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夏休みスペシャル
3000マイルアメリカ西部縦断の旅(4)




イエローストーンとお別れ

6月28日 イエローストーン 〜 グランド・テートン国立公園 〜 パークシティ

朝からこぬか雨が降る中、いよいよイエローストーンともお別れだ。朝早くから荷造りをして準備したが、レストランで朝食をし、ジュースなどを買い込んでいると、やはり出発は9時過ぎてしまった。
まだ肩の痛むパパのかわりに今日も私の運転。雨なので、時速30マイルで走れと指示されたので、なかなか前に進まない。
公園を出る前に、ムース(ヘラジカ)がいて、みんな車を止め大騒ぎしていた。そこをなんとかやり過ごすと、次はもっとすごい大渋滞。運転手の私以外が降りて見に行くと、なんとクマがいたそうだ。
最後の最後で、動物ショーが見られて、もう見るものはぜんぶ見たという感じ。

心配していた天候も回復に向かい、次の目的地Grand Teton(グランド・テートン)国立公園の中に入るころには、もう雲間から陽光がのぞいていた。遠くの山が青く、緑は鮮やかですばらしい景色。
Jackson Lake(ジャクソン・レイク)のロッジの近くで写真を撮る。ロッジの一階は洒落たギフトショップで、目の保養。絵葉書を何枚か買った。

ジャクソンレイクを背景にパチリ。山と湖がきれいで、ヨーロッパに来たようだった。(写真の一部加工)
山の中の美しい湖Jenny Lake(ジェニー・レイク)を一目見ようと、Jenny Lake Loopと標識の出ているわき道へ。森の中の細い道を行くと、緑豊かな山が迫ってきて壮観。
やがて木立のあいだに、童話に出てきそうな小さな湖が。うわあ、ロマンチック! こういうところに来たかったんだ!
と感激していたら、あれ、あれれ? 駐車場を探して進むうちに、あっという間にもとの広い道路に戻ってしまった。途中に見えたロッジで止めなければいけなかったのだ。
さすがにもう一度戻る気にはなれず、あきらめて進んだ。
時間の余裕のない旅行を計画したことに、あらためて悔しい思いをする。
Jackson Hole(ジャクソン・ホール)という大きな町に入ったのはちょうど昼時で、食事のために路上駐車をするスペースもない。 しかたなく、そのままフリーウェイに入ることにした。
しかし、それが間違った選択だった。

腹へったあ〜!

ここからパパと運転交替。ほっとしたのもつかのま、入ったフリーウェイは、ものすごいド田舎道。まるでうちの親戚のある岡山の山道を走っているようだ。
行けども行けども、途中にあるのは、人口100人程度の集落ばかり。マクドナルドどころじゃない。
それなのに、町の名前はParis(パリ)やGeneva(ジュネーヴ)。詐欺だ〜っ。
結局、前夜のごはんの残りで作ったおにぎり、菓子パン、バナナなどを車中でかじり、飢えをしのぎつつ、突っ走る。
途中のBear Lake(水色の湖面のとてもきれいな湖)も、食欲のかたまりと化した私たちを魅了することはできない。
結局、Garden Cityという町で見つけたレストランで、ハンバーガー、フレンチドッグ、ラズベリーシェークにありついた。小さな町なのに、なぜかやたらとラズベリーシェークの看板が目につく。名物なのだろうか。
そこからは、なかなかの絶景だったが長かった。

