10月22日にオープンしたばかりの「兵庫県立芸術文化センター」は、大ホール2000席、中ホール800席、小ホール400席余を備えた、コンサート・オペラ・バレエ・演劇などの舞台芸術に適した本格的な劇場施設です。公式サイトはこちら。
阪急・西宮北口駅に隣接し、我が家からも自転車で10分という願ったり叶ったりの好条件。
昨晩は、ここのオープン記念行事の目玉である「ホセ・カレーラス ミサ・クリオージャを歌う」のコンサートに行ってきました。
ホセ・カレーラスは、ドミンゴ、パヴァロッティとともに「世界三大テノール」と呼ばれるオペラ歌手です。
また、「ミサ・クリオージャ」とは「南米のミサ」という意味で、ラミーレスという人が作曲した、アルゼンチンのフォルクローレを素材にしたカトリックのミサ曲だそうです。
ケーナ(笛)、チャランゴ(ギター)、ボンボ(太鼓)といった南米の伝統的民族楽器の伴奏、そしてピアノと合唱を背景に、カレーラスが時には力強く情熱的に、ときには祈りを込めて静かに歌い上げます。ミサ曲の形式にのっとった、「キリエ」「グローリア」「クレド」「サンクトゥス」「アニュス・デイ」の五楽章から成る素朴で土臭い5音階の旋律は、どこか日本の民謡に似ているような気がします。
テノール歌手としては、パヴァロッティのほうが華のある歌い方をしますが、カレーラスの求道的なまでに真摯な姿勢とたぐいまれな歌唱力に、すっかり魅了されました。
最後は2000席満場の総立ちの拍手とともに、6回ほどもアンコールが繰り返されたでしょうか。そのアンコール曲の一曲、日本語の「遠くへ行きたい」は、カレーラスの十八番でもあるそうです。
旦那さまといっしょに、贅沢でステキな時間を過ごすことができました。ドレスアップしたままチャリンコで家路をたどるのが、少し悲しかったですけど。
そのころ、近くの甲子園で阪神が四連敗してロッテが優勝していたなどとは、遠い夢の世界のできごとでした(笑)。