インフルエンザでしまなみ海道ドライブ旅行に同行できなかった義妹から、山歩きのお誘いが来ました。
阪神間に住む者にとっては、山歩きの入門編として有名な「芦屋ロックガーデン」、今回はロックガーデンに向かう道を途中で反れて、マイナーなコースに挑戦することになりました。マイナーとは言え、充実度は折り紙つきです。
芦屋市のHPから「案内マップ」をダウンロードしてきました。見づらいですが、これの5番コース、水色の線が私たちのたどった「No.5 鷹尾山・荒地山コース」です。
集合は、阪急芦屋川駅。連休中ということで、駅前はハイカーたちでごったがえしていました。そこから芦屋の高級住宅を愛でながら、川に沿って登ります。
山と海にはさまれ、平地がとても少ない神戸市周辺は、山が切り拓かれた見晴らしの良い土地に高級住宅街が広がっています。だから、住宅街を歩いていると、ひょいと登山道が始まっている。散歩しているとイノシシにばったり会ったりするのも、そのためなのです。
ロックガーデンに行く人の群れに混じって歩くと、「城山・荒地山登山口」の標識があるので、それに従って進みます。こちらに来る人はあまりおらず、静かなトレッキングが楽しめます。
最初の目的地は、鷹尾山です。
鷹尾山(たかおやま)は兵庫県芦屋市奥山にある六甲山系の標高272mの山。頂上付近に戦国時代に築城された鷹尾城の城跡があるため城山(しろやま)とも呼ばれる。
ウィキペディアより
と言っても、城跡らしきものは何もなく、「城山(鷹尾城跡)」という看板と、サンテレビのアンテナ塔が建っているだけです。この日はとても天気が良く、瀬戸内海や大阪の南のほうまでずっと見渡せました。
ただし、花の季節なのでハチがやたらに多く、ところどころに笹の群生地や鉄塔のある開けた場所があると、必ず行く手にホバリングして現われ、思い切り睨みつけてくる(笑)のには困りました。
長そで帽子などの服装はもちろん、虫よけも必需品ですね。
それと、このコースは、軍手はかかせません。荒地山に近づくにつれ、岩場を登ることが多くなってきました。
そして、最大の難関「岩梯子」。なんと垂直の岩場を登る場所があるのです。三点支持という言葉は知っていても、実際にやったのは65年の人生で初めてでした。
やっと登り切ったと思ったら、今度は新七右衛門嵓(いわ)。
かなり狭い穴をくぐるので、リュックサックは同行者に持ってもらったほうがよいかもしれません。
ここには、怖い言い伝えがあります。
かつて七右衛門(しちえもん)という純真な若者が居た。兄のように慕う友に裏切られたため、世をすねて荒んだ生活となった。そしてついには盗人となり、有馬へ向かう山越えの行商人を襲うようになった。荒地山には石の宝殿の権現が住んでいるという伝説があり、悪事を働くと荒地山に迷い込んで神罰を受けると信じられていた。ある日姿が見えなくなった七右衛門を探しに、村人が荒地山に登ったところ、岩穴で頭をくじかれて死んでいる七右衛門を発見した。この伝説により、荒地山にある洞門を七右衛門嵓と呼ぶようになったといわれている。
なお、1995年の阪神・淡路大震災で七右衛門の一部が崩れたため、現在の洞穴は新七右衛門嵓と呼ばれている。
ウィキペディアより
この難所を越えても、しばらくは巨大な岩がごろごろしています。テーブルロックもいくつかあり、絶景でした。とっても人に慣れた猫たちが住み着いて、日向ぼっこしていました。
ようやく荒地山の頂上に到着。と言っても、木に囲まれた広場という風情で眺望はありません。
8時に出発して、まだ10時半。お弁当を食べる場所を求めて、先に進むことにしました。
六甲山には、登山コースごとに標識が立っていて、安心して進める(ときどき不安になることもありますが)のですが、その標識に、「六甲山119番通報プレート」というものが貼ってあるのを見かけます。
「六甲山119番つうほうプレートめぐり」よりお借りしました
プレートにそれぞれ位置記号が書いてあり、通報するときはその記号を伝えればよいのです。芦屋市のプレートは救急車の絵がかわいいですね。
黒越谷から芦屋ゲートまでは、源流に沿って下っていったので、地面がじゅくじゅくで歩きにくかったのですが、木漏れ日と川のせせらぎで、心が癒されます。でも、お弁当を食べる場所がなく、結局、芦有ドライブウェイ近くのゴルフ場行きの舗装道路に出てしまい、道路わきに座っておにぎりを食べるハメになりました。
芦有ドライブウェイ沿いには、きれいな滝があります。弁天滝という名前だそうです。でも降りていく場所がなくて、上から覗くだけ。
新芦屋市長、なんとかルートを作ってください。
芦屋ゲート近くのバス停からは、1時間に1~3本の割合でバスが出ています。芦屋川でケーキを食べて、カロルのアップルパイを買って帰ってきました。これじゃ痩せないわ。