おすしと日本語

ようやく6時ごろ、Great Salt Lake(ソルトレーク)の湖畔の公園に着く。行きには見られなかった大塩湖を満喫しようと思っていたが、ものすごい蚊の襲来に車を降りることすらできず。
写真だけ撮って、ふたたびフリーウェイに。
4日前にも泊まったソルトレークシティ。今回は郊外のPark City(パークシティ)に宿をとってある。
着いたのは、7時。さっそくパパと子どもたちはホテルのプールに。子どもたちは、1日車の中だったので元気いっぱい。
今回の旅は、昼間が長い北部の6月ということで、夜遅くまで行動できるのが助かった。
9時ごろ、メインストリートへ。パークシティは西欧風のとてもしゃれた町並みだ。
Ichiban Sushiというすし屋を見つけて、入る。客はほとんどがアメリカ人だ。
日本のすし屋をカフェバーにしたよう。板前はなんと、白人の若い女性だった。
カウンターに座ったおじいちゃん(英語まったく話せず)が、いきなり突然彼女に日本語で注文を始め、私たちはびっくりしてしまった。
そしてもっとびっくりしたのは、彼女が流暢な日本語で答えたことだ。
関東で長く板前修業をしていたとか。おじいちゃんは彼女とずいぶん話がはずみ、とても楽しそうだった。
おじいちゃんは、寿司を握れるのだから日本語がしゃべれると、そのとき思ったのだそうだ。
外見で日本語がしゃべれるはずがないと思い込んだ私たちに比べて、おじいちゃん国際人だなあ、と一同尊敬してしまった。
チップ込み123ドルは、久しぶりの寿司を堪能した満足感に、じゅうぶん値するものだった。

西欧の街角のようなパークシティ(うしろは「いちばんすし」の店)

日本語上手な美人の板前さんにびっくり。
アルペンの町

6月29日  パークシティ 〜 アーチーズ国立公園

そろそろ旅も後半に入ると、朝も疲れが残る。
近くのセブンイレブンで買ってきたサンドイッチとドーナツ、それにホテルの部屋に備え付けのコーヒーとバスケットの果物で、けっこう豪華な朝食。
ホテルを出るとき、気球をあげる準備をしている一団に出くわした。ここはアルペンスポーツのメッカ。
きのう寿司を食べたメインストリートをぶらぶら散策した。私の趣味のキルトの店に入ったり、フローズンヨーグルトを食べたり。ここは19世紀からの古い土地柄を生かしたアンティークの店も多い。

アルペンスライド。小さい子でも楽しめる。
その後、Park City Ski Areaへ。
今回の旅行の下準備でチェックしておいた、念願のAlpine Slideにチャレンジするのが目的だ。
リフトに乗って頂上まで行くと、なかなかの高度で怖い。
アルペンスライドは、巨大な滑り台のようなものだ。プラスティックの板にブレーキがついていて、逆かまぼこ型のコンクリート製の滑り台を猛スピードで滑降する。
一回目は、ママと次男、パパと長男ですべる。ブレーキが効くので、さほどこわくなかったため、2回目はひとりずつすべった。今度は目いっぱいアクセルをかけて、すごい迫力!

2002年ソルトレーク冬季オリンピックのアルペン競技の会場になったところ(写真一部加工)。
さて、堪能して戻ってきたものの、おじいちゃんとおばあちゃんがいない。
そういえば、片道25分のゴンドラに乗ってくると言っていたが……。待てど暮らせど戻って来ない。
退屈しのぎに、Chocolate Factoryというお店で、チョコトリュフを買った。そこの2さいくらいの子どもがお人形のように可愛くて、うちのふたりの子どものあとをちょこちょこついてくる。
ウチの子と取り替えた〜い!!
12時を過ぎて、おじいちゃんたちがやっと帰ってきた。なんと、強風のため、空中でゴンドラがストップしてしまったらしい。
「あんな気色わるいことはなかった」と、さすがに青ざめていた。
すいません。その間わたしたちはのんびりチョコレート食べてました。
アーチーズ国立公園へ

無事6人が合流できたところで、さっそく出発。フリーウェイの手前のガソリンスタンドで、マクドナルドのテイクアウトと給油。
ハンバーガーをかじりながら、80号線、40号線、189号線とスムーズに乗り換えて行く。
アメリカの自動車旅行の快適なところは、標識がはっきりしているため、この乗換えがとてもうまく行くことだ。
途中道路沿いに、Bridal Veil Fall(ブライダルベール滝)という、とても美しい滝があった。急斜面をロープウェイで登るのだが、
にわか高所恐怖症のおじいちゃんとおばあちゃんは「わしゃ、絶対乗らん」
結局あきらめた。
あとは延々と石炭列車の線路の隣を伴走しながら、南東に。
残るのは、いよいよアーチーズ、モニュメントバレー、グランドキャニオン、そしてラスベガスだ。
(5)につづく


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