ゲーム編



 家に帰って待っていた私たちのもとに、犬槙さんから朗報が届く。
 セフィロトは審査に合格して、政府助成金も増額されるという。
 喜ぶ私たちだったが、一難去ってまた一難。
 ニュージーランドに住んでいる私の父、桐生直人が突然、我が家を訪ねてくることになったからだ。
 父はロボット嫌いのゆえに、「ロボット化政策」を取る祖国を捨てて、外国に移住してしまった。私はそんな自分勝手な父を長年うらんでいたのだ。
 その父が、セフィと顔を合わせたら……。
 パニックに陥る私をよそに、ふたりはすっかり意気投合してしまった。
 しかし、【すずかけの家】の水木園長との会話や、セフィロトと父との会話から、私は父の「ロボット嫌い」の真意と、私に対する深い愛情を知る。
 帰国するときも父は、セフィがロボットであることを知らぬままだったが、ロボット嫌いをやめてくれることを約束してくれた。

 さて、それからもピンチは続いた。
 何者かが、応用科学研究所のマザーコンピュータをハッキングしようとしたらしい。
 AR8型セフィロトのデータが狙われた可能性もあるという。
 犬槙さんとセフィの活躍で、その実行犯も特定できたのだが、結局その背後にいる者の正体は見えないままだ。
 それに、犬槙さんのあの「好きだよ」というささやき。
 あれはどういう意味だったのだろう。

第4章 「追憶のリフレイン」

 この頃、セフィは「怒り」という感情を覚えた。幼い子が自立するために欠かせない「反抗期」という時期に、彼も入ったのだ。
 ある日、私はセフィロトが勝手にオルゴールを捨てていたことを知り、ショックを受ける。
 確かにこのオルゴールは壊れている。でも、私にとっては、樹が買ってくれた大切な思い出の品。
 そのことを犬槙さんから聞かされたセフィは、自分のおかした過ちに、可哀そうなほどしょげてしまった。
「わたしは理解したいのです。胡桃のことを知りたいのです。わたしに古洞博士との思い出を教えてください」
 と、せつなげに訴える彼に、私は迷った。どうすればよいのだろうか。

 樹の思い出を……
    セフィロトに話さない
    セフィロトに話す




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