東野圭吾がマイブームです。
「白夜行」は先週読了したのですが、いまだにその衝撃が残っています。
犯罪小説=ノワールというのでしょうか。一組の男女が次々と犯罪をおかしていくのですが、それがせつなくて、痛い。太陽のない暗闇の中でふたりが互いに相手の灯りとなりつつ、人目を避けるようにして共生していかざるを得なかった19年が、重みをもって胸を打ちます。
周囲の人々の視線のみをとおして描かれているため、彼らが本当は何を考えてどうおこなったのか、読者には最後まで明らかにならない部分が多い。その歯がゆささえも、この小説の魅力なんだなあと思います。
本当に、巧い。いやだなあ。こういうすごいのを読んでしまうと、執筆する気も起きませんよ(結論は、やっぱりそれか)。
以下ネタバレ(反転してお読みください)。
雪穂もリョウも才能のある人なのだから、普通に生きれば、それなりの人生がまっとうできたと思うのに。
最初の衝撃的な出会いが、やはりそれをさせなかったということなのでしょうか。
リョウは可哀想すぎる。ある意味、雪穂の野望のために生きて、死んでしまったわけだから。
いや、リョウなしにこれから生きていかねばならない雪穂のほうがずっと辛いのかも。
ひとつ疑問が残りました。
リョウは、射精不能になっていたわけですが、それはいつからだったのだろう。
高校生の頃はセックスできていたわけだし。一度、友人を助けるために、死体に自分の精液を入れたことがありましたよね。あのとき以来のトラウマなのでしょうか。
もし、ごぞんじの方がいらっしゃったら、ご教授ねがいます。