今日の教会の聖日礼拝では、トランペットの特別賛美がありました。私はその伴奏をお手伝い。
曲目は、「Nobody knows the Trouble I’ve Seen」と「Just A Closer Walk With Thee」。ニグロ・スピリチュアル(黒人霊歌)と呼ばれるジャズ・アレンジの曲です。
最初の曲は、トランペットの独奏で始まるのですが、トランペット奏者に、グランドピアノの一番右側のペダル(ダンパーペダル)を踏んでいてほしいと頼まれました。
ピアノのペダルを踏みっぱなしにしていると、トランペットの音の余韻が深まるというのです。
練習のときは、その意味がよくわからなかったのですが、いよいよ礼拝。静まり返った礼拝堂の中で、トランペットが演奏を始めると、鳥肌がたちました。
私は鍵盤を何も弾いていないのに、ピアノの弦が鳴り始めたのです。
ダンパーペダルを踏むことによって、ピアノの開放された弦がトランペットの音に共鳴を始めたのですね。
会衆のところに、その音がはっきり届いたかどうかわかりません。もしかすると、それは奏者にしか聞こえない残響だったのかもしれません。でも短い時間ですが、ふたつの楽器の共鳴とともに、ふたりの奏者の気持ちはひとつになっていたと思います。
この瞬間に居合わせたことの幸せを思いました。
自分の人生もこうでありたい。
懸命に生きている人のそばで、ペダルを踏み続けている者でありたい。その人に共鳴し、静かにその残響を返していく人生でありたい。
そんなことを今日は考えました。