重力のない宇宙では、受精卵が育たないという研究が発表されました。
神戸の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと広島大の共同研究によるものだそうです(情報ソース・読売新聞)。
同研究チームは、地上で無重力状態を再現し、マウスの体外受精を試みたところ、無重力を続けるにつれて受精卵が育つ割合が減り、結局出産に至ったのは通常の四分の一だったとか。
魚類や両生類は、宇宙空間でも問題なく繁殖するので、哺乳類に関するこの結果は、研究チームにも予想外だったようです。
どの程度の重力があれば受精卵が育つのかについては、まだこれからの研究になりますが、このままでは、重力の低い月や火星、宇宙ステーションに将来人類が移住したとき、子孫が残せない事態が考えられます。
この発表は、SFを書く者にとってはかなりのショックです。「ギャラクシー・シリーズ」のレイとユナに、木星のイオで暮らしているあいだは子どもが授からなくなるじゃありませんか。
人類が宇宙に進出するなど、私たちの生きている限りでは夢物語ですが、それでもやはり未来予想図は希望に満ちたものであってほしいものです。ぜひさらなる研究を期待します。
イオも火星も月も重力は(弱いけど)あるじゃん。
弱いのが問題なら、妊娠直後にすぐ外の衛星に移れば良い訳で、それはそれで面白い設定になりません?
そう、だから、どれくらい重力があれば受精卵が順調に育つかの研究は今後の課題みたいですよ。
そっか。妊娠したら(受精そのものには問題がなかったらしいので)、胎児が育つまでしばらく外側の衛星に避難すればいいわけですね。それか、人工重力の備わっているシップの中で過ごすか(水や空気を調達するために衛星間を飛ぶことになるので)。
いずれにせよ四分の一よりは確率は大きいわけで、ゼロではないのですから、レイがイオで生を受けたという設定を変える必要はないです。
その頃には低重力や無重力の場所でも妊娠、出産できる技術が開発されてるでしょうから、心配することないと思いますよ。
そう、例えば、受精卵はタンブルドライの乾燥機のような機械の中で、遠心力で振り回されながら分裂していく、というのはどうでしょう。
車輪のスポークの先端にそれぞれ人口子宮がついていて、両親たちはぐるぐる回るのを見ているとか。
悠希さん、いらっしゃいませ。もしかして、このブログでコメントは初めてでしょうか。ありがとうございます!
今から科学者たちには頑張ってもらって、ぜひ23世紀までには、この問題を解決してほしいものです。
本格的な移民が始まる宇宙ステーションや月・火星には、人工重力がそなわるので問題ないのですが、問題は、イオのような辺境衛星です。コンパクトな遠心力発生装置は良いアイディアです。遊園地の乗り物みたいに、両親もいっしょにぐるぐる回るというのは…無理ですね(笑)。
人工子宮は、4、5年前から研究されていると聞きましたが、実用化されたという話はありませんね。やはり倫理的な問題がからむのでしょうか。
うん、技術の問題で無く、安全性(とそれにからむ倫理)の問題だと思うんですよ。どういう奇形が出て来るか分かりませんからね。重力の影響はそのくらい重いものですよ(それは最新の記事以前に知られていた事だし)。そして差別は23世紀になってもなくならないでしょう。となれば。はやり、余程の緊急事態(母体の危機とか)でなければ、人は自然な方法を望むと思うのですよ。
倫理性の問題は、非常に大きいですね。たぶんそのために人工子宮も猛反対が起きて、研究が進まないでしょう。
23世紀も差別はなくならないというのは、悲しいけど事実でしょうね。
「宇宙で生まれる」というと、ニュータイプなどの精神的特殊能力を思い浮かべますが、奇形や肉体の変化(筋肉が発達しない)というのは、まず想定される事態です。
まあ、でも女将さんのSFとかファンタージーの強みって、技術や魔法が凄いぞみたいな夢物語でなく、それに絡む倫理の問題を真面目に記述しているところだから、重力の話も頭は痛いだろうけど上手く処理する事を願いますよ。
栗写真もそうですよね(ま、どうやら着地点が見えて来たみたいけど)。
というか、そのあたりを書けるからこそのSFやファンタジーだと思います。現代が舞台だと、人間の尊厳や罪、生や死の問題は書きにくい。空想の世界を借りてなら、大上段にふりかざすことなく描ける。まあ、凄い技術や魔法が書けないっていうのもありますけど(笑)。
クリフォトの着地点ってどこですか。私が見えてないんですけど(おい)。