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読書メーター2013年5月

Posted on 2013-06-03 by BUTAPENN

先月は、インフルエンザにかかって一週間ほど寝込んでいたり、さんざんな月でした。
読書のほうは、久々にSFにはまりました。「天涯の砦」を皮切りに、小川一水さんを片っ端から借りています。
小川一水さんは、まだ三十代の方ですが、SF界の旗手として、次々と本格SFを発表しておられる方。
文章は読みやすく、キャラも魅力的で、テーマも壮大。読み終わって、やっぱりSFはいいなあと思える読後感です。短編ならSFマガジン読者賞を受賞した短編集「老ヴォールの惑星」がおすすめ。
5月の読書、もうひとつのキーワードは、「ハードボイルド」。心の奥底に傷をかかえつつ、孤独の中で己を厳しく律する男に、ノックアウトされまくりでした。
2013年5月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3735ページ

ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)の感想
自分の存在が周囲の人にとってボトルネックであることを知る絶望は想像以上だ。そこに届く正反対の声がふたつ。リョウはどちらを選ぶのか、結末は読者にゆだねられる。できれば、未来を選び取ってほしい。「昨日できなかったことも、今日はわからない」のだから。
読了日:5月3日 著者:米澤 穂信

シリーズ絵解き世界史3 ローマ帝国と皇帝たちシリーズ絵解き世界史3 ローマ帝国と皇帝たちの感想
前半はカエサル中心。帝政後期の皇帝たちについては、ほとんど記述がないのが残念。ローマ市民の生活や軍隊、奴隷などにも触れている。収録されている絵画や写真が美麗。奴隷に売られるフォルトゥナタや、カエサルに投降したウェルギンゲトリクスの腕組みポーズは一見の価値あり。
読了日:5月8日 著者:ニック・マッカーティ
密偵ファルコ 白銀の誓い (光文社文庫)密偵ファルコ 白銀の誓い (光文社文庫)の感想
紀元一世紀の古代ローマを舞台にした冒険活劇。主人公のファルコは、摩天楼に事務所を構えるアメリカの私立探偵そのもので、古代ローマとハードボイルドの組み合わせは、妙に似合う。市街の描写やブリタニアの銀山に命がけで潜入する顛末は迫力があった。作者は「歴史ミステリー御三家」のひとりと呼ばれる存在だそうだ。
読了日:5月11日 著者:リンゼイ デイヴィス

天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)天涯の砦 (ハヤカワ文庫JA)の感想
面白かった。一気読みした。ステーションが大事故で爆発し、漂流を始めた残骸と宇宙船の中に取り残された極限状態のサバイバル。さまざまな年代、職業、それぞれに重い過去を持った人々、それにお約束どおり、正体が謎の人物も出てくる。生還率は高い。真空と無重力の描写には、原始的な恐怖に背筋がぞくぞくした。
読了日:5月15日 著者:小川 一水

老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))の感想
「環境と主体」をテーマにしたSF中編集。劣悪な環境に社会を作ることで立ち向かう「ギャルナフカの迷宮」と、穏やかな環境の中、社会から隔絶されて孤独と戦う「漂った男」は好対照をなしている。不屈の精神を持つキャラ、スリリングな展開、心地よい読後感。本を置くのが惜しくなる。
読了日:5月16日 著者:小川 一水

インビジブルレインインビジブルレインの感想
初の姫川ものだったが、彼女はほかのシリーズでも、こんな弱さを秘めているのだろうか。刑事としての信念と女性っぽさとがあやうく共存している。そして事件の結末は、警察という組織にひそむ狡猾さと高潔さがみごとに対比された。心の絆が今回はひとりの男に向けられてしまったが、本来は仲間の刑事たちと結ぶべきなのだろう。
読了日:5月18日 著者:誉田 哲也

バイバイ、ブラックバードバイバイ、ブラックバードの感想
「あのバス」の正体は読者の想像に委ねられるが、行先不明のバスというのは、どこか「死」を暗示しているように感じてしまう。付き合っていた女たちへの贖罪の旅をする罪人と死神のコンビ。生きる上でのしがらみや常識を完全に超越している姿には、ある種の爽快感がある。 読み進めるにつれ、彼らの人間味が増していく。ラストで必死な繭美の姿を見た上層部は、「こりゃ面白い」と言うに違いない。
読了日:5月26日 著者:伊坂 幸太郎

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)の感想
異星侵略により人類が滅亡しつつある世界から送られ、時間を遡行しながらETとの絶望的な戦いを挑み続けるメッセンジャーたち。彼らの奮戦にも関わらず、いつも歴史は人類の滅亡に針を振れてしまい、ついに、最終防衛線として、邪馬台の時代へ。結局、その時代、その土地に生きている人が自ら立ち上がってこそ、はじめて歴史は動くのだろう。愛する人の喪失と孤独に耐えながら時空を超えて戦うオーと、身代わりと知りつつ彼に寄り添う卑弥呼の結びつきが、切ない。
読了日:5月27日 著者:小川 一水

ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)の感想
それぞれの理由で死を前提に生きている男たちにとって、鳥は輝くばかりの生の象徴なのだろうか。厳しさと感傷、ストイックと孤高、まさにハードボイルドな男の生き方にしびれた。洗って乾いた服に着替えたり、RVのキッチンでカモ料理を作ったり。そんな何気ない日常の一文さえ、読んでいてわくわくしてしまう。
読了日:5月30日 著者:稲見 一良

ないもの、ありますないもの、ありますの感想
次は何が出てくるだろうと、わくわくしながらページをめくる楽しみがある。堪忍袋の緒、転ばぬ先の杖、左うちわ…便利な道具ほど、おそろしい制約がある。結局不便なくらいが、ちょうどいい人生なのだと思える、そんな絵本。
読了日:5月31日 著者:クラフト・エヴィング商會

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