まずは、昨日の産経新聞のネットニュースから。
放射線のポケット線量計、在庫足りない 福島の教育現場に行き渡るか
4月23日(土)21時9分
http://news.goo.ne.jp/topstories/business/428/ec987c053cfa0291a19c6359d3aa9d26.html?fr=RSS
東京電力福島第1原発の事故で、空気中の放射線量を計測するポケット線量計の需要が高まり、メーカーでは品薄状態が続いている。事故の影響で、放射線にかかわる業界や公的機関だけでなく、一般の購入希望者が増えたためだ。文部科学省は、事故で大きな影響を受けている福島県内の学校に配ることを計画しているが、メーカーの増産が追いつかない可能性もあり、鈴木寛副大臣は「福島のために優先的に使いたい。むやみに買い求めないでほしい」と呼びかけている。
(中略)
これを危惧するのが文科省。福島県内の小中学校などに1700個を配布する予定で、平成23年度補正予算案に6000万円を計上しているからだ。予算案が通過しても、線量計がない事態も予想される。
先日の山仙さんからの情報によると、ロシアの株式会社Kaspersky Labs Japanからガイガーカウンター五千台寄付の申し出があるのですが、事態が事態だけに、こちらにも『文科省優先でやってほしい』と日本大使館を通じて申し入れているそうです。
なので、こちらのプロジェクトに回ってくる線量計は、やはり相変わらず目途が立ちません。
下のコメント欄にもあるとおり、福島県内のNPO法人の方も計測作業を申し出てくださり、そのほかにもオンライン小説家さんルートの伝手で、参加希望者が名乗りをあげてくださいました。
ただ、線量計が足りないのです。
最近は秋葉原に再入荷してますが、最低で7万円と、とても被災地の皆様が自腹で買えるような値段ではありません。もし、東京圏その他の地域で線量計をお持ちの方。しばらく貸していただくわけにはいきませんか。
ぜひ、お知り合いに呼びかけをお願いします。
そのほかの情報をいくつか。
☆放射能が市内でも非一様に分布している。一般に海風に面する丘の、しかも森が危ない(葉っぱにダストが溜まるから)という事は現地調査で確認されています。なので、北西部(福島市内を含む)の生徒さんは、部活や登下校で森の多いルート、東斜面、南斜面の多いルートは避けるべきです。これだけで放射線量が半分以下になります。
☆中学や高校では、『線量計の測り方、その誤差の知り方、データを携帯やパソコン経由で(手打ちでも良い)研究所に送る方法』などの特別授業を、理科か技術の時間にやって欲しい。
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4/29 山仙さんからの経過報告です。
「ロシアの会社の提供は月々500台のようです(生産能力による)。手を挙げているのいくつかの自治体、配送会社、などで、優先順位は政府、自治体、となっています。文科省には手を挙げるように進言したので(10日前)、恐らく文科省が手に入れていると思います。
プロジェクトを始めようとしたのは、政府の動きが鈍かったからで、政府にその動きがあるのなら、それを手助けするのが正しいというのが僕の考えです。その意味で、文科省が線量計を配るというのは(まだ予定であって既に配った訳ではありませんが)朗報で、もしも政府がちゃんとやるのなら、この文部省の線量計でネットワークを作るのがベストです。なので科学者達はそっちをどうにかする方向に動いていてます。ただ、プロジェクト(科学者とは別組織です)のページがスタンバイになっているのは、文科省がデータのリアルタイム収集までやるのか(そういう機能を持った線量計を渡すのか)不明だからです。
あと、政府でマトモに動いているのは文科省だけで、保育所や身障者施設を統括している厚労省は、現在の避難者対策で手一杯で、保育所や身障者施に線量計を配る余力はありません。ですから、発信機能のない線量計であっても、そういう施設に寄付するというのは、個人で大いにやって欲しいと思います。他にも
http://manabishien.mext.go.jp/
で何を支援するべきかが書かれています。昨日、辞書が足りないという話があったかと思ったら、それは今日解決されていたという具合に日々変わっています。
状況が目まぐるしく変わっているため、プロジェクトの方もスタンバイのままです。皆さんにも『何やってんだか分からない』という風に見えるかも知れませんが、お見捨てのないようにお願いします。