今日はキリスト教にとっては大事な日です。英語ではGood Friday、日本語では、カトリックなら「聖金曜日」、プロテスタントなら「受難日」と呼ばれる、つまりイエス・キリストが十字架に架かって処刑された日なのです。そしてその二日後の日曜日が、イエスの死からの復活を記念して行われる「復活祭」、つまりイースターです。
ところで、このイースター、厄介なことに年によって日が違うのです。「春分の日以降、最初の満月の次の日曜日」というのが定義なので、4月になったり3月になったりします。3月27日がイースターというのは、ここ数年で見れば早い方で、うちの教会の教会学校で行く早天礼拝も、今年はかなり寒いと思われます。
アメリカでは、おおむねこの木曜から日曜までの四日間が学校の春休みになります。お店も休むところがあるので、注意が必要です。また各地でイースターパレードが行われるので、旅行するならチェックしておいたほうがよいでしょう。
ついでに全くの余談ですが、アメリカの公立小学校では、イースターと言えば卵とひよことウサギがシンボルとして出てきます。キリストのキの字も出てきません。実はアメリカでは公立小学校で宗教について教えてはならないのです。クリスマスも同じで、教室の飾りは「メリークリスマス」のかわりに「ハッピーホリデイズ」が掲げられます。キリスト教国というイメージが強い国だったのに、とても意外でした。
これには多民族国家なりの配慮があるらしいです。近年増えてきた仏教系・イスラム系の移民もさることながら、もっとも大きいのはユダヤ人に対する配慮でしょう。非キリスト教国の日本のほうが平気で「メリークリスマス」と書くだろうなと思います。
……などという話を、高橋京希さんの「ブログコラムス」に月イチで連載していますので、もしよろしかったらお出かけください。
去年、「パッション」という映画が公開されて、その鞭打ちや十字架刑の残虐な描写が話題になりましたが、イエスの本当の死因は肉体的な傷によるものではないそうです。アメリカの医師たちが集まって、聖書の記述をもとに、イエスの死因を特定する試みがありました。ゲッセマネの園で血のしずくのような汗を流したということ。十字架の上で死んだイエスの脇腹を槍で突き刺すと、血と水が出てきたこと。
彼らの結論は、イエスの死因は「極度の精神的苦痛による心臓麻痺」だったそうです。
「しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎のために砕かれた」(イザヤ書53章5節)
この旧約聖書の預言を深く思う日でありたいと思います。