拍手お礼ページ総集編

**ウェブ拍手のお礼ページに載せている小話をまとめました。おふざけです。**

第8章「王の資質」(5)より

「カスティエ士爵家の秘密」編(1)
エ「ユベール。俺がポルタンスにいる間、いったいどこにいたんだ?」
ユ「さあ」
エ「国じゅうのあちこちに現地妻がいるって噂だけど、本当か?」
ユ「黙秘させていただきます」
エ「カスティエ家の跡取りとして、いつかは結婚して子孫を残さなきゃならないんだよな」
ユ「いつかは?(クスリと笑う)」
エ「ま、まさか。もうすでに五人の子持ちだったりして」
ユ「ふふふ」


第9章「第二の秘密」(1)より

「家令オリヴィエの華麗なる日々」編
オリヴィエ「それでは、これは髪を黒く染める薬だと申すのだな」
薬店主「さようでございます」
オ「それでは、店主。今ひとつ尋ねるが」
店「はい、なんなりと」
オ「髪にも、さまざまな色や質があるはず。ならば、赤く染めたり茶色に染めたりする薬もあって不思議ではない。さらには髪を太くしたり細くしたり、ことによると量を増やすことすら」
店「…素直に、毛はえ薬がほしいとおっしゃい」


第9章「第二の秘密」(2)より

「カスティエ士爵家の秘密」編(2)
ユベール「美しい光景でした。夜のしじまを疾駆するピンクのネグリジェ」
エドゥアール「嘘つくな。馬に乗る前にちゃんと着替えただろ!」
ユ「女装がよくお似合いなのに、びっくりいたしました。夜目にはエレーヌさまそっくりでしたよ」
エ「おまえこそ、全く違和感がなかったぞ」
ユ「はい、女装はカスティエ家に属する者の必修科目ですから」
エ「…そ、そうなのか」
ユ「覚えておられませんか? 父アンリが、生まれたばかりの若さまを谷からお連れするとき、ピンクのネグリジェがひらめいて…」
エ(気分が悪くなって、退場)


第9章「第二の秘密」(3)より

「シスコン陛下の懲りない日々」編
フレデリク「どこへ行っていた?」
セルジュ「ピンクのネグリジェで遊んでいたのだろう」
エドゥアール「なんで知ってるんだ」
セ「フォーレの屋敷には、わたしの草の者を置いていたからな」
フ「女装だと?(眼がきらりと光る) どんなふうに」
セ「報告によれば、金髪のかつらをかぶり、口紅やアイラインまで入れていたとか」
フ「そうか…。ふふ、さぞやあの子に似ておったのだろうな」
エ「フ、フレデリク。落ち着け。目つきが変だぞ」
セ「わたしはこれで失礼する」
エ「待てよ、セルジュ、助けてくれー!」(暗転)


第9章「第二の秘密」(4)より

「ラヴァレ伯爵の嫁取り大作戦」編
エドゥアール「なんだか不穏な情勢になってきたけど、結婚式は大丈夫かな」
父伯「わが名誉にかけて、絶対に中止などにはさせぬぞ。早くミルドレッドに『お父さまvv』と呼んでほしいのに」
エ「あんたの興味は、そこにしかないのか!」
父「あたりまえだ。十七年間そのためだけに、伯爵家の総力を挙げて壮大な計画を立ててきたのだぞ」
エ「俺の立場っていったい…」


第9章「第二の秘密」(5)より

「黒セルジュと金エディの死闘」(序)
エドゥアール「ええっ。ここで終わりか。この話の作者って、ほんとにSだな」
ミルドレッド「キャラを幸せの絶頂で奈落に突き落とす佐渡作者として有名だそうですわ」
セルジュ「こんな作者にもてあそばれる俺たちも、いい迷惑だな」
エ「わっ。セルジュ。なんでこんなところに。おまけになんだか黒っぽいし、雰囲気が違うぞ」
セ「ふふ。エリートが挫折を味わうと、一気に悪への道をひた走るらしい」
エ「く、『黒セルジュ』に変身したというわけだな。くそ、こうなったら」
ミ「まあ、エドゥアールさまも変身ポーズを。どうなるのかしら(ドキドキ)。」


