先週の金・土曜と、兵庫県の城崎温泉に行ってきました。
阪神間の住人にとっては、温泉として一番身近なのは有馬温泉ですが、ちょっと身近すぎるキライがあります。県内で、多少は旅情も味わいたいとなると、湯村温泉か城崎温泉なのですね。
以前、「EWEN」の「なりきり! オリキャラさんに百も質問」という企画で、円香が「もし百万円あったら何に使いますか」という質問に「ぱ―っと城崎にでも、温泉旅行に行きたい」と答えていましたが、それと似たようなバブリーな状況が、わが家にも起こりまして。まあ、長生きはするもんだ。
というわけで、私にとっては生まれてはじめての城崎に、夫と義父母と一緒にでかけました。
目的は、温泉とカニ。カニ漁は、今年は11月6日が解禁で、まさにこの時期がタイムリーだったわけです。
まずは、JR宝塚駅から「北近畿7号」での二時間半の旅。残念ながら駅弁は車内では売っていないので、デパートで四人分の弁当を買い込みました。
階段やエスカレータもダメな義父母を連れての旅は、はじめから終わりまでエレベータを捜す旅でもありました。幸い、宝塚駅も城崎温泉駅もエレベータが完備していましたが、駅のエレベータって、どうしてホームの端にあるのでしょう。歩くだけでも一苦労です。
城崎に到着し、旅館組合の出してくれる巡回バスで、予約しておいた「千年の湯・権左衛門」という変わったネーミングの旅館へ。
実はここは、「古まん」という旅館の別館なのですが、「古まん」はなんと、「日本で創業がもっとも古い老舗の第三位」というお宿なのです。参考資料はこちら。
創業717年ですから、「千年の湯」というネーミングは、誇張でも何でもないんですね。ただし、その古い老舗旅館の新館の、そのまた新館のほうに泊まりましたから、古さを味わうという意味では中途半端(笑)。新館のほうは木の香りも新しく、内装はとてもきれいですが、廊下はちょっとワンルームマンションみたいな印象でした。
それでも新館二階には、和風ベッドが備わった部屋があり、一階の露天風呂付きの特別室もあり、本館にはエレベータもあるという、足の悪い義父母のために願ってもない条件がそろっています。立地条件も、城崎のシンボルともいえる柳並木の川沿い。外湯めぐりの散策が城崎の大きな楽しみのひとつですので、その意味でも最高のロケーションでした。
ここに泊まると、「古まん」の湯も自由に使うことができます(残念ながら時間がなくて行けませんでしたが)。
仲居さんも元気で愛想がよく、老人の扱いがうまく(笑)、家族的な雰囲気で過ごすことができました。
今回の旅行の目的は、去年、大腸がんの手術をして人工肛門になってしまった義父の入浴リハビリの意味もありました。
実は義父はこの一年、まったく湯船に入っていなかったのです。袋から便がもれ、浴槽が汚れたら大変だと言い張って、寒い冬でもシャワーしか浴びなかったのです。
でも、さすがに義父も内心は、ゆっくりと風呂につかりたいと思っているはず。二度目の冬を前にして、ぜひ湯船につかる習慣を取り戻してもらいたいと、お世話になっているストマ外来の看護師さんや訪問看護師さんに、ノウハウを聞いたり、励ましてもらいました。
ちゃんと、お風呂専用の目立たない袋もあるし、肌色の接着パッドもあるのですね。
その甲斐あって、最初の晩は部屋の露天風呂の浴槽に、二日目の朝は大浴場に入ることができました。
これで、この冬は家のお風呂に入ってくれるといいなあ。今のところは、またシャワーだけに戻ってしまいましたが。
さて、肝心のカニ尽くし料理はこんな感じです。私的ヒットは、カニの酢の物の小鉢。カニみそが下に敷いてあって、しみじみと美味でした。言うまでもなく、かにすきの最後のカニ雑炊が最高。
しかしカニ料理は、食事中の会話がはずみませんね。みんな、カニをほじくるのに必死で(笑)。
この続きは、また明日掲載します。