ヤフーメールに毎日大量に送られてくるスパムメール。私の場合は、1週間覗かないと50件くらい溜まっているのですが、みなさんもそれくらいでしょうか。
今はまったく使ってないので、ときどき覗いては、迷惑メールフィルターに入っているジャンクメールを開けることもせず、さくっとゴミ箱に放り込むことがほとんどです。
以前聞いた話では、下手に開けると、中にこっそり仕込まれた1バイトの画像が読み取られたことを感知して、もっと大量のスパムが来ると言いますし、第一、十年一日で何の工夫のないタイトルがほとんど。たとえ私が男性でも、あれでひっかかるとは思えないのですが……。
ところが、今日届いていたメールは、なかなかユニークでした。
削除してしまったので、今ははっきりと正確なタイトルを確かめることができませんが、「住職をしていたパキスタン人の彼が帰国してしまって……」というもの。
み、見たい(笑)。誘惑をおさえることができず、思わずクリックしてしまいました。
内容は、日本で住職をしていたパキスタン人の彼が前衛的な葬儀を行なったところ、突拍子もないBGMを流したために遺族の抗議を受け、それに腹を立てて国に帰ってしまったこと。
結局は恋人がいなくなって寂しいので、お友だちになって……というありきたりな結論でしたが。
人口の97%がイスラム教徒、仏教徒は統計にさえ表れないほど限りなく少数のはずのパキスタン人の男性が、何故日本で仏教の住職をしているのか。
普通なら絶対にありえない設定。もしや、なにかそこに壮大な人生のドラマが隠れているのか。
と、もし受取人の想像力を掻き立てクリックさせることを目的としているのなら、このスパムはすごいと思いました。
しかし、文面を見ているかぎり、どうもそこまでは考えていなかったようです。アジア人なら仏教徒、と短絡的な図式でこの文面を作ったとしたら、きっとこの発信人は今流行りの履修不足で、高校で世界史も地理も習わずに卒業証書をもらったのでしょう。
どちらにせよ見る価値のないものでした。読者のみなさんは、今後このタイトルを見ても絶対にクリックしないように。
話は変わりますが、必修である歴史・地理、あるいは家庭科などの授業を受けさせてもらえず、卒業に必要な単位のために補習を受けたりレポートを提出しなければならない高校生が、公立高校だけで全国に4万7千人いると言われています。
確かに入試直前のこの時期に補習を受けるというのは大変なことであり、政府・与党の打ち出した寛大な救済措置を、高校生たちが一様に歓迎するのも無理からぬことです。
けれど、人生においてもっとも重要な知識のひとつである歴史と地理(もちろん保健体育や家庭科も重要です)を学ぶ機会を失い、あるいは軽減されたまま大学に進み、進路によっては、まったく学ばないで社会に出ることになるとしたら、本当にそれでよいのでしょうか。
彼らは学ぶ権利を奪われたのです。そのことをもっと怒る声が聞こえてこないのは、どうしたことでしょうか。履修不足の卒業生は、大学の教養課程や無料講座で歴史・地理などを履修できるようにするなど、文部科学省は追加の対策を講じるべきだと思います。