第10章「王都騒乱」(1)より

「黒セルジュと金エディの死闘」(1)
ミルドレッド「本当に始まってしまいましたのね。まあ、エドゥアールさまが変身なさって、まばゆいばかりの金色の御髪に。まるでスーパーサ☆ヤ人みたい。きゃあ、がんばって」
エドゥアール「どうして、そんな真っ黒な姿になっちまったんだ」
セルジュ「さあ。裡に秘めていた憎悪や嫉妬心、破壊的な衝動が外側に発現したということかな」
エ「ん? というより、その顔の黒いのは、あざに見えるぞ」
セ「み、見るな」
エ「さては、あのマッチョ陛下を捕まえるとき、思いきり殴られたんだろ。わはは」


第10章「王都騒乱」(2)より

「黒セルジュと金エディの死闘」(2)
セルジュ「おまえこそ、なぜ金色に変身した」
エドゥアール「もう知ってるらしいから言うけど、もともと俺は金髪なんだよ。べナの汁を塗っているから黒髪になっていただけだ」
セ「眉毛もか」
エ「ああ、眉毛も染めてた。さすがにまつ毛までは手が回らなかったけど」
セ「では、◎★毛は?」
エ「げ、おまえ、全年齢サイトで何という禁句を」
セ「ふふ。今の俺にタブーなどない。黒キャラの恐ろしさを思い知ったか」
ミルドレッド「えーと、ちなみに、「◎★毛」は「すね毛」のことだと思います、たぶん…(それでも赤面)」


第10章「王都騒乱」(3)より

「黒セルジュと金エディの死闘」(3)
エドゥアール「おまえ、さっぱり登場しないけど、どこで何してるんだ?」
セルジュ「真打は、そうやたらに姿を見せぬもの。姿を隠すことによって、かえって存在感を増す演出を知らぬのか」
エ「計算づくってわけか。さすが黒キャラだな」
セ「それに比べ、おまえは出ずっぱりだな。しかも汚く、みじめったらしく、女々しい姿の連続は、まさに脇役そのもの。これで次回から主人公は交替決定だな。おい、そこの女。『公爵家の栄光』にタイトルを差し替えておいてくれ」
ミルドレッド「えーっ。わ、わたくしがですか?」
セ「素直に従えば、そなたを主人公であるわたしの妾夫人としてやってもいいぞ」
ミ「冗談じゃありませんわ!」(黒セルジュを蹴っ飛ばす)
エ「わお。ミルドレッド、最強…」


第10章「王都騒乱」(4)より

「黒セルジュと金エディの死闘」(終)
エドゥアール「もったいぶって、やっと出てきたな、セルジュ。本編で本当のケンカが始まりそうだから、こっちは最終回にしようぜ…って、なんで寝てるんだ?」
ミルドレッド「前回、わたくしが蹴っ飛ばして以来、ずっと気絶なさっておられるのですわ」
エ「きみが精神的に強くなってくれるのはうれしいけど、もしかして体も鍛えてる?」
ミ「はい、ランニングを十キロ、スクワットと指立て伏せ百回を日課にいたしましたの」
エ「げえっ。そんなに?」
ミ「魅力的な夫を持つ妻として当然のことですわ。わたくしと離ればなれの日々の間に、もし浮気をなさったら、どうなるかわかりますわね」(指をポキポキと鳴らす)
エ「お、王牢は男ばっかりだからね?」(冷や汗)


第10章「王都騒乱」(5)より

「おたより紹介」編
エドゥアール「本編のほうが殺伐としてるので、今日はぐっとなごやかに、ミルドレッドと、みなさまのお便りをご紹介します」
ミルドレッド「まず最初は、○県のHさまのお便りです。『ソニアとユベールは、恋愛フラグですか?』」
エ「うん、確かにちょっといいムードだったからな」
ミ「でも、×県のSさまからは、こんなお声が。『ユベールはエドゥアールひとすじだと思っていたのに、裏切るの?』」
エ「おいおい」
ミ「△県のMさまは、『エディは絶対に強気受けで、ユベールがツンデレ攻めだと思います』…どういうことかしら?」
(エドゥアール、あわててミルドレッドの両目をふさぐ)
ミ「あ、エドゥアールさま、次が読めませんわ」
エ「お願いだから、きみはキレイなままでいて!」


