ゲーム編



「わたしはあんなことは、決してしません」
「うん、わかってるよ。あなたのことを信じている」
 脅威的な力を持つセフィロト。でも私はあなたを信じているからね。決してその力を悪いことに利用されないでほしい。

 桑田のおばあさんを抱き上げて介護したいと願っていたセフィロトの前に、無情にも雨が何日も降り続く。そしてそれから桑田夫婦は姿を見せなくなった。
 そして、ようやく居場所を捜し当てたとき、おばあさんはもう亡くなった後だった。
 泣きたいのに涙がでないと、部屋の隅にうずくまるセフィ。
 彼と抱き合って悲しみを分かち合う私の耳元で、「死にたくない」という彼のつぶやきが聞こえる。
 それは、生前の樹が言っていたことばと同じだった。
 介護ロボットをキヨと名づけて、新しい生活をはじめた桑田さんを見つめる私とセフィには、それぞれの想いが生まれ始めていた。

第6章 「からみあう想い」

 セフィロトは、自分が何をなすために作られたのかを、悩むようになる。
 彼の成長を喜びつつも少し寂しいという複雑な心境の私に、彼はこう言った。
「わたしは、【すずかけの家】の先生になりたいんです」
 それから、補助教師として彼は私と一緒に出勤するようになった。
 セフィロトを歓迎する人、歓迎しない人の思いが交錯する。
 子どもたちのいたずらも、教師からのやっかみも巧みにかわして、彼は少しずつ教師として認められていく。
 しかしあることがきっかけで、アラタくんにセフィがロボットであることを見破られてしまい、彼の脅迫まがいの命令を受けることになる。
 アラタくんが高度な知能を持っていることを見抜いたセフィロトは、それゆえに孤独に耐えていた彼の心を理解し、ときほぐしていく。
 それは、樹が通ってきた道でもあったのだ。

 そんな日々の中で、ひとつの問題が起きる。
 同僚の北見さくらが、セフィロトに猛烈なアタックを開始したのだ。
 そばで見ながら、やきもちをやいてしまう私。
 そして、クリスマスイヴのデートに誘われたセフィロトがOKしてしまったことを知って、動揺するのだった。

 さくらとのデート当日、胡桃は……
   プレゼントを持たせてあげる
   背中を見せて「いってらっしゃい」と言う




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