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ドラマでコロナをどう扱うか

Posted on 2021-08-192021-09-16 by BUTAPENN

またまた私の地元兵庫県で明日から緊急事態宣言が発令されます。教会の礼拝も再び、オンライン動画を活用しての家庭礼拝に移行することになりました。
一度回復したかと思うと逆戻り。あまりに何度も繰り返されるループに、さすがに、多くの人が心身ともに疲れを感じているのではないでしょうか。

さて、今日は、コロナ禍をテレビドラマがどう扱っているかについて書いてみたいと思います。BUTAPENNは、すごくテレビドラマ好きというわけでもないのですが、コロナの自粛生活でテレビドラマに対する期待は一時よりは大きくなっているんですね。けれど、コロナを正面から扱っているドラマというのは、少ないなと思っています。

パンデミックを扱ったドラマというのは、これまでもいろいろ見てきました。私が見た中で印象深いのは、まず「24 twenty-four」の第三シリーズ。バイオテロでばらまかれたウィルスが、ホテル全館に空調を通して拡散してしまい、完全に隔離されたホテル内で、次々に客が感染していく描写は戦慄ものでした。

日本のドラマでは、MERSウィルスを扱った石原さとみ主演の「アンナチュラル」。

忘れられないのは、山下智久主演の「インハンド」。致死率ほぼ100%の新型エボラウィルスに汚染された村で、とにかく封鎖と患者の隔離が実行される。新型コロナの流行のわずか半年前に放送されたドラマだったので、ことさら印象に残っています。

これらは、しかし、架空の世界でした。ウィルスが出現し、パニックが起き、最後にはワクチンが開発されるなどして劇的に収束していき、もとの日常が戻ってくる。パンデミックの世界を、日常の風景として扱ってはいませんでした。

しかたないですよね。マスクで顔が隠れると表情が見えないし、せっかくの俳優さんの演技もだいなしです。今までもこれからも、テーマそのものがコロナでない限りは、ドラマでコロナ禍の世界を描くことはむずかしいでしょう。歩くシーンだけはマスクをしたり、コロナ禍前の世界だという設定にしたり、未来はこうなるよと暗示したり(MIU404の最終回は、「夢オチ」という批判もありましたが、コロナ前の世界に巻き戻ししたいという切実な願望をこめていたと私は感じています)

そんな中、WOWOWで「グッド・ドクター 名医の条件」の第4シーズンを見ました。日本でもドラマ化されましたが、自閉症でサヴァン症候群の天才外科医ショーン・マーフィーを主人公とするヒューマンメディカルドラマで、第1シリーズから見ています(WOWOW以外にも、U-NEXTやAmazon Primeでも見ることができるようです)。

この第4シーズンの第1話と第2話が新型コロナを扱っていたのです。

あらすじは次のとおり。

2020年2月26日、カリフォルニア州に非常事態宣言が出る1週間前。同州の聖ボナベントゥラ病院で働く自閉症の外科レジデント、ショーンはまだ新型コロナウイルスの感染拡大に気付いていない。2週間後、病院では急性呼吸器疾患の患者が急増する。同じころ、ショーンはリアと付き合うようになったが、互いに感染しないため、会わないと決める。

一方、クレアは亡くなったメレンデスの幻覚を見るようになる。ドクターたちは過酷な状況を乗り越えることができるのか……。

(ネタバレがあります。ご注意)
主人公の医師たちは、あらゆる療法を試しますが、次々と患者はこときれていきます。家に戻っても、家族と会うこともできずに駐車スペースで寝泊まりする医師、恋人とタブレット越しにおはようを言い合う主人公。信頼する仲間さえコロナに侵されて死んでいく医者たちの過酷な状況を、日を追ってドキュメンタリーのように描いていきます。

シーズン4がアメリカで放送されたのは、2020年の11月~2021年6月だそうです。制作は、2020年の9月から。脚本は2020年4月~6月ごろ書かれたものだと推測します。そのころのアメリカの感染者と死者はものすごいものでした。「野戦病院」ということばが今日本でも言われ始めていますが、ドラマの描写でも病院前にテントが立ち並んでいます。

第2話の終わりで感染は下火になり、生還した患者たちの退院風景が描かれ、医師たちもそれぞれの場所に戻っていきます。

そして、この後いったいどうなるのかと、はらはらして見始めた第3話の冒頭。

ショーン・マーフィー役のフレディ・ハイモアがひとりで登場し、「ここからはコロナ禍が収束した未来を描きます」と宣言するのです。そして何もなかったように、新しい展開が描かれていきます。

そうですね。今はやはり、これしかないのでしょうね。

物書きのはしくれとして(今ははしくれでさえもありませんが)、小説でコロナ禍をどう描くか考えてしまうことがあります。たとえば、「魔王ゼファー」で。「EWEN」で。彼らはこのコロナ禍で何を感じ、どう行動するのか。考えながら、途方にくれてしまうのです。

2 thoughts on “ドラマでコロナをどう扱うか”

  1. へい より:
    2021-08-19 20:08

    災禍と自然と天才は凡人が制御できるものではないので、先が予測できません。おちついたら考えます。
    いままでは前例主義、成功に成功を重ねればよかっただけだそうです。もうそうはいきません。前例を考えなくていい、自由にやれる。誰かと同じでなくともいい。
    裁量が増えました。これからがほんとうの創作です。

    返信
  2. BUTAPENN より:
    2021-08-20 09:48

    >へいさん
    今まで観光地図で冒険していたのに、いきなり白地図を渡されたような気がします。
    何かの災厄があるたびに、それを避けて創作することは許されない、リアリティの欠如だと決めつけていた時期があり、書けなくなることもたびたびでした。そうではないことを学ぶのにけっこう時間がかかりました。
    今回、「グッドドクター」の第三話冒頭で、「コロナ禍を乗り越えた未来を描きます」と言われて、驚いたのです。これはSFじゃないかと。SFが現実より深いリアリティを描くことができると私も思っていますから。
    これからがほんとうの創作ですね。お互いに。

    返信

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