今年もいよいよ、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラの季節がやってきました。
演目は、モーツァルトのイタリア語オペラ「ドン・ジョヴァンニ」です。兵庫県立芸術文化センター大ホールで、7月23日まで上演されます。
今年もがんばってチケットを取り、初日を観て来ました。
昨日の出演者はこんな感じ。初来日の方が多いです。
「ドン・ジョヴァンニ」は、どの曲も聞いたことがある名曲ぞろい。ドン・ジョヴァンニの誘惑によって人生を狂わされた女たちの悲痛な歌があると思えば、恋のかけひきのデュエットもあり、一途な愛をささげる男のロマンチックなアリアもある。基調は喜劇でありながら、思わずほろりとしてしまうドラマチックな物語なのです。
そして、主人公のドン・ジョヴァンニがどうしようもない女狂い、自分の召使いのレポレッロを自分の身代わりに殺させても平気、という冷血漢でありながら、なぜか誰も本気で憎んでいない。復讐に燃える女たちでさえ、本当はまだ彼に心を残しているのです。
最終幕、主人公は地獄に引きずり込まれるという、思わずぞっとする夏向きな結末を迎え、残された登場人物たちは呆けたような表情で教訓めいた歌を歌いますが、モーツァルトの意図が単なる道徳譚ではないのは、明らか。そのことがかえって、ドン・ジョヴァンニという魅力的な人間のドラマを描き出しているのです。
最後は、鳴りやまない拍手と繰り返されるカーテンコールでした。コロナ禍による規制が解除されて、「ブラヴォー」が聞けるのは、本当にうれしいですね。
「ドン・ジョヴァンニ」は、実はBUTAPENNの大好きなオペラなのです。
あまり好きすぎて、自分の書いた小説「夜叉往来」の主人公たちに、このオペラを演じさせているのですよ。「夜叉往来」をお読みになったことのない方には、なんのこっちゃというシロモノですが。
Gala Concert(ガラコンサート)/ドン・ジョバンニ(1) (butapenn.com)
2024年の佐渡監督プロデュースオペラは、「蝶々夫人」に決定したそうです。これもBUTAPENNの大好きなオペラです。2006年の上演が本当にすばらしくて、今でも目に焼きついています。
来年もぜひ見に行きたいです。