きのうのサッカーの試合はすごかったですねえ。大黒選手の反転ゴール。と言ってもリアルタイムでは見ていません。同点にされた途端にチャンネルを変えてしまった小心者です。ロスタイムの決勝ゴールというのは、ドラマや漫画の中だけの話と思っていたら、けっこう実際にあることなのでびっくりします。
サッカーといえば、私の中学生の頃もけっこう盛んでした。
1970年代初めになりますが、私の行っていた大阪近郊の中学では、野球とサッカーはグラウンドを我が物顔に占領する、男子あこがれの二大部活だったのです。野球部員は、きっちり丸刈りにして折り目正しいのに対し、サッカー部員は髪をちょっと伸ばし、「イケメンにーちゃん」タイプでした。
あの頃の日本サッカーは今よりずっと強かったんです。1968年のメキシコオリンピックで、日本サッカーはヨーロッパや南米をくだし、銅メダルという快挙を成し遂げました。三位決定の対メキシコ戦で「メヒコ、ラーラーラー」という会場のうねるような歓声は、子ども心に深く刻みつけられています。はじめは自国を応援していたメキシコの観衆は、釜本ら日本チームの善戦に後半「ハポン」と叫びだしたのですね。
ところで女子のあこがれの部活と言えば、これはもう圧倒的にテニス(軟式)でした。そのころ「エースをねらえ!」という漫画が流行ったのです。私が卒業する年には、男女あわせて100人以上が入部したというくらいですから、漫画の力はすごいものです。
サッカーのほうは、80年代になって「キャプテン翼」という漫画が人気になり、大サッカーブームが巻き起こりました。あの頃「翼」を夢中になって読んだ世代がサッカーを始め、今のJリーグのさきがけとなった一面もあるはずです。
漫画の作るブームは即効性はありませんが、じわじわと長期間にわたる影響を子どもたちに与えます。
いつの時代も子どもたちが成長するには、目を輝かせてくれるような、あこがれる対象が必要です。夢のない時代だといわれる今は、なおさらそうなのです。
虚実とりまぜてのヒーローたちに、これからも次世代を作るようなパワーのある活躍を期待しています。