兵庫県立芸術文化センターで、ビゼーのオペラ「カルメン」を見てきました。
兵庫芸文の芸術監督でもある佐渡裕氏のプロデュースで、日本オペラ連盟・兵庫県立芸術文化センター・東京二期会・愛知県文化振興事業団の共同制作。
一ヶ月のあいだに東京・名古屋・兵庫で全15回公演というのは、珍しいそうです。
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日替わりのダブルキャストで、今日はカルメンが林美智子、ドン・ホセが佐野 成宏、エスカミーリョが成田 博之の日本人中心のキャスト。
林美智子は、前半は奔放な小悪魔的な面を、クライマックスの第4幕では妖艶で悲劇的なヒロインを演じ分け、佐野のドン・ホセも母親思いの真面目な青年でありながら、カルメンに幻惑されて天使のような恋人を捨て、犯罪者へと堕ちていく衛兵隊の伍長を好演しました。
巨大な鏡を使った舞台は、場面の変化に従って位置を変え、工場や闘牛場の奥行きをうまく演出していました。
演出も全体に動きがあり、男ふたりの決闘シーンや、児童合唱団の子どもたちも含めた群衆シーンが効果的でした。
さて、いまだに夫と私の意見が合わないのが、第4幕のカルメンの心変わりの理由。
私は、占いで死の運命が待ち受けていることを知ったカルメンが、ドン・ホセを愛しながらも、つれない素振りをしたと見たのですが、夫は、カルメンは完全にドン・ホセを見限り、今をときめく花形闘牛士のエスカミーリョにすっかり心移りしていると言うのです。男は過去の恋を引きずるが、女はもっと現実的なんだぞと。
夫婦の女性観の違いが如実に表われているのですが(笑)、さてどちらなんでしょう。
カルメンは好きですよ。筋立ても音楽もいい。まだ『絵の出るレコード』というものが存在していた頃、実写版のカルメンをクリスマスパーティーで見た事がありますが、やっぱり良かったねえ。
そういえばカルメンの漫画(音楽付き)ってあるのかな?
男も女も、自分の性の方が過去を引きずって、相手の性の方が秋の空だって思うって事がようく分かりました。
本当に、次々と有名な歌のオンパレードで、全編が聞かせどころというのも、歌手としてはやりにくいのかも?
カルメンのマンガ、聞いたことがありませんね。浮気な女に人生を狂わされていく真面目男、というだけなら、いくらでもありそうですが。
そうです。常に悪いのは、相手の性なんですよ。男と女は永遠に相容れないってことが、よくわかるでしょう。