気がつけば、9月も半分が過ぎ、アルファポリスの「第三回ファンタジー小説大賞」も後半戦に突入しました。
今回もできるだけ参加作品を読みたいと思っているのですが、なにせ膨大な作品数。しかも、ファンタジーはやはり強く、最初から順番に読んでいては、SFにたどりつくのは至難の業です。
そこで、心を鬼にして、R18・R15作品は除外することにしました(本当はいくつか読んでいるのですが)。
第一回は、まず1ページめから始めていきます。R作品を除外したためか、ページ後半におすすめが集中しています(順不同)。
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太字の【内容】は紹介文原文のままです。
「紡ぎ唄のように - Spinnerlied genannt」 Hisarouta ファンタジー 長編 連載中
【内容】『不遇なお針子』と『不運な騎士』 紡ぎ唄のように連綿と続く彼女と彼の絆の物語。
まだ序盤しか拝読していませんが、ヒロインが魔法のカフスを作る仕事の描写に、一気に引きこまれました。全体に文章が丁寧で、雰囲気も落ち着いて、世界観が豊富な資料に裏打ちされていることがわかります。超自然的な守護者的な存在も登場し、ファンタジー要素も十分。しっとりと異世界を堪能したい方におすすめ。
「激烈出稼ぎ娘」 種子島やつき ファンタジー 長編 連載中
【内容】男装の猫耳少女、ラーニャは家族のために王都で出稼ぎ中。追われている少年を助けたことで、彼女の出稼ぎ生活は妙な方向に。
少年マンガ的な軽快さが楽しい王宮ものです。情景描写やアクションシーンも、ほどよい量の文章で的確に描写してあり、読みやすい。なによりヒロインが元気いっぱいで魅力的です。恋愛模様も意外性があって新鮮でした。
「海賊紳士同盟」 美凪 ファンタジー 長編 連載中
【内容】姫の身代わりとして海に落ち、女子禁制の海賊船に拾われた少女・白雪。船長アレクに「男のフリをしろ」と命じられるが…。
大航海時代を彷彿とさせる異世界を舞台にした「東洋 meets 西洋」の海洋冒険もの。海の男たちの日常や船の描写も本格的です。かっこいい男や美少年がよりどりみどりの逆ハー風味ですが、個人的にはやっぱり船長のアレクがお気に入りです。
「青の魔術師」 洸海 ファンタジー 長編 完結
【内容】青髪&無性ながら、他は全く平凡十人並のヘタレ魔術師カゼス。事故で時空を飛ばされ、伝説の大魔術師の役割を担うはめに…。
昔なら、こういう時空移動のお話は「SF」に分類されたのでしょうね。世界観のしっかりした、骨太の壮大なファンタジーです。性別を持たない主人公の複雑な内面が、細やかに描かれて好感が持てます。周辺キャラも個性があって魅力的です。
「勇者の優雅なリタイア生活」 眉村みこ ファンタジー 長編 連載中
【内容】魔王を倒して勇者をリタイアした少年の悠々自適の生活を描いたお話。お気楽なローファンタジーです。毎日更新中。
RPG風世界を舞台とした、怒涛のノンストップギャグなので、読み手をかなり選ぶかもしれません。昔「魔方陣グルグル」系のマンガが好きだった私は、とても楽しみました。
「賢者様の仲人事情」 冴條玲 ファンタジー 長編 完結
【内容】男装の姫君と死霊術師皇子のふつうの恋。
誰でも名前を知っている老舗サイトさまの作品。最初は軽いノリツッコミの作品だと思って読んでいたのですが、中盤からガラリと雰囲気が変わり、死をテーマにしたシリアスで息詰まるような展開に。皇子のヤンデレぶりが圧巻です。一粒で二度おいしい、不思議な味わいでした。
「聖女と騎士のはなし」 boku ファンタジー 短編 連載中
【内容】聖剣の主たる村娘と若き堅物騎士、二人を取り巻く日常と波瀾万丈は。ほのぼの、時々まじめな一話読み切り型短編集です。
魔族と人間の戦いが続く世界に現われた、ジャンヌ・ダルク風のお話。地の文と会話が中世らしい古風さを持ち、それでいて読みやすく、しっとりとした赴きがあります。展開がゆっくりめなので、時間のあるときに噛みしめながら味わって読むのに適しています。
「太陽と月の終わらない恋の歌」 Jules ファンタジー 長編 連載中
【内容】商業都市ルザーンの夜を駆ける義賊、『黒の怪盗』と、彼に拾われた少女マノンが繰り広げる、年の差プラトニック純愛活劇。
「光源氏・紫の上」風の夢あふれる洋風FT。相互リンク先さまのJulesさんの作品です。主人公の恋人たちにかなりの歳の差があるのですが、主人公の生い立ちを読んでいくうちに、彼のヒロインに寄せるせつないまでの想いに打たれます。