長崎・平戸に二泊三日で行ってきました。
去年の沖縄もそうだったのですが、私の行っている教会ではときどきこうやって有志で、歴史や社会を学ぶ旅行を行なっています。今回の参加者はクリスチャンばかり、下は幼稚園児から上は70歳までの総勢12人。
旅行会社のフリープランを利用したので、宿泊と往復の飛行機は手配していただきましたが、それ以外はすべて自分たちで企画した手作り旅行でした。
テーマは、「キリシタンの歴史を聞いて学んで考える旅」。
長崎・平戸・島原・五島列島の四つの候補地が挙げられましたが、今回はその中で長崎と平戸を選ぶことにしました。
二泊三日のおおまかな旅程は次のとおりです。
一日目
大阪空港 (―飛行機―) 長崎空港 (―バス―) 佐世保 (―鉄道―) 平戸 ― 平戸市街地観光(ザビエル記念聖堂・松浦史料博物館・平戸観光資料館・平土城) ― 平戸泊
二日目
平戸 (―貸切バス―) 生月島観光(島の館博物館・ガスパル様・山田教会・幸四郎様) ― 平戸観光(平戸切支丹資料館・紐差教会) (―貸切バス―) 長崎 ― 聖コルベ記念館 ― グラバー邸 ― 長崎泊
三日目
長崎市内観光 (―タクシー・路面電車―) 大浦天主堂 ― 浦上天主堂 ― 永井隆記念館 ― 平和公園 ― 原爆資料館 ― みなとめぐり遊覧 ― 二十六聖人殉教の碑 (―バス―) 長崎空港 (―飛行機―) 大阪空港
長崎空港から平戸まで
長崎空港からは、佐世保までの空港リムジンバスが出ているので、それに乗りました(西肥バス 約80分)。
JR佐世保駅の1番ホームから出ている松浦鉄道へ。
一両だけの汽車というのも、なかなか旅情をそそられます。地元の方々が乗り降りするそばで駅弁をかきこみながらの、78分。
27駅目の「たびら平戸口駅」で下車。ここは「日本最西端の駅」という碑が立っていました。
その日の宿泊先「平戸脇川ホテル」からの送迎バスに乗って、真っ赤な平戸大橋を渡り、約5分でホテルに着きました。
平戸市街地観光
(―タクシー―) フランシスコザビエル記念聖堂 (―徒歩―) 大ソテツ ― 六角井戸 ― 松浦史料博物館 ―平戸観光資料館 ― オランダ塀 ― 幸橋(オランダ橋) ― 平戸城(約3時間)
チェックイン後、平戸市街地の観光に出かけました。徒歩でじゅうぶんと思っていたのですが、ホテルの方の話では、平戸は坂が多く、なかなかあなどれないとのこと。ホテルの方のアドバイスをいただいて、三台のタクシーに分乗し、まず「カトリック平戸教会」のフランシスコ・ザビエル記念聖堂に行くことにしました。ここからだと他の観光史跡へはほとんど下りになるので、徒歩でもかなり楽でした。
フランシスコ・ザビエルは、イエズス会の伝道者として1549年鹿児島に上陸、翌年に平戸に来訪、その後も二回にわたって平戸を訪れています。キリシタンの歴史を知る旅では最初に訪れなければならないところでしょう(ただし、「ザビエル記念聖堂」はザビエルを記念するために1971年に改名されたもので、特に四百年前の歴史的な地というわけではありません)。
平戸は外国船の来航が盛んな地で、オランダ商館もここに置かれ、今でもその当時をしのぶ史跡が市街地に多く残っています。
ポルトガル交易時代からキリスト教の布教も盛んでした。当時の外国宣教師の日本における宣教方針は、まず領主に布教することでした。領主が改宗すれば、領民もこぞって改宗するからです。
平戸でも、藩主松浦(まつら)氏の家臣たちが続々とキリシタンとなりましたが、松浦氏自身は、貿易のためにキリスト教を黙認していただけのようです。
天正十五年六月(1587年7月)、今までキリスト教を保護していた豊臣秀吉が、突如「伴天連追放令」を発布しました。一方では南蛮貿易を奨励もしていたので、宣教師たちは潜伏しつつも引き続き日本にとどまっていました。
しかし、1596年の「サンフェリペ号事件」を契機に、スペインの日本征服を恐れた秀吉は本格的にキリスト教の撲滅に乗り出します。
平戸では、平戸藩主松浦氏において1599年に法印鎮信が跡目を継いだとき以来、キリシタンの猛烈な弾圧が始まるのでした。
過酷な迫害と、「かくれキリシタン」への系譜については、第二日目の生月島観光で詳しく学ぶことになります。
松浦史料博物館。松浦氏の旧邸宅で、西欧貿易華やかなりし頃の調度品や、貴重な史料が展示されている。 | |
松浦史料博物館から平戸観光資料館までのあいだの、歴史を感じさせる遊歩道。 平戸観光資料館は、赤穂浪士にも深いかかわりのある山鹿素行や、マリア観音などのかくれキリシタン関係の資料がある。二階からは、平戸城や平戸大橋を見晴らせる。 |
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平戸城は、会津の兵学者・山鹿素行の縄張り(城の配置)によって作られたお城。明治天皇の祖母が松浦家出身で、そのゆかりの品々も展示されている。 天守閣は、平戸市内を一望できる絶好のビューポイント。 |