「伯爵家の秘密キャラ人気投票」へのお礼のための特別企画第五弾です。
今日は第6位のリンド侯爵セルジュ・ダルフォンスが登場します。
ラヴァレ伯爵家にとって宿敵であるプレンヌ公爵の嫡子でありながら、エドゥアールとは奇妙な友情で結ばれ始め、それが票の伸びにも表われたようです。
さて、エドゥアールとの対談はどうなりますか。
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エ「今日は、リンド侯爵セルジュ・ダルフォンスにお越しいただきました。
…このところ、本編でも俺たち、くっついてることが多いよな。あんたの執務室のソファ、仮眠用にけっこう気にいってるんだ」
セ「おまえの長い髪が何本もソファに落ちていた。このあいだ部屋に呼んだ女性に、黒髪の女と付き合ってると勘繰られたぞ」
エ「わっ。俺の髪が落ちてた? ……いろいろと気をつけたほうがよさそうだな」
セ「なぜ?」
エ「若ハゲに用心しようってことさ。兄弟は?」
セ「腹違いの姉が三人いる。わたしの母の前にふたりの正夫人がいたからな。妾腹の兄姉も何人かいるそうだが、数える必要はないし、会ったこともない」
エ「あんたの家名のアルフォンスだけど、プレンヌ公はフレデリク大王の次男なのに、なぜファイエンタールを名乗れないんだ?」
セ「法律にはくわしいくせに、そんなことも知らないのか」
エ「知らないふりして訊くのは、インタビューの常道だろ」
セ「おまえはすべてにおいて、知らぬふりでいるようだがな。詳しくは、本編で説明を入れる。要するに、王位継承問題で骨肉の争いを防ぐために、ファイエンタールを名乗れるのは兄弟の中でひとりに決められたんだ」
エ「それが、新たな骨肉の争いを生んでいるような気もするけどな」
セ「わたしには関係ない。関係あるのは、ファイエンタールが子孫を残せず断絶したときに限り、アルフォンス家から次の王を出すという条項だけだ」
エ「だから、エルヴェ公が王位継承の第一位、あんたが第二位ということになるんだな」
セ「父の六十歳という年齢を考えて、わたしが次代の王と目されている」
エ「なるほど。じゃあそろそろ、コメントを読み上げるか」
セ「貸せ。わたしが読むほうが早い。(コメント用紙をとりあげ、次々とめくる)
「いちばん親近感がもてる」
下層民に親近感を持たれるいわれはない。
「捨て駒にしないでほしいです><」
捨て駒になるのは、こいつのほうだ。
「今は政敵だけど、これから色々あって、親友になるとか?」
ありえん。
「この方とエディの関係が一番楽しみです」
こいつがいなければ、なお楽しいのに。
「これから出番が増えそうな人。活躍期待してます」
活躍は、するに決まっている。
「エドゥアールといるときのセルジュが好き」
わたしの知的レベルが下がるような気がする。
「味方になってくれることを期待しています」
無理だ。
「エドゥアールとセルジュが腹を割って話せる日がくるといいなあ」
そんな日は来ない。
「この人が主役でもいい」
ふっ。唯一まともなコメントだ。作者に嘆願しろ。
――以上だ。終わった」
エ「…あんたって、つくづく、すごい実務家だよな。その能力は、王以外の地位でこそ生かせるような気がするんだけど」
セ「王位継承権すら持っていないおまえに、言われたくない。もう帰るぞ」
エ「あーあ。貴族会議に向けて、また徹夜の日々か」
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ありがとうございます!
井上ひさしの『腹鼓記』の最後に
「物語の原動力は敵役にある』
って書いてありまして、敵役が主人公を乗っ取ってしまうかもしれないぐらいのサド展開というのは、シゴナナ女将さんには一番あっているのではないかと。
、、、っていうか、セルジュがエドにいじめられているかに見える現在の展開は、どっちが主人公か分からないのだけど。
セルジュ好きのおふたり、いらっしゃいませ。
>悠希さん
あの、最後のコメは悠希さん? すっかりセルジュをその気にさせましたよ。本気で主役乗っ取りに出るかも。
>第48代さん
>敵役が主人公を乗っ取ってしまうかもしれないぐらいのサド展開
このお話、主人公視点が少ないのですね。ミルドレッドやオリヴィエなど、周囲の人物の視点が多いのです。
セルジュのモノローグ部分は書いてて面白い。書きながら、自信満々の彼をいかに崖っぷちに追い込むかを思案している私は、やはり佐渡ですか。