去年の暮れ、当サイトは悪意ある攻撃にさらされ、マルウェアをしこまれてしまいました。
このブログを更新しようとしても、入ることができない。調べると、まったく覚えのないファイル名がたくさんあったのです。かたっぱしから削除し終えたところ、当サイトがお世話になっている有料サーバーからメールがあり、マルウェアから大量メールが発信されているので、全部を削除します、とのこと。寝耳に水の状況に、私もあわてふためきました。
原因は、FTPソフトのマスターパスワードを変えていなかったこと、そこから侵入されたのだと言われました。さっそく変更し、即日の全ファイルの削除を泣く泣く了解しました。これくらい徹底して対応してくれるサーバーなら、逆にとても安心です。幸い、更新のないサイトでしたし、ブログはバックアップを取っていたので、サイト全消失という最悪の事態は避けることができました。
ところが、どうしても復元できない場所がふたつあったのです。それが、サイトトップの「更新情報」とメール返信に使っている「BBS」。
なんと、5年ほど前にバックアップを取ったきりで、そのあいだの情報がすべて消え失せてしまったのです。海よりも深く自分の迂闊さを恥じること、しばし。
しかしです。救いの手ならぬ、救いのツールがあったのです。それが今回ご紹介する「Wayback Machine」。はあ。やっと本題に入った。前置き長いよ、我ながら。
「Wayback Machine」とはなにか。例によってウィキペディアを引用すると、
ウェイバックマシン(Wayback Machine)は、インターネット上のWorld Wide Webやその他情報を扱うデジタルアーカイブ。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにある非営利団体のインターネットアーカイブが2001年にサービスを開始した。
つまり、2001年から現在まで全世界のWWW情報を集めて見せてくれるというすぐれものなのです。当サイトは2002年スタートしていますので、まさにバッチリではないですか!
さっそく検索しました。検索には、サイトのURLを打ち込みます。
こんな具合に出てきます。カレンダーの青丸印がデータがある場所なので、そこをクリックすると……
なつかしい! このトップが一番長く使っていたテンプレートです。
更新情報も見えています。このときは「月の戦士」第11章を連載していたんですね。残念ながら、ここからCGIの復元はできないけれど、更新情報は見られるので、アーカイブをつないでいくと、2時間ほどで全部のデータを収集し、復元することができました。
同じ要領で、BBSのほうもかなり復元することができました。これは、全部で2日ほどかかりました。ただ、近年こちらのサイトの更新頻度が少なかったせいか、この1年はウェイバックマシーンも収集がなく、最新のBBSに関しては取りこぼしているものがいくつかあると思います。去年感想を寄せてくださった方には、申し訳ありません。
さて、ここからは完全に余談なのですが、どれくらい昔まで当サイトがさかのぼれるか挑戦してみました。
butapenn.comの前、2007年まではpinkyという無料サーバーでお世話になっていました。その前、つまり2002年のスタートから2003年11月までは、ジオシティーズという無料サイトでした。
さて、pinkyのアドレスを打ち込むと……
こんなんでしたかー! 2004年、「夜叉往来」の連載中だったんですね。「毎日書かないダイアリー」っていうのを覗いでみると……
こんなんでした。まだまだマメに発信していたんですなあ。
さらにさかのぼれるか。ジオシティーまで行けるか……と意気込んでいたら、なんとジオ時代のアドレスを忘れてしまった!! これでは探すことができません。
それでもあきらめきれない私。意外なところから情報をゲットしました。
それは、当時私たち物書きにとって大切な、「楽園」という巨大小説登録サイトさまでした。
そのデータを探し出したところ、当サイトの「EWEN」を登録したページを発見(しかも、なんと、nyansukeさんの名作「氷の楼閣」が同じページじゃありませんか! 投票数すごいなあ)
このリンクをたどって、とうとう開設当時の当サイトの姿にたどりつきました。
最後はみなさんにとっては全く興味のない話になってしまいましたが、この20年間私の駆け抜けた青春(え?)、ならびに個人小説サイトの歴史の一部をご紹介できて、楽しかったです。
あのテンプレート、憶えています! 懐かしいですねぇ……。
実は私、WEBで小説を公開し始めて数年間は書くのに忙しくて、ほぼほぼサイト引きこもりだったんですが、ふと他の小説サイトも見てみようと思い立った2010年、ギャラクシーシリーズに出会ってBUTAPENNさんのファンになったのでした。オンライン文化祭に参加したのも、「BUTAPENNさんが参加するなら、きっと楽しいはず!」と思ったからという……って、油断するとすぐに自分語りしてしまうのほんとすみません。
pinky時代は知りませんでしたが、キリバンの文字を見てあの頃を噛み締めてしまいました……。そうそう、皆こんな感じでしたよね! NNとOperaのチェックをしておられるのも、「さすが!」って思いました。ブラウザによって表示が変わってあわあわしたのもいい思い出……。
また数年後には、「あの頃は……」って今を振り返る時が来るんでしょうね。
興味深いお話をありがとうございました!
GBさん、食いついてくれたーーっ!
コメントありがとうございます。実は私も、自分が書くことが忙しくて楽しくて、人の小説を読むことはしていませんでした。その楽しさを知ったのは、やはり少し経ってからです。GBさんとは、ギャラクシーシリーズからのお付き合いだったんですよね……ありがたいです。
キリバンを踏んでくださった方のリクエストに応えるなんて、本当に古き良き時代でした。でも、そこからいくつもの小説が生まれました。サイトの双方向性が一番輝いていた時代だったかもしれません。オンライン文化祭とか、今はあるのかな。私が知らないだけなのかな。
OperaやNNのチェックだなんて、やっていたんですよね。我ながら驚きです。今となっては、もう絶対無理です。プラットフォームが増えすぎて、あきらめました。