そろそろ暑さが増してきて、更年期三年目の今年も絶不調に陥ってしまうかと思うと、恐怖の季節です。
すっかり読書メーター専用と化してしまったブログですが、もうちょっとなんとかしたいとは思っているのですよ。
さて、6月の読書も、小川一水さん一色となってしまいました。SFは図書館の順番待ちもなく借りやすいのです。そろそろローマものに戻ろうと思います。やはり、塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読まなきゃ始まらないとは思うのですが、文庫本で43冊ともなると、うっかり手を出せないなあ。
2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1964ページ
妙なる技の乙女たちの感想
近未来の設定だが、雰囲気は現代の東南アジアの都市。多民族多文化の異国で働く日本人女性たちの信念をもって突き進む姿がいい。ぱっと見はSFぽくはないが、軌道エレベータや宇宙移民の話が出てきたり、登場人物が互いに関係があったり、読み進めていくうちに、どっぷり未来都市リンガ島の生活感にひたっている。
読了日:6月6日 著者:小川 一水
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)の感想
人間の存在の定義とは何なのか。エイリアンに改造されたら、植物状態なら、不老不死なら、人との接触を拒否したら。人間はどこまで人間たりうるのかということを問いかける短編集。宇宙パイロットのニッチビジネスを描いた『Slowlife in Starship』には、まさかのはやぶさ登場。「時砂の王」のスピンオフもあり、うれしいオーたちとの再会だった。
読了日:6月8日 著者:小川 一水
コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫JA)の感想
未来の人間の危機を救うために、どうするべきか。時間生物の助けを受けつつ、試行錯誤のすえに送られたギフトは、細く長い楔となって時空を超えていく。楔とは人間の持つ可能性の力でもある。小川一水の時間SFはやはりいい。当人たちが歴史のリセットを覚えている結末もGood。
読了日:6月13日 著者:小川 一水
リカーシブルの感想
血のつながりのない家族との暮らし、引っ越した土地の学校で細心の注意をはらって行動する主人公には、音をさせぬように階段を踏む息苦しさが絶えずつきまとう。淡々と微細な日常の描写が続くが、最後で急転、弟を思うハルカの強さと行動力が爆発する。読み終わってタイトルの意味を考えたら、じわりと来る。
読了日:6月17日 著者:米澤 穂信
影法師の感想
文武両道にすぐれた彦四郎はなぜ転落し、惨めな最期を遂げたのか。その謎を解き明かすことで進む筋立ては、「永遠の0」を思い出させる。宮部と同じく、次第に浮き彫りにされていく彦の真の姿はなんと男らしいことか。おそらく、勘一への友情だけでなく、みねへの報われぬ想いゆえに、彼は己を犠牲にする道を選んだ。恋愛の描写はなくとも、百田作品はまぎれもなく根底は恋愛小説なのだと思う。
読了日:6月22日 著者:百田 尚樹
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)の感想
化石燃料と金属のない植民惑星が舞台。のどかな牧羊の風景、港町の赤ひげ先生。領主の圧政に反発する「海の一統」、政治の腐敗に悩む女性議員。人間の性の捌け口であるアンドロイド。そして惑星固有の生物たち。彼らの思惑が複雑に絡み合う動乱前夜だが、話全体がビジュアル重視でわかりやすかった。…ベンクト、やはり死んじゃったのかな(涙)。
読了日:6月24日 著者:小川 一水
ダース・ヴェイダーとルーク(4才)の感想
ダース・ヴェイダーのあのマスクが、口をへの字に曲げて困っている顔に見えてきた。子どもってどうして体をよじりながらも、おしっこじゃないと言い張るの? 自分の子育てのときを思い出しながら、ほんわかしんみりしました。次にSWの映画見たときは、泣いちゃうかも。
読了日:6月26日 著者:ジェフリー・ブラウン
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