相互リンク先の「姫様御殿」の姫さんには、ときおりブログのネタをいただいている私ですが、今回も「言葉の日記」の「エーデムを読む順番は?」という記事に目を惹かれました。
姫さんの名作「エーデムリングシリーズ」は、「銀のムテ人」も合わせると、かなりの数の作品群で成り立っていますが、読者さまから「読む順番」についてお問い合わせがあったようで、この記事は、シリーズを時系列に並び替えるという試みです。
「姫様御殿」では、いったん下げていた「エーデム」シリーズを再アップしておられる途中で、これからも、なるべく時系列順にアップするお考えとか。
さて、私の場合はどうかなと考えると、時系列が混乱しそうな作品といえば、やはり「EWEN」なのではないかと思います。
「セフィロト」の番外編はそれほどでもないし、「ティトス戦記」の外伝も、過去にさかのぼっていますが、それもひとつを除くとだいたい時間順に並べていますし、資料編では「年表」なるものも作って、年代と対照させています。
それに比べると「EWEN」は、現在を追っているかと思えば、過去にさかのぼったり、回想シーンも出てきたりで、いったい、いつ頃のお話なのか迷うエピソードが多いような気がします。
今のところ、「どの順番で読むのですか」という問い合わせはいただいたことがないのですが、私も、これを機会に、「EWEN」の今まで発表したすべてのエピソードを時系列に並べるという試みをしてみます。
回想シーンだけ過去にさかのぼっているというものは、カッコに入れて二度掲載してあります。
おおよそ、こんな感じです。
末尾に記した年月は、作品の中の時期になります。
EWEN2*Episode 19 「炎の刻印」(1984年ごろ)
(EWEN2*Episode 10 「長い夜」における回想シーン)(1990年ごろ)
EWEN2*Episode 12 「弾雨」(1991年ごろ)
EWEN2*Episode 3 「ロザリオ」(1993年9月)
EWEN2*Episode 14 「REBORN」(1994年10月から1995年1月)
(EWEN2*Episode 6 「グリュンヴァルト博士の日記」における日記)(1995年1月?1999年4月)
EWEN2*Episode 1 「凍えた太陽」(1998年10月)
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EWEN 本編(1999年4月から2000年2月)
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EWEN3*episode 6 「線香花火」(1999年8月)
EWEN2*Episode 9 「バークレー警視の憂鬱」(1999年10月)
(EWEN2*Episode 8 「娘へ」の回想シーン)(2000年3月から2001年)
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EWEN2 完結編 「Die Heirat」(2001年3月から9月)
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EWEN2*Episode 2 「KWAIDAN」(2001年8月)
EWEN2*Episode 10 「長い夜」(2001年11月)
EWEN2*Episode 13 「CLOSE YOUR EYES」(2001年12月)
EWEN2*Episode 6 「グリュンヴァルト博士の日記」(2002年1月)
EWEN2*Episode 7 「シュプール」(2002年2月)
EWEN3*episode 4 「扉のない檻」(2002年3月)
EWEN2*Episode 4 「アニヴァーサリー」(2002年4月)
EWEN2*Episode 20 「バッド・モーニング」(2002年5月)
EWEN2*Episode 11 「A Hectic Day」(2002年5月)
EWEN2*Episode 18 「男たちの迷路」(2002年6月)
EWEN2*Episode 8 「娘へ」(2002年8月)
EWEN2*Episode 16 「シネマ・パラダイス」(2002年8月)
EWEN2*Episode 5 「ベルリンより」(2002年9月)
EWEN2*Episode 15 「過去からの手紙」(2002年9から10月)
EWEN2*Episode 17 「家族稽古」(2002年11月)
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EWEN2*Last Episode 「Auf Wiedersehen」(2002年12月から2003年8月)
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EWEN3*episode 2 「ウェルカムホーム」(2003年8月)
EWEN3*episode 1 「秋静か」(2003年9月)
EWEN3*特別企画 「インタビュー ウィズ 円香&ディーター」(2003年9月)
EWEN3*episode 3 「国見さんの帽子」(2003年12月)
EWEN3*バレンタイン掌編集 「ヴァレンタインの景色」§3(2004年2月)
EWEN3*episode 5 「春の宵」(2004年4月)
EWEN3* 特別企画 「ewen diary」(2004年10月)
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EWEN3*Special Episode 「沈黙の回廊」(2004年12月?2005年1月)
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EWEN3*episode 7 「望まぬ休暇」(2005年9月)
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EWEN3*episode 0 「空の散歩道」(2009年3月・つまり未来です)
むむむ。やはり、年代を追うごとに作品の数が少なくなっていくのがわかります。この人たちは、不幸だとお話ができるので、お話が少ないのは幸せになってきた証拠だと思ってください(笑)。
こうして並べ替えてみると、ユーウェンの人格が立て続けに表面に出てくる時期というのがちゃんとありますね。特に意識してそうしたわけではないんですが……。そういう時期を経て、ディーターとユーウェンの人格は統合されていったんだなと今さらながらにわかりました(書いたおまえが言うな)。
ただ、「この順番どおりに読めばいいですか」と問われれば、やはり「EWEN」本編から読んでいただいたほうがよいと思います。たとえば「炎の刻印」から読むと何のことかわからないですし。この順番では、以降の話を読む楽しみが失せてしまうかもしれません。
つまり結局は、「EWEN」のトップページの表を、上から順番に読んでいただくのが一番しっくり来るのではないでしょうか。
じゃあ、何のために、こんなめんどくさい作業をしたんでしょうね。現実逃避……かも(笑)。
トラバありがとうございます。
うわー! 「EWEN」ってこんなに入り組んでいたのね! と、今更ながら驚きました。
でも、確かに時系列順に読んでいってもわかりにくいのがありそうです。
本編を読んで、こいつの過去って? なんて興味がわいた時に、タイムリーに時代が戻る……っていうのが「EWEN」のパターンかも?
>そういう時期を経て、ディーターとユーウェンの人格は統合されていったんだなと今さらながらにわかりました
このポイントは高いですね。(^ー^)
歴史を振り返って見ているような……。
姫さん、お越しくださってありがとうございます。
私から見ると「エーデム」のほうが入り組んでいます。作者の頭の中にはきっと、きれいに整頓されて入っているのでしょうけど。
うちの場合、時系列順に読むのでは、興味が湧かないのではないかと思います。まず起こった事を読んでから過去に遡ってその隠れた理由を知るというパターンは、推理小説を読むのと同じ感じかもしれませんね。