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お嫁にもってきた児童書

Posted on 2008-11-202021-07-21 by BUTAPENN

今日はおすすめの本のお話です。アマゾンのサイトにリンクしていますので、お嫌いな方は、リンク部分をクリックしないようにお願いいたします。
結婚してから26年。そのあいだに海外国内とりまぜて四回引越ししました。阪神大震災で、置いていた本を大量に捨てねばならぬこともありました。
それでもなお、子どもの頃買ってもらって、まだ私の手元にある児童書が数冊あります。
今でも、みずみずしい感動をもって思い出せるものばかり。
クリスマスに本を買ってあげたいと思うお子さんがいる方にとって、何かの参考になれば幸いです。

「トムは真夜中の庭で」

知り合いの家にあずけられて,友だちもなく退屈しきっていたトムは、真夜中に古時計が13も時を打つのを聞き、昼間はなかったはずの庭園に誘いだされて、ヴィクトリア朝時代の不思議な少女と友だちになり…。(内容紹介より)

もうすっかり細かいあらすじは忘れてしまっても、本を読んだときに感じた夜の空気だけは、匂いまで覚えている。そんな本です。
イギリスの児童小説というのは、どうしてこんなに風景描写が美しいのでしょう。庭園や家の描写、今自分もそこにいるような臨場感を覚えます。
一口で言ってしまうとタイムスリップものなのですが、その中に少年の成長と、誰もがもっている子どもの頃への郷愁を織り合わせて、子どもよりもむしろ大人が感動するお話になっています。構成やラストシーンの素晴らしさを考えれば、まさにファンタジー書きのお手本といっても、過言ではないでしょう。

「ツバメ号とアマゾン号」

イギリスの湖水地方を舞台に、子どもたちがヨットを操りながら、冒険の日々を過ごす。長い夏休みを味方に、彼らは探検やキャンプや海賊ごっこ、本当の遭難まで体験する。

「こんな夏休みが送りたい!」と空想しつつ、いつのまにか彼らの仲間に入っていました。
シリーズになっており、登場人物たちもお話とともに大きくなっていくので、ジョンやスーザン、ロジャやティティ、ナンシーやペギィは、まるで現実の友人のようでした。
本の見返しの手描き風の地図が、また楽しいのです。私の中で、冒険と地図は切っても切れない関係になったのは、この本のおかげです。

「名探偵カッレくん」

名探偵を夢見るカッレくんは、ある日エイナルおじさんの怪しい行動に第六感を働かせ、捜査を始めます。宝石窃盗団に迫ったカッレくんは、仲良しのアンデス、エーヴァ・ロッタとともにお城の地下室に閉じこめられてしまいますが…。(内容紹介より)


スウェーデンの作家リンドグレーンの小説は「長靴下のピッピ」や「やかまし村」など、どれも名作ぞろいなのですが、その中でも私の一番のおすすめは、この「カッレくん」シリーズ。
夢想の世界では天才名探偵であるのに、現実には何の力もない少年にしかすぎない自分とのギャップに悩み、とまどいながら、仲間とともに現実の事件を解決していく、その等身大のカッレくんが、子ども心に大好きでした。
これらの児童書に共通するのは、どの子どもたちも、子どもゆえに決して自由ではないこと。
学校の寄宿生活や周りの大人のお小言や、社会の決まりに縛られながら、その中で知恵をしぼって秘密の冒険をする、そのスリルが読む者の心をときめかせるのでしょう。
人間とは、不自由の中でこそ自由であり、制約の中でこそ冒険ができるものなのだと思わされます。
児童書と言われているものの中には、大人になってからのほうが楽しめる本はたくさんあります。(私も、ローズマリ・サトクリフの小説は、大人になってから読んでいます)。「もう遅い」とおっしゃらず、ぜひ手に取ってみてください。

 

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