「ギャラクシー・オデュッセイ」(3)に、たくさんの拍手とご感想をありがとうございました。
考えてみれば、あれだけ火星定期航路で往復していたのに、火星の様子をじっくり書くのは今回が初めてです。乗組員たちは、みんな観光などしないで、別のことをしてたみたいですね(笑)。
ということで、文字だけではわかりにくいので、写真を集めて、みなさんにも火星観光の気分だけ味わっていただくことにしました。どうぞ、小説と合わせてお楽しみください。
写真は、NASA / MALIN SPACE SCIENCE SYSTEM提供です。
1.マリネリス渓谷
惑星の全体写真を見ると、この渓谷がどれだけ大きいかということがわかります。火星自体は地球よりずっと小さいのですが、その赤道の三分の一。地球でいえば、カリフォルニアからニューヨークへ横断するのを同じ距離だそうです。
Credit: MSSS, JPL, NASA
Credit: MSSS, JPL, NASA
Credit: MSSS, JPL, NASA
↑渓谷の内部。サンドバギーに乗って迷路探検したくなりませんか?
2.北極冠
表面の白いのは主にドライアイス(二酸化炭素)で、夏になると溶けて気体となり、惑星全体にすさまじい砂嵐を起こします。その下から現われるのが氷で、北極の氷は純度 95 % という非常に高純度なものです。極冠はもちろん南にもあり、両方をあわせると、火星には五大湖の十倍にあたる水が存在するといわれています。
Credit: MSSS, JPL, NASA
北極冠
Credit: NASA
南北の極冠
Credit: MOLA Team, MGS Project, NASA
北極冠の3Dイメージです。
Credit: MSSS, JPL, NASA
季節によって、極冠の大きさが変わります。23世紀は、ここから大量の水と酸素を採取しているため、極冠の大きさはさらに縮んでいるかもしれませんね。
3.おまけ
火星名物、人面岩です。エルビスプレスリー岩とも呼ぶそうです。
Credit: MSSS, JPL, NASA
NASA/MSSSのホームページに行くと、ほかにも面白い火星の写真がたくさんあって、たとえば、毎年バレンタインになると、「ハートマーク」の岩やクレーターを掲載してくれます。
NASA/JPL/Malin Space Science Systems
それから、NASAが毎日更新している、宇宙の写真ページは癒されますよー。
Astronomy Picture of the Day Archive
オリンポス山脈(エベレストッより高い)の氷の滝(頂上近くから麓近くまで)の写真(見たのは3年前だったと思う)が一番印象的です。NASAじゃなくてESAのサイトだったと思う。もっともTera formingなんかしたら融けてしまうだろうけど。
あと、人間が酸素マスク無しで活動出来るのは、気密の建物の他に、地下数百メートルの穴の中もです。穴を掘ると、その底の気圧が高くなるという事実を利用するアイデアですね。だから、運河の底から更に竪穴式住居が造られている筈なのです。ま、暗いけど。
氷の滝って、イメージグラフィックですよね。私がESAで見つけたのは滝の痕跡のようなものだけでした。
超地下都市のアイディア、いただきます!
次回、裏町の胡乱な場所を舞台にする予定なんですが、そりゃ地下数百メートルの竪穴のほうが絶対面白い。
あ、そういう事ならより正確に(桁を間違えていたので)
火星は地球より重力が弱いので、穴を掘る事による加圧効果は地球程ではありません。それでも、約10キロ掘る毎に気圧が3倍になります。25キロで10倍だったかな。これはかなり効果的で、
(1)温暖化させてドライアイスや水蒸気をふやす。これで気圧を一桁以上あげる
(2)30キロ掘って更に気圧を一桁上げる。
この2つの組み合わせで良いのです。で、掘り方が足りない程に空気が薄くなりますから、そういうところがスラムになり易いって訳。
船長なら薄い空気でも平気でしょうから、そういう肺の強い人間がのさばる訳ですね。
詳しい説明ありがとうございます。
うまく書けるかなー。地下都市の描写だけで、一話増えてしまいそう。
こんにちはー
BUTAPENNさんの描く火星都市(?)楽しみです(*^_^*)
NASAはなかなか粋な写真を提供しているもんですねー。招夏のアルファポリスの「宙の船…」の広告バナーもNASAの画像を拝借しています。(商業ベースじゃなきゃ大丈夫ですよね?)