第10章「王都騒乱」(6)より

「あのあと船長室で、こんな会話があったとかなかったとか」編
海の帝王「俺たちの仲間になるってのは、本気か」
エドゥアール「ああ、本気だよ」
帝「海賊は、遊びでつとまる稼業じゃねえぞ……ツーペア」
エ「だいじょうぶだって。ポルタンスに暮らしてたから、帆の張り方もロープの扱いも知ってる……フルハウス」
帝「見よう見まねじゃダメだな」
エ「甲板掃除だって料理だって洗濯だって、お手のもんだぜ」
帝「驚いたな。おまえほんとに伯爵か…フォーカード」
エ「会うやつみんなにそう言われる…ストレートフラッシュ」
帝「いかさまポーカーまでこなすとは。…合格だ」
 

最終章「新たな時代」(1)より

「主人公出番なし」編
エドゥアール「え、これで終わり? 俺、今回出番なし?」
ミルドレッド「そのようですわ」
エ「シ、ショック。主役から降ろされた気分だ」
セルジュ「当然だ。だが、次の主役たるべきわたしに、セリフがひとつもないのはどういうわけだ」
エ「俺たち、どっちも過去の人間なのかも」
ミ「そういえば、サブタイトルが『新たな時代』になっていますわ」
エ「あ、なるほど。ティムとフレッド坊やが新しい主役なんだ」
セ「海賊にあこがれる麦わらが大好きな少年と、トナカイに変身できる医者の話か」
エ「…セルジュ。おまえ、そういう知識どこから仕入れてくるんだ?」


最終章「新たな時代」(2)より

「ラヴァレ領へひた走る間の、エドゥアールとユベールの会話」編
ユ「新婚そうそう五か月も花嫁をほったらかして、何をなさっていたんです」
エ「ああ、いろいろ。話すと、うんと長くなる」
ユ「お覚悟ください。ミルドレッドさまは、すっかりおかんむりですよ」
エ「…やっぱり、そうだよな」
ユ「お部屋の前を通りかかると、夜な夜な不気味な声が」
エ「え。ど、どんな?」
ユ「カンカンという金属音の合間に、『港ごとに町の女たちに言い寄られてデレデレしていたら、この呪いの釘が心臓をきりきり刺しますように』」
エ「ひええ」
ユ「お心当たりがおありで?」
エ「な、ない。断じてない」
ユ「ご安心ください。冗談です」
ほっとしながらも、思わず馬上で心臓のあたりを押さえるエドゥアールなのであった。


最終章「新たな時代」(3)より

「真相はいかに?」編
ミルドレッド「ユベール。くわしく教えてくださいな。エドゥアールさまの過去の女性関係について」
ユベール「承知いたしました。まずは二歳のとき。住んでいた森の近くの農家の娘に抱っこされたとたん、いきなり胸をおつかみになりました」
ミ「まあ、そんなご幼少のころから、女たらしでいらしたのね」
ユ「九歳でポルタンスの娼館に移られてからは、娼婦たちの頼まれごとを聞く都度、ごほうびにキスをねだっておられました」
ミ「道理で、たいそうキスがお上手なはずですわ」
ユ「で、肝心の初体験のことですが」
ミ「…やはり、ミストレス・イサドラがお相手?」
ユ「それならば、まだ正常と言える範囲なのですが」
ミ「ええっ。もっと異常なの?」
ユ「と、とてもわたしの口からは申せません」
エドゥアール(怒りに震えて)「ふたりとも、いい加減にしろ!」


最終章「新たな時代」(4)より

「言わぬが花」編
エドゥアール「何でもおまえの欲しいものは全部、俺が手にいれてやる」
セルジュ「…一度でよいから、屋台の氷水が食べてみたい」
エ「なるほど。あのいかにも『からだに悪そー』って色が魅力的なんだよな。すぐに買ってきてやる」
セ「街角に捨てられている子犬」
エ「わかるぞ。血統書つきの犬よりも、なぜか捨て犬のほうが百倍かわいい。よしまかせとけ。あとは?」
セ「と、とても口に出せぬ」
エ「いいから、言ってみろって」
 セルジュ、顔を赤らめ耳打ちする。
エ「(肩をぽんと叩いて)…それは、男の夢として、一生取っておけ」
ミルドレッド「い、いったい何ですの。気になりますぅ」


