ブライス・キャニオン国立公園 ピンクの奇岩城、ブライス・キャニオン国立公園。(写真は一部加工。このとき私(左)は今より5キロ太っていた…)
車を降りたとたん、風の音がゴウッと聞こえる。 | 涼しい。ここは8千フィート級の高原なのだ。ザイオンの暑さがウソのようだ。 ピンクの奇岩城が眼下に異様を誇っている。まるで、ガウディの作になる建築物。 見れば見るほど、ここは地球ではなく、火星だと思えてくる。 下に下りる道があったので、さっそく急勾配のつづれ折りの坂に挑戦した。人なつこいリスがかわいらしかった。 恐ろしい事故を目撃する 公園のピクニックエリアで、カップラーメンを食べる。 予定を3時間オーバーしてしまっている。国道89号線に戻り、道を急ぐ。 単調な牧草地帯を何時間も走るのは、遅れがある焦りからか、辛い。 途中、マクドナルドで小休止をした。 そこを出たとたん、すごい事故を見てしまった。 超弩級コンボイトラックのうしろに、猛スピードで中型トレーラーが激突したらしい。 トレーラーはひしゃげて、長さがもとの五分の一くらいになっていた。 わずか30センチほどになってしまった運転席から、紙のように白い男の顔が見えた。 いねむり運転だろうか。2日間無理をして運転してきたパパのことを思い、冷や汗が出た。 フリーウェイでの事故は最悪の結果を生む。自動車旅行は便利な反面、決して注意をおこたってはならないのだ。 ソルトレークシティ到着 大幅に遅れて、7時前ホテルにチェックイン。 そのためか、部屋が別の階になってしまった。 大人4人と子どもふたりの今回の旅行はすべて、ダブルベッドルームを二部屋予約しているのだ。 シャワーを浴び、Troley Squareというところのショッピングセンターで、中華レストランに入る。 カフェバーのような高椅子。壁には日本の鯉のぼりが飾ってあるという、何ともミスマッチな店だ。 子どもたちはゲームコーナーを見つけ、ここにずっといたいと言い出した。 こいつらには、雄大な景色よりもゲーセンのほうが魅力なのだろう。
6月25日 Salt Lake City 〜 Yellowstone National Park |
子どもたちがおじいちゃんたちの部屋で寝てしまったので、私たち夫婦は夜遅くまで、有料テレビで「ホームアローン」を見ていた。眠い。 朝食はホテルのビュッフェ。 9時にチェックアウト。モルモン教の寺院を見学に行く。 ラッキーなことに、礼拝堂に入ると、ちょうどパイプオルガンの練習をしており、世界で一番すばらしいといわれるパイプオルガンの音色に大感激! 10時出発。ソルトレークに行きたかったのだが、ガソリンスタンドで聞いてもわからず、結局うろうろした挙句、断念。 この時間のロスが、今日のちのちまで響いてくることになった。 モルモン教の総本山。パイプオルガンがすばらしい。
アイダホ州からワイオミング州へ | ほとんど一直線の道。途中少しだけアイダホ州の端をかすめた。 ピクニックエリアでサンドイッチを作って、昼食。そばの、アイダホ最初の鉄道線路跡という土手(ただの土手である)にのぼって遊んだ。 あたりはすっかり紫の山々が行く手に広がる大パノラマ。 すこし曇りはじめた。 さっきの時間のロスが尾を引き、思うように進んだ気がしない。 虫害でバタバタ木が倒れる森林地帯を抜け、いよいよ天候は悪化して、暗雲たちこめる空に雷が時折ひらめく。 バイソン。いざ写真に取ろうとするとむずかしい。
夕方5時前、ようやくワイオミング州のYellowstone National Park(イエローストーン国立公園)の玄関口、ウェストイエローストーンに到着。 | なんともアメリカらしい田舎町。 だが一軒のスーパーマーケットに入ってみると、なんと日本語の張り紙がある。 オリエンタルフードコーナーもあり、しょうゆやラーメンも売っている。これにはおどろいた。 フライパンや野菜、くだものを買った。 公園内に入ると、さっそくバイソン(野牛)などの野生動物が見えたが、雨のせいか景観は今ひとつ。 前年大きな山火事があり、かなりの森が焼失してしまった。焼け焦げた木々の、黒い骨のような立ち姿が痛々しい。
停電パニック | みぞれまで降りはじめた頃Canyon Villageに到着。 ホテルCanyon Lodgeは、ちいさなログキャビンの集合体。これから3日間、ここのキャビン一軒まるごとが私たち家族のものだ。 感激にひたる間もなく、さっそくお米をとぎ、レトルトカレーを暖め、サラダの支度にかかる。 パパは、たまっていた洗濯物をもって、コインランドリーへ。 ところがなんと、突然停電。 飛んで帰ってきたパパの報告によると、村全体が真っ暗らしい。雷が遠くの送電線に落ちたせいだとか。 脱水中だった洗濯物も、ぼとぼとのまま持ち帰り。 でも、ごはんはほぼ炊けていたし、カセットコンロも影響なし。真っ暗な中ではあったが、カレーとサラダをおいしくいただいた。 あとで聞くと、村唯一のカフェテリアはレジも作動せず、大混乱だったそうな。 自炊にしたことに感謝。疲れたが、幸運で一日をしめくくった無灯の夜は更けた。
6月26日 Yellowstone National Park滞在 |
今日はのっけから、ハプニング。 まず朝、パパが長男を肩車し損ね、肩のすじを痛めてしまった。かなり痛いようす。 3日間ぶっつづけに運転してきた、その疲れがたまっていたのだろう。ごめんね、パパ。無謀な計画を立てて。 ともかくも、公園内の観光に出発しようと、お弁当を作って出発。 時計まわりに、Old Faithful Geyser(オールド・フェイスフル間欠泉)に向かった。 途中ずいぶんたくさんのバイソンを見た。観光客は見飽きているのだろう。 たまに路肩で人だかりがしていると思ったら、エルク(カモシカ)が歩いていた。 化石になった木々。月にいるような景色。 |