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「満賢の魔鏡」公開休止のお知らせ

Posted on 2007-10-11 by BUTAPENN

「夜叉往来」の番外編として連載中だった「満賢の魔鏡」をしばらくのあいだ、公開休止としたいと思います。
このような決断をするにあたり、最終話を楽しみにしてくださっていた読者の皆様に、まずお詫び申し上げます。
どんな駄作であっても、誤字・誤謬の訂正ならともかく、全体の構想を大きく変えるような改稿は決してすまいと思っていました。まして、連載中であるならなおさら。
素人が趣味で書いたオンラインノベルごときに、何を大袈裟なとおっしゃるかもしれませんが、一度世に出した作品は、すでに作者の手を離れ、読者さまとの共有であるという考えを持っています。
小さなフレーズに、作者の想像もしないような意味と価値を見出してくださる読者さまがいる。
私が子どもの頃からそうだったように、物語とは想像の扉が開く、ほんのきっかけに過ぎない。表面の文字をはるかに越えた世界が、読んだ瞬間から読者の心の中でひろがっている。
分不相応にも、自分の書いたものもそうであってほしいと願っています。
私が自分の著作物に「複製・頒布・二次創作OK」のクレジットを掲げているのも、そういう思いの一環でした。
ですが、今回の場合は、その信条を曲げなければなりません。
実は「満賢の魔鏡」は、連載開始当初から迷いの連続の中にありました。
「夜叉往来」を完結したときに、私の頭に、本編に書ききれなかったいくつかのエピソードが残っていました。
そのうち、草薙の人間時代である藤原光季のエピソードは、フラッシュノベル「霞恋湖畔の怪」からすでにありましたし、久下の前世である新右衛門のエピソードは、同じく「桜舞ふ頃」に伏線を仕込んでありました。そして、これらはふたつとも、いずれフラッシュノベル化したいと考えていたものでした。
一方、三の巻である「矢上村」編は、分岐型ゲームノベルのバッドエンドのひとつとして思い浮かべていたものでした。
フラッシュノベルや分岐ノベルの製作は、結果的には断念したのですが、これらを捨てきれずにまとめて、ひとつの物語に仕上げたいと思ったのが、実は間違いの元だったのかもしれません。
成り立ちが違う三つの物語を、「満賢の魔鏡」という括りでひとつのオムニバスに仕立てたため、最初からいろいろな難題を抱えてしまいました。
まず、物語の性質上、絶対にハッピーエンドでは終われないということです。鏡の世界から戻るためには、夜叉になるという誘惑を断ち切って必ず悲劇に終わらなければならないという設定なので、読者さまにとっては、「夢落ちで、しかもバッドエンド」という、読んでも面白くないものに仕上がっていたのかもしれません。
第二に、三つの主要エピソードの構成に、どうしてもアンバランスな部分ができてしまったのです。
一の巻、二の巻に比べて、あまりにも三の巻が短いことは、自分でもさんざん悩んだところですが、こうやって淡々と描くことが、統馬が主人公の物語としてはふさわしいと結論を出して、そのままのプロットを進めました。一、二の巻では書き込みすぎた感のある歴史的な背景も、思い切って排除しました。
しかし、実際にアップに踏み切ってみて、後悔の連続でした。好意的なひとことメッセージをいただく一方で、助言もいただき、いったい自分がどうすればよいのかわからなくなってしまいました。
このまま完結させ、自分の中でひそかに「失敗作」と位置づけて、終わってしまうか。
「満賢の魔鏡」というタイトルをはずすことも視野に入れて、大々的に改稿すべきか。
いったん最終章まで完結してから、時を見て改稿という手も考えましたが、どうしても今はその気力が起きないのです。
このまま放置するよりは、と「公開休止」を決断いたしました。
公開の時期については今は見当がつきませんが、遅くとも来年一月の六周年を目途に、完成品として一挙公開することを考えています。
重い宿題を背負ってしまいましたが、これもヘボ作家が少しでも成長するためと思って、暖かく見守ってやってください。もちろん、アドバイスやお叱りの言葉もお待ちしております。
ほんとうにごめんなさい。

2 thoughts on “「満賢の魔鏡」公開休止のお知らせ”

  1. Gスクラム より:
    2007-10-13 17:28

    ここは一つ、読者のコメントを気にせずに
    駄作ができる、できないはさておき、迷わず自分自身の道を進んでみては
    失敗するのもいい作品に近づく一歩だと思います。
    最後に応援を
    無理しないでがんばれってくれ!!!

    返信
  2. butapenn より:
    2007-10-13 23:18

    Gスクラムさんとは、はじめましてでしょうか?
    コメントありがとうございます。
    実際のところ、迷ってばかりです。改稿したからと言って、以前よりも良いものが書けるとは限りません。結局のところ、自分が納得するまで「足掻ける」かどうかだと思います。そこまで達する前に、また「妥協する」かもしれませんが。
    >失敗するのもいい作品に近づく一歩
    ああ。本当にそうですね。そう言われると、なんだか失敗することも楽しいことのような気がしてきます。
    元気をいただきました。ありがとうございます。

    返信

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