テラフォーミングのことはよく想像するのですが、火星と金星が入れ替わっていたら良かったのにとよく思います。火星はちと小さいですよねー
招夏さん、いらっしゃいませ。
火星都市、楽しいお話になるよう頑張ります。
そうですか。バナーにNASAの画像を使っているのですね。一応「クレジットラインをつける」という但し書きがあるんですが、さすがにバナーにクレジットはつけられないですからね。非営利個人という条件には合ってるし、大丈夫じゃないでしょうか(ねえ、第48代さん?)。
火星はやはり小さくて気圧が低くて空気が薄いのが問題ですね。大きさを言えば、木星が大きくてよいのですが、何せ遠い…ガスだし。
金星が舞台となったSFを読んだことあります。ものすごい暑さで、一週間で生まれて死んでしまう人類が住んでいるという話でした。
こんにちは(*^_^*)
ええーw!
クレジットラインを入れなきゃいけないかもですか?うう、そうだとしたらバナーの半分はクレジットラインってことに…。(それでも入りきらないかも)それに同じ画像をブログの写真集の表紙にも使ってて…あ、でもあれはクレジットラインを入れたまま掲載しているか。
うう、バナーをNASAに気づかれないことを祈ります…って、そんなことでいいのかなぁ。
金星での一週間寿命の話、私もどこかで読んだことがあるような気がしますよ。何だったかな…。
金星は濃硫酸の雲で覆われてるとか、回転が逆で遅いとか、本当に残念な惑星ですよ。せめて塩酸だったら良かったのにー…
やけに金星にこだわる招夏なのでした(^^ゞ
バナーについては、商業目的で加工したり配布するのでなければ、OKだと思いますよ。確信をもって言えないのが情けないですが;
この話、レイ・ブラッドベリの「霜と炎」でした。しかも、金星ではなく、どうも水星らしいです(太陽に一番近い惑星と書いてありました)。そして寿命は8日でした。間違いばっかりですね。
ところで、水星の一日は何時間かというのを調べてみたら、けっこう長いです。公転のほうが自転よりも早いせいで、太陽が逆行したり止まったりするらしく、一日は地球の176日だということでした。
8日間の寿命と言っても、実際は1400日分生きている勘定だったわけですね。それでも十分短いですが、最初読んだときの衝撃は薄れるかな。
こんにちはー。度々すみません(^^ゞ招夏です。
やっぱりNASAに睨まれる可能性があることが怖かったので、バナーにクレジットラインを入れたものに取り換えました。
何故だか、少しばかりぼやけて格好悪いのですが、まぁ、いいやってことで…(汗)クレジットラインも小さくてほとんど読めないけど…読めるなら読んでみろ状態で…でも、ちゃんと入れたんだし(汗)
そうですか、レイ・ブラッドベリ…じゃあ、招夏の記憶は何かの間違いですね。招夏はブラッドベリ読んでないので。でも、何かで聞いたよーな気がするんですよねー。ああ、モヤモヤ。(まあ、しょっちゅうです。こんな事…トホ)
水星人(こう書くと何かの占いと間違いそう)…短命ですね。4年に満たない命。でも、ものすごく暑くて辛そうだから、そんだけ生きれば十分って思うかもしれないですね(笑)
バナーってブログの何処にあるんですか? ちょっと捜したけど分からなくて、、、、。
まあ、宇宙を真面目に語るようなサイトや商業サイトでないと問題にはならないけど。っていうか、写真の提供者によっては喜ぶんじゃないのかなあ。
あと、バナーでなくサイトに拡大写真とともに提供先のクレジットを書く手がありますね。おそらくそっちのほうがNASAは喜びますよ。
