「にっぽん丸」に乗って、いよいよ屋久島に着きました。
宮之浦港に入港したのは、朝10時。昼食後、オプショナルツアーの半日バス見学ツアーに行ってきました。
ウミガメの産卵地で有名な永田いなか浜の砂浜を歩き、次に志戸子ガジュマル園に入り、鬱蒼と茂るガジュマルの森を歩いているとき、折悪しくスコールに見舞われました。ガジュマルの大木の枝葉でさえ突き抜けてしまう滝のような大雨。あわててバスに戻ると小降りになりました。やはり南の島の天候はとても変わりやすいです。
ガジュマル園にて
そのあと屋久島環境文化村センターを見学しました。ここでは、説明や展示、大型映像などで、屋久島の地形について学ぶことができます。
屋久島は丸い形をした島です。その中央に標高1936メートルの宮之浦岳を中心にとして800メートル級の山々が連なり、「洋上のアルプス」と呼ばれているそうです。この1936メートルというのは、九州の最高峰にあたるそう。そんな高い山が小さな南国の島にそびえ立っているのです。
当然、気候は上に登るとどんどん変わります。屋久島の中には亜熱帯から亜寒帯までの気候帯が存在します。つまりひとつの島の中に日本列島まるごとが縮図となって存在するようなものですね。
さて、その次の日は幸運なことに、朝から雲ひとつない快晴。6月の屋久島にしては珍しいことだそうです。
ところが船のデッキから眺めていると、朝はぴっかぴかに晴れていたのに、山頂に少しずつ白い雲が集まってくるのがわかりました。海からの水蒸気が山を駆け上って冷やされていくのでしょう。まるで綿あめの機械のように、雲ができていきます。
さて二日目のオプショナルツアーは、一番楽しみにしていた「白谷雲水峡・半日トレッキング」。一番希望の「苔むす森」へは行けませんでしたが、「弥生杉」は1時間ちょっとの短いコースなので、むしろ初心者の私にはよかったかもしれません。
晴れていたことも幸いして、半そで長ズボンの軽装。靴はすべりにくい登山用の靴を持参しました。
弥生杉周辺は木道も完備していますが、濡れた岩を踏んで登り降りする場所もあり、やはり靴は良いのを履いたほうがよさそうです。それに汗をかいたあとじっとしていると、体が冷えてくるので、長そでの上着も持っていったほうが無難かもしれません。雨ならばなおさら装備は厳重に。
登山口からスタート。左手に川や吊り橋を見ながらまっすぐ登り、まず二代大杉を訪れてから少し戻り、弥生杉のコースに入ります。
屋久杉と呼べるのは、樹齢千年を超えるものに限られるそうで、それより若いものは小杉、さらに若く、植林されたものは地杉などと呼ばれるそうです。
二代大杉は初代の木が折れた切り株に発芽した種子が生育した二代杉だそうで、初代の木の大きなうろが、まるでトトロの住処のようです。
まさに聖書にあるとおりです。
「木には望みがある。たとい切られても、また芽をだし、その若枝は絶えることがない。」(ヨブ記14章7ー9節)
遊歩道沿いには、苔むした樹木の幹や斜面の岩が美しく、幻想的な光景が続きます。
弥生杉はなんと、樹齢3千年。まさしく日本は弥生時代だったのですね。屋久島のように、温暖な気候と雨に恵まれたこと、また島の人々が畏敬の念を持って、巨木を大切に守っていたからこそ、このような長寿を保つことができたのでしょうね。
昨年の台風で倒れた樹木がここそこに見られました。斜面に生えて、幹が斜めに伸びていく木も見ました。不思議なことに、まっすぐに立っているとツルツルしている幹も、倒れたまま生育すると、筋肉ムキムキのマッチョ(笑)になるそうです。これも自然の妙ですね。