沖縄の景色
せっかく沖縄に行ったのだから、勉強だけでなく楽しむ時間も必要というもの。特にメンバーの大半を中年女性が占めるので、車中でもホテルでも、おしゃべりの耐えない楽しい旅でした。
しかし最初に申し上げたとおり、三日間とも沖縄は雨。気温は15度から18度と、本土よりはマシですが、それでも海風が吹くと熱を奪われ、コートが手放せませんでした。2月のこの時期沖縄に行く方は、着る物に要注意かもしれません。
沖縄に来てなるほどと思ったのは、この県には鉄道がない(那覇にはモノレールがありますが)。移動手段はすべて車です。高速道路が整備されていますが、朝晩の渋滞はけっこう激しいらしいです。空港などに行くときは、かなり時間の余裕を見たほうがいいでしょう。
那覇からホテルのある北谷町までずっと車中の景色を見ていると、いくつかの発見をしました。
ひとつは、私たちが自分の町で見かけるチェーン店はほとんどが沖縄にもあること。
「大きな会社や商店は、必ず沖縄に支店や支社を置くんですよ。そうしないと全国展開したことにならないんです」
と車で案内しながら、地元の牧師は教えてくれました。「全国ツアーするアーティストも、必ず沖縄で公演します。その点は他の地方都市よりも、ずっと恵まれていますね」
この便利さと、ゆったりと流れる沖縄時間、豊かな人情などにあこがれて、沖縄に移り住む若者も増えているそうです。もっとも地元では職があまりないので、全国ワーストの失業率を押し上げる結果になるそうですが。
そして、もうひとつは家の形。
沖縄伝統の赤屋根を見ることはあまりなく、堅牢なコンクリート作りの家が多いのですが、そこには必ず、本土では絶対見かけないようなかなり大きなバルコニーがついているのです。
さすが南の国。もしかして、この広いバルコニーで家族が集まって、宵の団欒のときを過ごすのかもしれません。
また南北に長く、東西が非常にせまい沖縄本島は、ダムも少なく、雨が降らないとすぐ旱魃になって断水になってしまいます。そのためにどの家も、屋上に水のタンクを備えているのも特徴的でした。
沖縄の食事とお土産
沖縄料理と言えば、脂っこいイメージがありましたが、案外ヘルシーです。特に、もずくはとてもおいしく、全国に出回っているもずくのほとんどは沖縄産です。豆腐は硬くて中国豆腐のようです。
デザートに絶対食べないと損なのが、沖縄ブランドの「ブルーシール」アイスクリーム。私はその中でもとりわけ「紅芋アイス」が気に入りました。
昼の定番はやはり、「沖縄そば」でしょう。どの観光地に行っても「沖縄そば」のお店があるのです。沖縄そばは中華そばを平たくのしたような麺で、豚の三枚肉の角煮が乗っています。その代わりにスペアリブが乗っているのを「ソーキそば」と呼んでいました。
かならず、「島とうがらし」という調味料をかけていただきます。お酢ととうがらしが合わさった調味料で、これはタイ料理に出てくる調味料と同じだなと思いました。
写真の沖縄そばは、日曜の礼拝のあと、案内してくださった牧師さんの教会でご馳走になったものです。
沖縄では、沖縄そばをおいしく作れることが一人前のお嫁さんの条件だそうです。ここのそばは数日前から豚で出汁をとってくださったもので、豚肉も甘くてとろけるようで、今まで食べたものの中で一番美味でした。
私が買った沖縄のお土産を並べてみました。
お菓子では、有名な「紅芋たると」のほか、黒糖味、パイナップル味、ゴーヤ味などの沖縄限定菓子がたくさんあります。年配の方向きのおみやげには、塩もずくか、グリーンキャビアといわれる「海ぶとう」も喜ばれると思います。今の季節なら「たんかん」というみかん、春ウコンも出回っています。
さて、二泊三日あっというまに終わってしまった沖縄旅行。
無事に西宮に帰宅し、荷物を整理していると、おもしろいものを見つけました。空港で飲めずに持ち帰った缶飲料です。
「お○い お茶」だと思い込んでいたら、「ハイサイお茶」という文字が見えて笑いました。「ハイサイ」とは沖縄の挨拶のことば。こんなところにも沖縄限定品を見つけて、得した気持ちになりました。
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沖縄旅行記はこれで終わりです。
読んでくださってありがとうございました。これからまた小説の定期更新に戻りたいと思います。