎたところで、アリゾナに入り、時計を一時間戻した。得した気分。
そのおかげで、3時にはGrand Canyon National Park(グランドキャニオン国立公園)に到着した。
さっそく公園東端のWatch Tower(見張り塔)、ツサヤン遺跡から見学。
このあと、翌日まで、いろいろなポイントからのグランドキャニオンを眺めた。
その多様さは、さすが凄い。百聞は一見にしかず。写真を見ていただいたほうがいいだろう。
昼間は立体的に感じられず平板に見える。やはり日の出と日の入りの時刻が、一番の見ごろだ。

間近に岩が迫る感じもいい。

この造形美を作り出したコロラド川。

川が岩を侵食した様子がよくわかる。
Maswik Lodgeという村のロッジに泊まる。イエローストンに比べるとやはり、都会的で人が多い。近くのMother Campgroundで、コインランドリーとビュッフェスタイルの夕食。


7月1日  Grand Canyon 〜 Las Vegas

早朝5時、日の出を見に行く人々の気配で目が覚める。私たちも写真を撮りに近くのポイントへ。
カップラーメン、ごはん、玉子焼きで朝食後、チェックアウト。

土産物屋に寄った後、国立公園を出て、Imax Theaterへ。一時間に一回の上映(毎時30分に開始)。
身体が浮くような大画面で、コロラド川を主人公にグランドキャニオンの歴史を見せてくれる。人間が地球の歴史においていかにはかないものかが、コンセプトに流れていて、良かった。

すっかり時間を食ってしまい、11時にラスベガス向けて出発。
Hoover Dam(フーバーダム)の近くも、順調にとばす。
ただ、ハイウェイが小さな町のメインストリートに合流するたびに、迷ってしまって困った。ここぞというときに標識がない。ナビゲーター泣かせである。

ようやく、Las Vegas(ラスベガス)到着。
Strip(ストリップ地区)の南から入城。入城ということばがふさわしいきらびやかさ。
ピンクの外装に彩られたCircus Circusというカジノホテルに宿泊する。
2ベッドルームで75ドルと、めちゃ安いし、部屋も豪華。カジノでお金を落としてもらうため、宿泊料は低く設定してあるらしい。

よく映画の舞台にもなるフーバーダム。

名前のとおり、サーカスショーが売り物。
一階のカジノは、昼間からにぎわっている。息子たちは、ゲームコーナーを見つけ、飛んで行ってしまった。
おとなたちも、スロットマシーンに挑戦。あっというまにすっからかん。才能のなさを痛感した。
唯一勝ったのは、おばあちゃん。100ドル儲けた。
そういえば、市場の年末の福引のガラガラも、おばあちゃんが回すといい賞がもらえる。もしかして天才ぎゃんぶらー?
夕食は超巨大レストランで、$3.99のビュッフェ。食べ放題で味もかなり良し。
このホテルは、あちこちでサーカスショーをやっている。夕食後、階段の吹き抜けで空中ブランコショーを見た。

とうとう最後までゲームにしか関心がなかった息子たち。
7月2日  Las Vegas 〜 Factory Outlet 〜 自宅

子どもたちは、5時から起き出して、ゲームコーナーに。つきそって行ってくれたおばあちゃんは、ゲームのそばのカジノで、スリーセブンにトライし、5ドルを23ドルに増やした。
ははは。すごい。

10時にチェックアウト。
あとは家に帰るだけという今日の道中のお楽しみは、Barstow(バーストウ)のFactory Outlet。日本でもこの頃流行の、工場直卸のわけあり商品のアウトレットモールである。
広い敷地内で、まっさきに向かったのはアメリカの食器ブランド、Lenox(レノックス)のお店。
ここのautumnというコーヒーカップセット、6組280ドル也を即決で買う。
普段なら高くて手が出ない品も、こうして旅行の途中だと太っ腹になって買える。実に不思議な消費者心理である。

心配していた夕方のロサンゼルスの渋滞もどうにかやり過ごし、6時帰宅。
泥棒よけにタイマーをセットしておいた窓際のランプは、留守のあいだも、ちゃんと夜になると煌々とついていた。
無事な家を見て、ほっとして、でも寂しくなった。

10日間、3094マイルの旅の終わりだった。



長い旅行記を読んでくださり、ありがとうございました。
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