>第48代さん
バナーは、「アルファポリス」のWEBコンテンツのSFに行けば、見られますよ。
>招夏さん
クレジットの英文入りバナー、なかなかかっこいいんじゃないでしょうか。小さくて読めないけど(笑)。
または第48代さんのおっしゃるとおり、ブログの記事に何か書いて、あの写真を貼って、その下にクレジットを入れるか、ですね。
こんにちはー招夏です(*^_^*)
この度は、BUTAPENNさん、第48代我輩さんに色々ご迷惑をかけてしまったみたいで、申し訳ないですm( _ _ )m
そうですね、何かの機会にブログで綴ってみようと思います。(ネタにもなることだし)
BUTAPENNさんからは、いつも貴重な情報をいただいていますね。いつもありがとうございます。ぺこり。
迷惑だなんてとんでもない。こういう質問こそ寧ろ大歓迎ですよ(女将さん、そうですよね)。
もちろんです。
ただし、科学関係と著作権関係の質問が来たら、第48代さんに答えてもらいますけど(笑)。
それはそうとして、(話を巻き戻します)
金星の大気って濃硫酸でしたっけ?
私の記憶違いでなければ二酸化炭素だったような。
三里さん、いらっしゃいませ。
あうあう、こういうときに限って、専門家の第48代さんが来ないんだもんなあ。
BUTAPENNが宇宙ものを書いているときに資料にしているサイトさまによると、
http://www.geocities.jp/noldor5/solar-system/solar-system.htm
金星の大気は確かに二酸化炭素96%ですが、濃硫酸の雲が高速で流れると書いてありました。しかも気圧は地球の90倍とな。
ちなみに、水星は大気ほぼなし。地表は昼430度、夜マイナス170度。
どちらにしても、まちがっても人間が不時着して住めるところではありません。
しかし、こういう表を作ってくださる方には感謝感謝です。眺めてて時間を忘れます。
火星の大気に二酸化炭素が多いのは、石灰石(CaCO3)が高熱で分解したからです。そのCO2の温室効果で温度が上がるという、典型的な熱暴走です。しかも水蒸気と結合して炭酸となり、酸化環境を作っています。これら熱と酸化環境の為に硫黄が硫酸になり、窒素が硝酸になっています。そんな訳で、二酸化炭素に関しては実は温室効果だけでなく、酸化還元効果も考えなくちゃならないんですね。ちなみに硝酸や硫酸の雲は高さ70キロ以上(地球と同じ気圧と気温の所)に出来ます。
ちなみに、光合成ってのは、僕たちは『強烈な還元作用』と捉えています。熱は酸化を促しますが光は還元を促すんですねえ。
解説ありがとうございます。
えっと、これは火星ではなく金星の説明でよろしいですね?
なるほど、酸化されてできた濃硫酸や硝酸は、気圧の関係で地表ではなく、雲になって存在しているわけですか。
二酸化炭素のもたらす影響というのは、本当に一筋縄ではいかない奥深さがありますねえ。
あ、はい、金星です。火星じゃなくて。
こんにちはー(*^_^*)
ありゃりゃ、こんなにここが進展していたとは…ちっとも気が付きませんでした。しかも招夏の余計な一文からみたいで…(^^ゞ
第48第我輩さんは科学全般に明るいご様子ですねー。招夏感心しております。「強烈な還元作用」簡潔な表現です。強烈なんですか…なるほど。
ブログで、コメント数が20を越えたのは初めてかもしれません。招夏さんのおかげです。
第48代さんは、科学、特に宇宙関係が詳しくていらっしゃるので、ぜひ使ってやってください(え)。