5月21日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット17号機が打ち上げられて、10日以上経ちました。
そのロケットに搭載されていたのが、金星探査機「あかつき」と、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」です。
「IKAROS」とはギリシャ神話では、人工の翼をつけて太陽に近づき落下してしまったという、いかにもいわくありの名前ですが、Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sunの頭文字を取ったものです。
ソーラーセイルと呼ばれる大きな薄膜(一辺14メートル、厚さ7.5μm)に太陽の光の粒子を受けて、太陽電池による発電を行い推進力を得るもので、形は巨大凧ですが、まさに「宇宙ヨット」。
深宇宙で成功すれば、世界初の快挙です。
このソーラーセイルによる発電と高性能イオンエンジンを組み合わせることで、木星系への航海も実現可能になるそうです。
このIKAROSのツイッター「ikaroskun」が今おもしろい。ちいさな少年の口調でユーモアたっぷりに、現在の状況を刻々と伝えてくれます。
そして、アイコンがしょっちゅう変わるんです。スピンの速度を上げていくときは、目を回したり、汗をかいたりと、とても芸が細かい。
イカロスくんウォッチャーの私は、今まで発見した限りのアイコンをコレクションしてみました。
イカロスくん、昨日の時点では地球から約440万キロメートルの位置を飛行中。スピンアップも無事終了し、あとは第一の課題であるセイル展開と薄膜太陽電池発電の瞬間を待っているところです。
発電成功のときはどんなアイコンを見せてくれるのか、今から楽しみです。
参考:JAXAのウェブサイト
これにコメントしない訳にはいかないですねえ。
いや、TERUさんとこでも書いたけど、太陽帆って海洋ニッポンの面目躍如ですよ。
実は人工衛星でも惑星探査でも、まあ、太陽電池用に大きな羽を付けるのですがね、これが太陽光圧を受けて、衛星の姿勢が崩れるんですよ。摩擦の無い真空の中だから、ちょっとした光圧でどんどん姿勢がかわって、そのうち通信用のアンテナが地球に向かなくなるのです。それを制御する為に燃料がいるんですねえ。
それでも太陽電池パネルは衛星に対称に作って、影響を最小限にする訳ですが(かたっぽだけの羽の太陽電池パネルってないでしょ?)、問題は惑星探査用のアンテナ。これがまあ、結構光圧を受けるんです。。
そんな具合で、厄介者の光圧ですが、このミッションでようやく日の目を見たんですね。
おっと、僕はそっちよりも金星天気予報に興味があるわけだけど、、、
コメ期待してました(笑)。ありがとうございます。
宇宙ヨットっていうだけで、心が躍ります。宇宙戦艦ヤ○トもそうだけど、やはり宇宙を「航海」するというイメージがあるんですね。
太陽風と思ってましたが、つまりは太陽の光圧なのですね。これが利用できれば、長期宇宙旅行でもエネルギーに困らないっていうのがすごいです。
金星の天気予報って、「今日は一日硫酸の雲が厚く空を覆うでしょう」って感じですか?
惑星気象学って分野は日本が進んでいるらしいですね。