今ちまたで中高生の女の子のあいだでブームを巻き起こしているという「NANA」(矢沢あい著)のコミック1?12を読みました。
息子が、彼女さん(かなあ?)から借りてきたらしいです。たまたまその前の週にテレビの情報番組でこの「NANA現象」を取り上げていたのを見たため、夫と私で飛びついて読みました。
夫にはやはり読みづらかったらしく、数巻読んでギブアップしました。若い女の子の会話を盗み聞きしているような気分になるそうです。それでも夢中になる要素があるのはわかると言っていました。
私はもう、大ハマリ。だって、美形男性ばかりだもん(笑)。
ストーリーは、ナナと奈々という同名の少女ふたりの友情をベースにした、いわゆる芸能界ものなのですが、主人公のひとり奈々(ハチ)がとにかく恋多き女性で、これでもかというくらいベッドシーンが出てきます。これを中高生が普通に読んでいるとしたら、私たちオンライン作家が「どこまで書くことが許されるか」と悩んでいるのがバカらしくなってしまいます。
でも、これだけ無軌道な奈々のことを、不思議に嫌いになれないのです。気持ちが一途できれいだからでしょうか。次々と変わる恋の相手にしろ、「なぜ、ノブと別れるんだーっ。こんなにいいヤツなのに!」と思っていたら、次第に「タクミもやっぱりカッコイイ」となってくるあたりが、作家のさじ加減の上手さなのでしょう。
これだけ恋の場面を書きながら、実は男性たちはあまり重要ではなく、根底に流れているのは女性の友情、そして仲間たちの友情であるらしい点も、年若い少女たちの共感を集めている理由のひとつなのかもしれません。
ときどき挿入される追憶風のモノローグも、青春の尊さとせつなさを感じさせて、ムードを盛り上げています。
そういえば、私も稚拙な芸能界ものを書いたことがありました。もともと女性には、こういう現実には手の届かない世界に酔いしれたいという願望があるのかもしれません。