最終章「新たな時代」(5)-1より

*読者さまが寄贈してくださった小話です。
「メイドは見た」編
メイドA「やっぱり。今まで誰にも言えなかったけど、そうだったんだわ」
メイドB「なんのこと?」
A「若旦那様のお髪のことよ。実は、前からおかしいと思っていたのよね」
C「わたしもよ。だって、バルコニーでよく伸びをなさるでしょ? ほら、わきの下が丸見えじゃない」
A「そうそう! どう見ても金色よね。それに」
B「まだ、あるの?」
C「腕まくりをなさった時の筋肉が素敵なんだけど」
B「ああ! 素敵よね〜うっとり」
A「そこらの男は腕にぼうぼうの毛が目立つじゃない。あれがないのよ」
B「素敵な方は腕に毛なんて生えないのかと思っていたわ」
A・C「あら、あなたって子どもねぇ。色がうすくて目立たないのがいいのよ。腕がつるつるの男なんて厭だわ」

エドゥアール「風邪かな。今日は朝からずっと、ぞくぞくして毛が逆立ってるんだけど」


最終章「新たな時代」(5)-2より

「幼児セルジュ」編
エドゥアール「前回、おまえが耳打ちした『男の夢』が、大反響だぞ」
セルジュ「ひとことでも口にしてみろ、永久に縁を切るからな」
エ「ひとりの読者さまは、こう推理しておられる。
『酔っぱらって、全裸で「俺様が一番だ!」と高笑いしながら王宮を駆け抜ける』」
セ「心外だ。なぜわたしが、そんなことを望まねばならぬ」
エ「ちょっと動揺したろ」
セ「していない!」
エ「ほかにも、『男の夢といえば、巨乳美女のハーレムですよね』というのや、『王宮の中庭を全部お砂場にして、蟻の観察をするんじゃないですか。可愛い〜』とか」
セ「わたしに対する読者のイメージというのは、その程度なのか。…ショックだ」
エ「愛に飢えた貴公子ってのは、母性愛をそそるもんな。ほらプレゼントもたくさん届いてるぞ」
(セルジュ、山と積まれたウサギのぬいぐるみを見て、青ざめる)


最終章「新たな時代」(6)より

「もう終わり?」編
エドゥアール「今日は、王宮の七不思議の話だ」
ミルドレッド「まあ、なんでしょう。わくわくしますわ」
エ「まず、王のいる部屋のテーブルには、必ず干しブドウが備え付けてある」
ミ「そう言えば、よくあなたもつまみ食いしてらっしゃいますね。たとえば第8章(1)とか」
エ「侍従長のギョームの情報によれば、フレデリクちゃんが大好きなんだそうだ」
ミ「なんだか陛下って、かわいらしいお方ですわね」
エ「ということで、今日はおしまい。あと6つの不思議は、ここで連載していく」
ミ「でもエドゥアールさま。次回が最終回なんですのよ」
エ「ええっ。そんな。…ウソだろ?」
ミ「悲しいですが、本当ですわ」
エ「よし、俺の奇策で、あと六回伸ばす!」
ミ「作者がそれを聞けば、倒れますわ…」


最終章「新たな時代」(7)より

「別れも楽し」編
エドゥアール「やっぱり今日で完結なのか」
ミルドレッド「なんだか信じられませんわ。これからも、わたくしたちの人生は続いていきますのに」
エ「まあ、でも俺はユベールを最後に出し抜けたから満足だ」
ミ「セルジュさまも今ごろ、ヴェロニク叔母さまが山と届けた縁談の書状に埋もれておられますわね」
エ「最後に、拍手をしてくれた人たちへのお礼に、秘密の話をしようか」
ミ「ええ、まだ秘密が残っていますの?」
エ「一応、本編は完結だけど、いくつか番外編の予定がある」
ミ「まあ、完結したばかりだというのに、気が早いですこと」
エ「ひとつは、若き日の親父とエレーヌ姫のなれそめ編。シスコン陛下視点らしい」
ミ「本編では語られなかった部分なので、わくわくしますわ」
エ「あとは、ユベール視点とセルジュ視点がひとつずつ。今決まってるのは、そんなところだな。開始までには、少し間があくけど」
ミ「楽しみですわ。お別れの寂しさが、ずいぶん薄まりましたわね」





番外編でも拍手お礼ページがあります。どうぞ、応援の拍手をお願いいたします!
番外編拍手お礼ページへ

   Copyright © 2009-2011 BUTAPENN. All rights reserved.