近畿は、このところ雨続きの毎日です。やんだかなと思って外に出ると、どわっと降られる。傘なんぞ、役に立ちません。まさに亜熱帯のシャワーです。
さて、8月は何かと忙しく、読書は4冊という有様。
だからというわけではないのですが、このところ、私のリンクさせていただいているネット小説家のお仲間たちが、次々と出版なさっていますので、遅ればせながら、その宣伝をしたいと思います。
まず、新しいところから挙げると、「星宿海」の篠原悠希さんの、「第四回野性時代フロンティア文学賞」受賞作「天涯の楽土」が角川書店より刊行されました。
いやあ、もう楽しみです。書店に行って「わあ、これ今話題の本だ」とかなんとか叫びながら、買おうと思ってます。かえって怪しいか。
ミルキーポピンズ(PN 上月美青)さんは、電子書籍でロマンス小説を何作も出版しておられますが、このたび「コッツウォルズの春」がコミカライズされて、「甘く残酷な結婚」というタイトルで、ロマンスコミックスから出版されました。
sleepdog(PN 青砥十)さんは、「後輩書記シリーズ」で一大ブームを巻き起こし、「ゆるふわ妖怪作家」としての人気を不動のものにしておられますが、シリーズ最新作がこれです。
公式サイトはもちろん、ドラマCD、オリジナルグッズと多方面に展開中です。
そして、もちろん忘れてはならないのが、葉嶋ナノハさんの、「金曜日はピアノ」。
しっとりした雨の日に思い出して、読み返したくなるような名作です。まだの方はぜひぜひ。
さて、肝心のタイトル「読書メーター8月」分ですが、折りたたんでおきましたので、どうぞ、興味のある方は「続き」をクリックしてください。
2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1456ページ
オスティア物語―古代ローマの謎ときアドベンチャーの感想
「古代ローマの謎ときアドベンチャー」という副題どおり、ローマ近郊の港町オスティアに住む少年少女たちが、なくなった指輪や犬殺しの犯人を追うという筋立て。 フレスコ画の図柄などの風物は、実際に発掘された遺跡に基づいているのだろう。奴隷やユダヤ人、キリスト教信者の迫害など時代の背景も描きつつ、古代ローマ生活の雰囲気にひたらせてくれる。「ローマンミステリー」と題するシリーズの第一作で、続巻は火山の噴火で壊滅したポンペイが舞台になるらしいのだが、ぜひこちらも翻訳してほしい。
読了日:8月9日 著者:キャロラインローレンス
プリズムの感想
自分自身も小説のテーマにしたことがあるから、解離性同一性障害についてよく調べてあることがわかる。ただ、事例を具現化しただけで終わってしまった感があって、残念。ヒロインの精神の均衡が崩れていく過程がいやらしく、むしろ怖かった。「普通の人間のほうこそ、よほど多重人格かもしれない」という台詞がいい。
読了日:8月12日 著者:百田尚樹
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)の感想
12世紀欧州を舞台とした、魔術、不死人、なんでもありのファンタジー世界での殺人ミステリ。牢獄の脱出トリックにしても、これは反則だろというシロモノだが、不思議ともやもやしない。しっかりと構築された世界観と、徹底した理詰めの推理があればこその納得の結末。刑事役のファルクとニコラの師弟愛がいい。
読了日:8月17日 著者:米澤穂信
天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)の感想
時代がくるくる変わっても、前作キャラの祖先や子孫が入り乱れているから、同じ俳優たちが何度も登場して演じているようで、ほっこりした心地になる。スペオペの本領発揮の艦隊戦に、萌え映像満載の白兵戦にお腹いっぱい。ラストで、シリーズの謎の一端が見えてきた。
読了日:8月27日 著者:小川一水
読書メーター